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BMW i3s、「s」が付くことで変わったのか 試乗で「楽しさ」を検証

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BMW i3s、「s」が付くことで変わったのか 試乗で「楽しさ」を検証

もくじ

どんなクルマ?
ー 「究極のドライビングマシン」に「s」
ー i3→i3sへ なにがどう違う?

BMW「iビジョン・ダイナミクス」 i3とi8のあいだ 製品版は「i5」か

どんな感じ?
ー 運転楽しく 完ぺきではないが個性あり

「買い」か?
ー テスラや日産リーフよりも楽しい

スペック
ー BMW i3sのスペック

どんなクルマ?

「究極のドライビングマシン」に「s」

「究極のドライビングマシン」の製造元は、BMW i3を発売した時、おそらくもう少しやることがあると感じただろう。

座るのも見るのも調べるのも、たいへん興味深いクルマだが、運転してもあまりエキサイティングではなかったからだ。

発売されて3年が経ち、今回BMW i3sとなった。速くなって、低くなって、少し幅広くなって、名前に「s」がついた。スポーツの「s」だ。「ゆっくり」や「賢明な」という意味でクルマの名前に「s」をつける奴なんていない。

i3sはさらに究極のドライビングマシンになったわけだ。

具体的にどこが変わったのだろう。

i3→i3sへ なにがどう違う?

従来のi3に13ps(今や183psだ)と2.1kg-m(今では27.5kg-m)が加わったが、バッテリーは33.2kWhのままである。純粋な電気自動車と2気筒650ccのレンジエクステンダー付が選べる。後者では航続距離を伸ばすことができるが、重量は120kg増す。

しかしi3sの走りでより重要なのは、通常より車高が10mm低められ、トレッドは40mm広くなり(ホイールアーチも大きくなっている)、より大きなホイールとタイヤを与えられたということだ。今では20インチのリムに195/55プロファイルのタイヤを履いている。従来は19インチの155/70タイヤだった。乗り心地とハンドリングに大きく影響するだろう。

そのほかのパッケージングはほぼ従来通りである。リアエンジン、リアモーター、リアドライブのファンキーなインテリアを持つクルマで、所々に普通とは異なった素材が使われている。

また、このモデルには最新のソフトウェアが載った新しい10.3インチのインフォテインメントディスプレイが搭載されている。

どんな感じ?

運転楽しく 完ぺきではないが個性あり

われわれが試乗したのはレンジエクステンダーなしの通常のi3sだったが、標準のi3よりも確かに運転が楽しい。「運転の楽しさ」と「EV」は簡単には結びつかないが、i3sに加わった走りの鋭さは初めから明白だ。

スプリングとダンパーのセッティングおよびステアリング(とスタビリティコントロール)は入念に見直され、グリップはさらに強力にり、フロントは以前よりずっと粘り強くなった。

大きくなったホイール、薄くなったタイヤ、低められたサスペンションとくれば、乗り心地は悪いだろうと思うかもしれない。そして、残念なことにその通り。

標準のi3を運転してからずいぶん経つので、以前との比較で判断することはできないが、街中ではi3sはちょっと乗り心地が硬い。不快というほどではなく、突起を乗り越えた時のショックも角が丸められているが、重心高は低められているものの、背も高いので、BMWはボディコントロールと乗り心地の妥協点を探さなければならなかった。

出した結論は「鋭いほうがいい」。お気に召さないって? 通常のi3もまだ売っています。

性能は良い。モーターのレスポンスは非常にリニアで、スタート時のトルクも強く、0-100km/hの加速は6.9秒だそうだ。

しかし、長時間そのようなスピードで走り続けたいとは思わないだろう。なぜなら、長時間高速で走り続けると電気自動車の航続距離は短くなってしまうからだ。

公式の欧州試験サイクルレンジではi3sの航続距離は280kmであり、通常のi3より19km短い。また、BMWの予想する実際の航続距離は200kmで、今回のわれわれの試乗結果とおおむね一致する。寒いときはこれより短くなることをお忘れなく。

インテリアでは部分的にサーフェスが新しくなっているが、全体の雰囲気は以前同様クールで大胆。人間工学に基づくBMWデザインは素晴らしく、普通のBMWより華もある。広々として見晴らしも良い。

そして、そんなに場所も取らない。長さは4m以下だが、リアのドアは大きく開くので乗り降りも楽、260~1100ℓのトランクはほとんどのスーパーミニと同程度だ。

「買い」か?

テスラや日産リーフよりも楽しい

i3はスーパーミニサイズだが、価格は違う。およそ3万ポンド(455万円)の値札が付いたi3はやはりプレミアム・チョイスだが、複合素材からなる車体は合理的でインテリアは高級だ。

英国における電気自動車の補助金(4500ポンド=68万円)を差し引くと、i3は3万2475ポンド(493万円)、レンジエクステンダーは3万5625ポンド(540万円)。レンジエクステンダーを選べば、次の給油まで最大150kmも航続距離が延び、なにより旅行中に燃料補給ができる。

150kmの延長を必要とするかどうかわたしにはわからないが、i3を購入したユーザーの60%が買ってよかったと回答しているそうだ。

また、運転が楽しいという理由であなたが電気自動車を買うかどうかもわたしにはわからないが、しかし、こうは言える。「s」のついたi3は、i8や「ばかげたモード」付きのテスラ・モデルS、それに日産リーフなど、ほかのEVよりも楽しいクルマだ、と。

これだけの理由で、BMW i3sは、われわれの好きなEVのお気に入りの1台になったことは間違いない。

BMW i3sのスペック

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