この記事をまとめると
■SUV専用タイヤとしてグッドイヤーから「アシュアランス マックスガードSUV」が登場
【試乗】ニュルで仕込んだスポーツタイヤ! グッドイヤーの新モデル「イーグルF1アシンメトリック6」の実力を徹底チェック
■アシュアランス マックスガードSUVは都市部での使用を想定し静粛性や快適性を重視した
■コーナリング性能・ウエット性能も高く操縦性も優れていて幅広いSUVにマッチしそうだ
さまざまなシーンで高い快適性を披露するSUV用夏タイヤ
日本グッドイヤーがSUV専用のコンフォートタイヤである「アシュアランス マックスガードSUV」を登場させた。都市部を中心としたアクティブなミッドサイズSUVユーザー向けに静粛性やコンフォート性を追求したという。
今回はトヨター・ハリアーHV e-fourに装着し、都内から高速、山中湖まで足を伸ばし、約200kmの試走を行ってみたのでリポートしよう。
装着タイヤのサイズは225/65R17という標準サイズだ。
タイヤの外観的には丸みを帯びたサイドウォールが特徴的だ。刻印模様も控えめでSUVを名乗る割にはゴツゴツとした印象を与えない。トレッド面を見ると、パターンがきめ細かく配され、さまざまな場面で高性能を実現する肝となっているようだ。
走り始めると、滑らかなタイヤの転がり感があり、また接地性も感じられる。とくに市街地の低速エリアでは「硬い」印象はなく、快適性の高さが際立っている。HVのEVモード走行ではエンジン音がなくタイヤの発するロードノイズが気になるはずだが、アシュアランスは極めて静かに転動しているのだ。
これはトレッドパターンに秘訣が隠されている。とくに接地圧の高いトレッドセンター部分において、ノイズ低減リブが採用されている。基本的には4本の太いストレートリブが配されていて、斜めに横切る細い溝が多く刻まれている。横方向のリブはトラクション性能を高めるがノイズを発生しやすい。そこで横リブに角度をつけ、リブ間にあるブロックも斜に構えた構成となっている。
一見、「スタッドレスタイヤ?」と思えるほど細いリブが多く、手の込んだトレッドパターンデザインとなっているのである。
段差の通過時においては、ハーシュによる突き上げがソフトで快適性を損なわない。17インチサイズでサイドウォールの高さが十分にあることは、対ハーシュにおいて有利だが、その際にタイヤが撓みすぎるとハンドリング面で悪影響が出てしまう。その辺は郊外路で試すことにしよう。
高速道路区間では、やはり静かさと路面反力の柔らかさが感じ取れ、高い快適性が確保されている。その割に直進時のステアリングの座りが安定していて接地感が高い。轍や窪み、バンプでのタイヤケーシングの撓みが少なく、剛性は高そうなのにコンフォート性が損なわれないという不思議な乗り味だ。
SUVの走行特性にマッチングした扱いやすい乗り味
連続する段差通過部分でもタイヤのユニフォミティは均一性を保ち不快な反力を発生させない。これはタイヤの内部構造にポイントがある。タイヤトレッドのベース構造となるキャッププライを2層構造としていて、さらに強力なスチールベルトパッケージとしているのだ。
2プライ化でタイヤ外周方向の剛性は向上し、真円性が高速走行でも保たれる。変形が少ないのでヒステリシスは最小化され転がり抵抗も少なくなる。結果として燃費にも貢献するだろう。
コーナー区間ではリニアなステアリング特性が引き出せる。ステアリング操舵初期応答はマイルドで、切り増しに対してもスムースに反応する。過剰なゲインがないのでコーナー区間の安心感も優れているわけだ。
トレッドのキャップベースほどではないが、タイヤサイドウォールのケーシングはサイドのターンアップがショルダー部まで高く、またトレッドショルダー部にも補強が入っているので重心が高く、車重の大きなSUVのコーナリングを支えるのに十分な強さを与えられているわけだ。
その上で、タイヤ外観の特徴でもある丸みを帯びたサイドウォールによりタイヤ断面形状プロファイルがSUVの走行特性にマッチングし、扱いやすい乗り味になっているといえる。
ウエットグリップにおいてもグッドイヤーは自信を見せる。トレッドコンパウンドにシリカを配合して親水性をもたせ、ストレートリブでハイドロ性を高めていて全天候性に配慮しているのである。
都市部のSUVユーザー向けとしているが、郊外路でも適合性は高く、操縦性も優れていて幅広いSUVユーザーにマッチしそうだ。
ただ、悪路性能は求めていない。岩場や砂地、雪道ではもちろん専用タイヤに履き替える必要がある。SUVといっても車種は多岐に渡る。とくに市街地での快適性と静粛性、快適な乗り味を求めるSUVユーザーには待望の製品といえるだろう。
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