現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「センター」から「ハンドルの奥」へ…新型プリウスのメーター位置大変革の長所と短所

ここから本文です

「センター」から「ハンドルの奥」へ…新型プリウスのメーター位置大変革の長所と短所

掲載 54
「センター」から「ハンドルの奥」へ…新型プリウスのメーター位置大変革の長所と短所

 1997年にデビューした初代プリウスは、インパネ中央にデジタルメーターを配置したセンターメーターを初採用したモデルでした。ステアリングホイールのスポークの隙間越しにメーターを見る一般的なレイアウトよりも、センターメーターは大きな画面でやや遠くに位置するので、ピントが合わせやすく視認性に優れるということで、一時は採用するクルマが増えました。

 2010年以降は採用例が減少しましたが、プリウスは先代の4代目まで採用するなど、センターメーターはプリウスの象徴的な装備でした。ところが、5代目となる新型プリウスでは、センターメーターをやめて、さらに先進性をアピールするトップマウントメーターに変更しています。

「センター」から「ハンドルの奥」へ…新型プリウスのメーター位置大変革の長所と短所

 電気自動車のトヨタ「bZ4X」/スバル「ソルテラ」でも採用されている、トップマウントメーター。メリット/デメリットを整理しながら、今後普及する可能性があるのか!?? 考察します。

文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA

視認性が向上し運転に集中できるが、評価には個人差も

 トップマウントメーターは、メーターをステアリングホイールのスポークの隙間でなく、上側を通して見えるように配置したメーターレイアウトです。昨年デビューしたバッテリーEVのスバル「ソルテラ」/トヨタ「bZ4X」で採用され、海外ではプジョーが同じようなコンセプトの「i-COCKPIT」を、2012年頃から採用を続けています。

 新型プリウスのトップマウントメーターも、7インチのディスプレイを、ダッシュボードの上部のフロントガラス付近に設置して、ステアリング上部から確認できるようにしています。これにより、メーターに視線をずらした時に視線の移動が少なく、ピントを変える必要もなくなることで、視認性が向上します。最近普及しているヘッドアップディスプレイと同じように、運転中の視線移動/ピント調整を最小限にすることで、疲労を軽減して運転に集中できるのが最大のメリットです。

 一方で、ドライバーのヒップポイントとステアリングホイールの位置関係によっては、ステアリングホイール上端部がメーターに被り、視認性が悪化する可能性がある、という課題もあります。たとえば、シートポジションが低めで座高の低い人が、ステアリングホイールを高く設定すると、メーターが見づらくなります。新型プリウスではステアリングホイールをやや小径にして、メーターかぶりを解消しようとしていますが、それでもメーターが見づらいという意見も散見されます。

 視認性を確保できるよう、シートアジャスタでヒップポイントを、チルト機構でステアリングホイール位置を調整すればよいわけですが、ドライバーにはそれぞれ、自分に合った好みのポジションがあるので、それを変更することに抵抗があり、ストレスを感じる人がいるかもしれません。そうなると、誰にでも好まれる装備というわけではなく、ユーザーを選ぶことになってしまいます。

新型プリウスのトップマウントメーター。7インチのディスプレイをダッシュボードの上部の一般のメーターより奥に設置して、ステアリング上部からメーター情報を読み取る

先代(4代目)プリウスまで搭載されたセンターメーター。初代から続いたプリウスの象徴的なメーターレイアウトである

[usedcar-search brand_cd="1010" body_cd="6,11" car_cd="10101040" keyword="プリウス" limit=30]

ヨーク型ステアリングとの組み合わせが前提か

 ただ、最近話題となっている飛行機の操縦桿のような四角形に近いヨーク型ステアリングであれば、視認性の個人差による不満はかなり解消すると思われます。

 バッテリーEVのソルテラ/「bZ4X」やレクサスRZのプロトタイプモデルでは、ヨーク型ステアリングが装着されていましたが、現在のところ、ソルテラ/bZ4XやレクサスRZの市販されているモデルには、小径ステアリングホイールが装着されています。

 ヨーク型については、まず中国向けに設定して、その後順次展開する予定だそうで、日本ではまだヨーク型が展開できない何らかの事情があるようですが、このヨーク型であれば、ホイール周りがスッキリして可視域も広がり、トップマウントメーターの本来の良さがより引き出せます。トップマウントメーターは、ヨーク型ステアリングと組み合わせることが前提なのかもしれません。

トヨタバッテリーEV「bZ4X」のプロトタイプで装備された「ワンモーショングリップ」と呼ばれるヨーク型ステアリングホイール

当面は、先進性をアピールするクルマへの装着に限定されるのでは

 以上のように、どんな体格の人でも、どんなドライビングポジションの人でも、トップマウントメーターの良さを体感してもらうには、ヨーク型ステアリングと組み合わせることが理想です。ただし、ヨーク型ステアリングも慣れるまでは扱い難さもあるので、なかには抵抗がある人もあるでしょう。そのため、ソルテラ/bZ4XやレクサスRZのように、小径や楕円型のステリングホイールが暫定的に採用されていく方法が、今後も採られていくと考えられます。

 このように考えると、トップマウントメーターはバッテリーEVのような先進性を訴求するクルマや一部のグレードで採用することになるでしょう。コストのこともあるので、当面は一般的なクルマへの採用については、ハードルが高いと思われます。

◆     ◆     ◆

 スタイリングもインテリアも、ここ数年でジェット機のような近未来的な雰囲気を漂わせるクルマが増えてきました。実用性重視のクルマが多い中、運転を楽しむクルマが増えることは良いことですね。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

54件
  • 結局センターメーターの良さがわからないまま消えていくのであった
  • 結局は、センターじゃ、ダメってこと。高級車でセンターメーターが、なかったでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村