フルモデルチェンジしたレクサスの新しい「RX」。実車を見たモータージャーナリストの小川フミオがリポートする。
官能的ともいえる雰囲気
レクサスRXの新型が、2022年6月1日に世界初公開された。5世代目になるRXは、“スピンドルボディ”という新しいデザインテーマを採用したスポーティなルックスが特徴だ。さらに、あたらしい4輪駆動システムの搭載など、いかにも走りがよさそうだ。
レクサスRXは、1998年に第1世代が登場していらい、24年を数える。レクサスのコア(中核)モデルとして、日本のみならず、北米でも人気が高い。今回の新型は、ボディ全長は据置(4890mm)、全幅が25mm拡大したいっぽう、全高は10mm下がった。
実車には、東京・渋谷で開かれた「LEXUS NEXT CHAPTERラウンドテーブル」で対面した。会場で話を訊いたチーフエンジニアの大野貴明氏によると、サイズをあまり変えなかったのは、「北米でも、このサイズ感がちょうどいいと評価されている」のが理由だという。
スタイリングは新型「RZ」を彷彿とさせる新意匠が特徴だ。グリルとボディがつながったような「スピンドルボディ」の要素をとりいれたフロントまわりが目を惹く。それだけでなく、後方にいくと薄くみえるキャビンと、ボディのシェイプとうまく一体化しつつ力強くふくらんだリアフェンダーなど、官能的な雰囲気だ。
須賀厚一デザイン部長は、「遠くからみると、新しいクルマと思えて、近づいていくと従来のRXとの近似性に気づき、さらに近づくと、いままでとはまったく違うと思われるはずです」と、語る。たしかにそんな感じだ。
豊富なパワーユニット
いかにも走りのよさそうなモデルが今回新設定されているから、官能的という感覚はあながち間違っていないかもしれない。「RX500h F SPORT Performance(パフォーマンス)」と名付けられたモデルは、2.5リッターターボエンジンを使ったパラレルハイブリッドだ。
このモデルには全輪駆動システム「e-AXLE(イーアクスル)」搭載。さらに、今夏に発売ともいわれるレクサス初のピュアEV「RZ」でも採用される高出力モーターを制御して走りのよさを追求する「ダイレクト4」が組み合わされているのが注目点だ。
ラインナップは、上記「RX500h F SPORT Performance」を筆頭に、多岐にわたる。
「RX450h+」は、2.5リッターエンジンのプラグイン・ハイブリッドモデル。18.1kWhのリチウムイオンバッテリーをもち、後輪をモーターで駆動する「E-Four」搭載だ。
「RX350h」は、2.5リッター直4エンジンを使ったシリーズパラレル式ハイブリッドシステム採用。後輪がモーター駆動の「E-Four」と、前輪駆動の2本立ての展開だ。電池はニッケル水素となる。
さらにICE(内燃機関=エンジンで走るモデル)として「RX350」が、前輪駆動と、フルタイム全輪駆動で設定。燃費を追求した2.4リッター4気筒ガソリンエンジンは、徹底した制御が行われていると謳う。
RXは日本市場においては、独自の立ち位置にある。エモーショナルなスタイリングのミドルクラスサイズのSUVであり、操縦性の高さもセリングポイント。クーペ的なスポーティさという点では、メルセデス・ベンツ「GLCクーペ」や、BMWの「X4」などもライバルになるかもしれない。イメージ的にはポルシェ「マカン」も、購買層の視野に入るだろう。
スタイリッシュであるものの、ただし、RXは機能を犠牲にしていない。ホイールベースを従来と比べ60mm延ばして2850mmとしたぶん、後席の位置を下げて乗員スペースの拡大に充てたという。
いっぽう、テールゲートの車内側のデザインに手を加えたことによって荷室スペースはまったく犠牲になっていないそうだ。
「走らせると笑顔になってもらえるクルマにしたかった」
前出のチーフエンジニア、大野氏は語る。NX、LX、RZ、と続いてきた次世代レクサスの流れのなかに位置づけられる新型RXもまた、「すっきりと奥深い」を目指すレクサス独自の個性をもったモデルとなる。
価格も発売時期も明らかにされていないが(2022年秋頃という)、楽しみなモデルだ。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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みんなのコメント
今RX450h乗っているんだけど新型はホイールベースを伸ばしたことで最小回転半径が6mになったことが懸念事項かな、、、
これだと都内で狭小住宅だと厳しいね
今無理して駐車ギリギリなもんで