ブル・キアーロのクラシケ認証つきテスタロッサ
北米カリフォルニア州にて毎年夏の恒例となっているイベント集合体「モントレー・カーウィーク」でRMサザビーズ北米本社が2024年8月15日~17日に開いた世界最大規模のクラシックカーオークション「Monterey 2024」では、ヤングタイマー相場を象徴するモデル、フェラーリ「テスタロッサ」が出品されました。今回の出品車両は、2020年代に入ってにわかに人気を高めている「赤ではないフェラーリ」。そのマーケット評価には、市場の関心が注がれました。車両の詳細と落札価格をお伝えします。
バブル時代の憧れ「テスタロッサ」が3000万円ほどで落札! 走行距離1万7000キロ弱のカリフォルニアから出たことのないバリモノでした
80年代カルチャーのアイコン、テスタロッサとは?
フェラーリ「テスタロッサ」は、単にスーパーカーとして傑作だっただけにはとどまらず、1980年代カルチャーのアイコン的存在となっていた。
1984年パリ・サロンにおけるデビュー以来、そのビジュアルインパクトは、スポーツドライビング愛好家やクルマ好きの若者、高性能スポーツカー愛好家のみならず、当時の子どもたちにも強大なインパクトを与え、今なおまったく揺らぐことがない。
テスタロッサは、1973年のデビューから連綿と進化を図ってきたBB系ユニットを気筒あたり4バルブ化し、390psまでスープアップした180度V型12気筒5Lのエンジンを、同じくBB系からホイールベースを50mm延長した鋼管スペースフレームに搭載したもので、290km/hの最高速度に代表される当時最高のパフォーマンスを誇っていた。
デビューののち、すぐさまセンセーションを巻き起こしたフェラーリ テスタロッサは、それを生み出した華やかな時代を象徴する代名詞的存在となってゆく。
ロー&ワイドのピニンファリーナ製ボディ
ロー&ワイドのピニンファリーナ製ボディは、同時代のジェット戦闘機と同様、高速で空中を突き進むように設計された、まるでくびれたウェッジ(くさび)のようなプロポーション。天才的な芸術性によって、このデザインは不穏であると同時にエレガントであり、先進的かつ現代的であることに成功していた。
また、そのエクステリアにおけるアイキャッチとなった、ドアからクオーターパネルに沿った長いサイドストレーキは、赤いカムカバーを与えられた強力な4.9L・180度V型12気筒エンジンにフレッシュエアを送り込むという役割を果たしていた。
くわえて、それまでの「512ベルリネッタ ボクサー」と比べると、テスタロッサはスタイリング面で1歩も2歩も前進しただけでなく、パフォーマンスと全方位的な居住性も向上させていた。
そして1991年をもって生産が終了するまで、テスタロッサの未来的なデザインは、比喩的にも文字どおりの意味でも、その「エッジ」を失うことはなかったのだ。
やっぱり純正希少カラーのフェラーリは高評価がトレンド?
この夏「Monterey 2024」オークションに出品された1990年式フェラーリ テスタロッサは前後フェンダーのサイドマーカーやエンジンフードのハイマウントストップランプなどからも判別できるように、典型的なUS仕様。そして、RMサザビーズの公式カタログ内では「驚くほど魅力的」と謳われていた。
新車として製作された当初から、現在と同じ「ブル・キアーロ(Blu Chiaro:明るめの紺色)」のボディカラーに、「クレマ(Crema:クリーム色)」のコノリー社製レザーインテリアの組み合わせでピニンファリーナおよびマラネッロのフェラーリ本社工場で仕上げられ、1990年6月に、北米カリフォルニア州の「ハリウッド・スポーツ・カーズ」社にデリバリーされたことがわかっている。
オークション出品に際して添付されたデジタル「フェラーリ・クラシケ」証明書と、その「レッドブック」は、オリジナルのファクトリーカラーであることを証明するものであり、さらに重要なことは、リアハッチの下にナンバーズマッチのエンジンが確認できることである。ただし、ギアボックス(No.5185)は純正タイプのユニットではあるものの、新車時以来のオリジナルではないことも記録されている。
いっぽう、2018年までさかのぼることのできる一連のサービス請求書は、ルックスと同様に安全な走行を保証するために費やされたケアを示している。最近では、2024年6月にテキサス州のフェラーリ正規代理店「フェラーリ・サン・アントニオ」に委託され、2万ドル強の費用を投じて、エンジンを降ろしてのメンテナンスサービスを受けたという。
オークションカタログには特記されていないものの、エンジンを降ろしたついでにBB/テスタロッサ系では重要項目となる、エンジンのコッグドベルト交換も同時に行われたとみるのが自然だろう。
強気な推定落札価格に見えたが……
ちなみに、同じ公式カタログ作成時点でオドメーターが示している走行距離は1万2000マイル(約1万9200km)未満とのこと。落札者には純正のツールロールとオーナーズマニュアルも引き渡されるとのことであった。
「フェラーリ テスタロッサは、そのスタイリングキューが発売後の数年間にわたって業界全体で模倣された、正真正銘の時代のアイコンである。息をのむような外装色、走行距離の少なさ、そしてフェラーリ・クラシケの認定により、今回の出品車両はこのステータスの恩恵を受けるにふさわしいものである」
そんなPRの一文を添えて、RMサザビーズ北米本社は19万ドル~25万ドル(邦貨換算約2812万円~約3700万円)という、ここ数年で一時の上昇傾向を取り戻したテスタロッサのマーケット相場を鑑みてもけっこう強気なエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
しかし、それを強気とした筆者の単純な読みは外れていたようだ。オークションの当日、モントレー市内の大型コンベンションセンターで挙行された競売では、設定されたエスティメート上限を大きく上回る26万8800ドルで、競売人の掌中のハンマーが鳴らされることになったのだ。
これは、現在のレートで日本円に換算すれば約4030万円。為替相場では依然として円安傾向が続いていることを考慮に入れてもかなり高めの落札価格となった理由には、今や高値の必須条件である「フェラーリ・クラシケ」承認がなされていることにくわえて、希少ボディ/インテリアカラーがオリジナルのまま維持されていることも大きいかと思われるのである。
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みんなのコメント
かのピットレポーター川井ちゃんが乗ってたフェラーリも青だった。