軽自動車のスペシャルティ部門で独走状態だったスズキ・セルボに対抗するべく、ダイハツはミラ/クオーレのエンジンやシャーシを共用して手がけた「リーザ」を市場に送り込んだ。後にオープン仕様まで展開するリーザの生き様をプレイバック!
文:小鮒康一/写真:ダイハツ
今では考えられないよね [オープン]まで作ってしまったリーザを覚えている?
【画像ギャラリー】奇想天外って言葉が似合うリーザ&リーザスパイダーがめちゃイケ!!!!!(7枚)
■軽スペシャルティ界隈に激震が走った!!
半円級の存在感を放つデザインが愛くるしい
今ではすっかり見る影もないが、1980年代には“軽スペシャリティーカー”というジャンルが存在しており、その筆頭としてスズキ セルボが高い人気を誇っていた。そんなジャンルにダイハツが対抗馬として1986年に投入したのがリーザというモデルだった。
リーザは前年となる1985年にフルモデルチェンジを果たしたミラ/クオーレのコンポーネンツを流用しつつも、全く新たなスペシャリティークーペとして登場したモデル。“エアロへミサイクル”と謳われた専用のボディを持っていた。
半球形を意味するヘミサイクルという部分からも分かるように、丸みを帯びたスタイルと空力を意識して寝かされたフロントウインドウが特徴的。ベースとなったミラよりも80mm全高が低められていた。
ホイールベースもミラより120mm短縮することで、凝縮されたスペシャリティー感を表現。寝かされたフロントウインドウに合わせてフロントシートを後方に設置し、コンパクトカーのシャレード並みの運転席空間を実現していた。
それに伴ってリアシートは極限までミニマムとなっており、5ナンバー登録の乗用モデルよりも4ナンバー登録の商用モデルが販売の主流。ホットなターボモデルも、当初は商用モデルにのみラインナップされるほどだったのだ。
デビュー当初は軽自動車の排気量は550ccとなっていたが、1990年1月から660ccとなり、ボディサイズも拡大。1990年8月はにマイナーチェンジを実施して、660cc化や大型バンパーの装着で新規格サイズとなった。
この際軽ボンネットバンモデルの税制優遇のメリットが小さくなったことで、リーザのバンモデルは消滅。全車5ナンバー登録の乗用モデルとなっている。
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■実用性重視なんておもしろくないじゃん!!
リーザの屋根を外し、幌を装着した斬新な発想でデビュー
すでにデビューから4年近くが経過したリーザーだが、1989年に開催された東京モーターショーにコンバーチブルモデルのリーザスパイダーを参考出品。1991年11月、実際に市販化をスタートさせた。
このモデルは通常モデルのリーザをベースにルーフをカットオフして作られていたものの、当初の設計段階ではオープンモデルの追加は想定していなかった模様。ゆえにオープン化に伴うボディ補強で、車両重量は100kg弱増加していた。
ただし、この時代になると軽自動車は実用性が求められるようになり、スペシャリティーモデルであってもデザイン優先のクーペスタイルは受け入れられないようになってきていた。
そのためライバルのセルボは一足先の1990年7月に、オーソドックスなハッチバックスタイルを持ちながらも上質なモデルへと生まれ変わった。それに続くように、リーザも同様のコンセプトを持ったオプティが1992年1月に登場したことで、姿を消すこととなったのだった。
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みんなのコメント
この頃はダイハツの他にもスズキのカルタスカブリオレやホンダはシティカブリオレ、日産はシルビアS13カブリオレ、マツダもRX7(FC)カブリオレ、三菱はパジェロJトップなんてのもあった