全日本ラリー参戦車両のシュコダ・ファビアR5も激走
一般公道を占有して開催している日本で唯一のヒルクライムイベント「BRIGヒルクライムチャレンジシリーズ」の第6戦「御岳高原ヒルクライム2021」が10月2日(土)~3日(日)に開催された。
「コルベット」「アルピーヌ」「シルビア」が「異種格闘技戦」! 峠道をアクセル全開「根の上ヒルクライム2021」
この第6戦、当初は9月初旬に開催を予定していたものの、「緊急事態宣言の延長及び追加、まん延防止等重点処置の追加」を受け、開催地域への配慮から延期に。約ひと月遅れての開催となった。
だが緊急非常事態宣言も解除となったとはいえ、秋の行楽シーズンと重なったこともあり、この御嶽山周辺への観光客も多いことから、これに配慮する形で開催することに。2日に日程を分け、1日あたりの参加者の数を減らし、開催時間を一般的な生活時間帯のなかに収めるなどの配慮がなされた。
今回の舞台となるのは、長野県木曽郡木曽町にある町道寒原倉越線(倉越パノラマライン)。これまでも使用してきたコースではあるが、コース設定の区間は変更され、前半に7曲がりと呼ばれるつづら折りの急こう配を駆けあがる峠道、後半は高原の高速セクションとなっている。一部2019年の台風21号被害による路肩の崩落などの復旧工事がまだ終了していない箇所もあるが、この約4kmのコースでタイムを競うこととなった。
百花繚乱ヒルクライムマシン集結
このシリーズでは、1本の下見走行(レッキ)のあと、設定されたコースを1台ずつタイムアタックして、2本の走行での合算のベストタイムで勝者を決めるという競技規則。
競技車両は細かくクラス分けがなされており、初年度登録が昭和63年以前の旧車は「D(ヒストリック)クラス」および「DL(レジェンド)クラス」。軽自動車は「Kクラス」。そして普通車は、排気量(過給装置係数1.7倍、ロータリー係数1.5倍)で「A(排気量1500cc以下)」、「B(排気量2800cc以下)」、「C(排気量2801cc以上)」の3つのクラスに分けられ、それぞれに自己申告による「ノービス」と「オープン(Sタイヤ使用可)」という2種類のクラス分けがなされ、合わせて6クラスが設定される。そしてシリーズエントリースペシャリストによる最高峰クラスとなる「X-tremeクラス」を加えた、全10クラスとなる。
毎回中部地方を中心に各地からバラエティに富んだマシンが集結しているが、今回10月2日は、ノービス各クラスとD&DLクラスの5クラス計51台。10月3日は、オープン各クラスとKクラスの全5クラス計38台、デモラン車を含めると90台がエントリーした。
なかにはイベントが2日間に変更されたことで、車両をシェアして2日にわたって参戦するものがいたり、クラス変更や車両変更で2日連続で参戦するツワモノも現れた。一方、今回もこのシリーズ初参戦となるルーキーが8名も参加。さらには観戦に訪れたギャラリーもおり、それらに向けたブリーフィングを行い、しっかりと安全対策を施したうえで開催となった。
前週から日本に近づいていた台風16号も去り、この2日間は好天に恵まれた。残念ながらまだ紅葉には早いが、この日の御岳はまだ冠雪もなく、途中でドライバーからも御嶽山が見える場所もあって、爽快なヒルクライム日和となった。さすがに朝晩は冷え込むものの、まだ夏のような厳しい陽射しも残っており、参戦するほうも観戦するほうも、適度な環境の下で久しぶりのヒルクライムイベントを楽しんでいた。
若手、津田洋輔選手のインプレッサが総合1位
今回は、デモンストレーションランということで、今シーズンの全日本ラリー選手権で、唐津、丹後、モントレーと3勝を挙げJN1クラスポイントランキングトップを快走している福永 修選手&齊田美早子選手ペアが、そのラリー本番車である「アサヒ☆カナックOSAMU 555ファビア(シュコダ・ファビアR5)」を持ち込んでの走行を披露。そのタイムは2分41秒2、2本目は2分40秒0という結果となった。
一部マシントラブルや、クラッシュもあったものの、無事2日間ともに予定された時間内に競技を終えることができた。各クラスの優勝選手は、
Dクラス 篠原高広選手(#2 PROFIT-SPORTS タツキAE86/06:07.5/総合31位)DLクラス 志賀良彦選手(#6 BRIG エラン/05:58.0/総合20位)Kクラス 草間一朝選手(#10 K’s WSR Celam レンタルエッセ/06:48.5/総合67位)NAクラス 土田和人選手(#26 つっちーカプチーノ/06:20.2/総合46位)NBクラス 川瀬拓馬選手(#42 小山スピードBRIG S3/05:50.8/総合12位)NCクラス BURA KAZU選手(#56 BRIG KRT 夏用インプレッサ/05:58.4/総合21位)OAクラス 珠玖和孝選手(#63 DACカプチ 木村自動車商会 BRIG/05:49.3/総合11位)OBクラス 三宅 洸選手(#71 色白S2000 AP1/05:43.7/総合8位)OCクラス 村上克彦選手(#82 ランエボ9/05:27.7/総合3位)
という結果となった。
そして最上位クラスとなるXクラスでは、今シーズンからこのXクラスに参戦する若者、津田洋輔選手(#84 KRT☆BRIG☆インプレッサ)が、1本目で福永選手の出したタイムを上まわる2分39秒4のタイムを記録。2本目も2分40秒4のタイムをマークして合計5分19秒8となり、デモランの福永選手を上まわり総合1位を獲得している。
BRIGヒルクライムチャレンジシリーズは残すところあと一戦となる。その最終戦となる第7戦「おうたき2240ヒルクライム」は11月6日(土)に開催される。翌7日(日)はフェスティバル(ALL JAPAN HILL CLIMB FESTIVAL in 王滝)開催となり、シリーズ最大の2デイイベントととして行われる。
会場となるのは、長野県木曽郡王滝村にある「おんたけ 2240 スキー場駐車場」、その周辺の舗装道路が舞台となり、シリーズとしては2年ぶりの王滝戦となる。この最終戦は原則ルーキーのエントリーは許されず、さらにフェスティバルへは参戦の選考基準があり、シリーズ上位の選手のみが招待されるというイベントとなる。
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