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【詳細データテスト】マツダMX-30 デザインや質感は上々 飛ばせば元気 市街地で真価を味わえず

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【詳細データテスト】マツダMX-30 デザインや質感は上々 飛ばせば元気 市街地で真価を味わえず

はじめに

自動車業界において、EVのテクノロジーがいかに広まったか、また、その広まりがどれほど急激か、それをよく表しているできごとがあった。これまで電動化にはかなり慎重な態度を公にしてきたメーカーまでもが、渋々ながらかもしれないが市場に参入してきたのだ。

【画像】マツダMX-30とライバル 全23枚

今回テストするMX-30を導入するとともに、独立心の強さで知られるマツダはひとつの重要な事実を認めている。

電動車のライフサイクル全体におけるCO2排出量は、少なくとも今のところ、ひとびとが思っているほどサステイナブルで環境面の責任を果たせるものではない。それでもマツダでは、ある程度の電動化を導入することなしに、厳しさを増すエミッション規制をクリアすることができないのが現実である、ということをだ。

われわれとしても、2030年までに内燃エンジンを全廃するというような広島発のアナウンスを聞くことになるとは思っていない。だが、電動化を避け続けてきた彼らもついに、EVの市販を開始することとなった。

間違いなくMX-30は、いろいろな意味で新しいマツダ車だといえる。既存モデルにバッテリーと電気モーターを積み込んだようなEVを送り出すメーカーも多い中で、マツダは自社の設計者たちに、もっと自由な開発を許した。

開発陣が選んだボディタイプは、ファッショナブルでモダンなコンパクトクロスオーバーで、もっとも使われる機会が多いであろう市街地の環境への適合を目論んだ。と同時に、マツダの歴史に残るコンパクトなクルマたち、MX-5ことロードスターやMX-3ことプレッソのDNAを受け継ぐことを、車名でほのめかした。

またマツダは、EVとしては比較的軽いウェイトと、他社とは一線を画する魅力的なハンドリングにより、このクルマを小型電動車としてはこれまでになかったような、ベストハンドリングモデルに仕上げたと請け合う。その主張がどれほど正しいのか、確かめてみようではないか。

意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆

マツダは、ライバル車の多くが大きくて重く、コストもかさむ駆動用バッテリーを積むことに正当性を見いだしていないようだ。しかし、MX-30が備えるべき蓄電容量に関しては、時が来れば考えを改めざるをえないことになるかもしれない。

もっとも、EVの多くが、日常的に必要とされる以上に大きいキャパシティのバッテリーを積んでいると指摘したのは、それに欠けるクルマを発売するための地ならしだったのではないだろうか。鶏と卵はどちらが先か、という論法にも思えるが。

なにはともあれ、MX-30は航続距離に関する心配を取り除いてくれるようなEVではない。

全面的にスティールを用いたプラットフォームはマツダ3と基本設計を共有しており、フロントに積んだ145psの交流同期モーターで前輪をダイレクトに駆動する。サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームだ。

バッテリーは、セルを衝突に備えた保護構造体で囲み、前後アクスル間の床下をほぼ埋めるかたちで配置されている。容量はグロス値で35.5kWhと、昨年テストしたホンダeと同等だが、プジョーe-2008より30%ほど少ない。

これでも、重量面でアドバンテージがあればいいのだが、そうはなっていない。テスト施設での実測値は1663kgで、よりコンパクトなホンダeに対し120kg以上、やはり昨年テストしたe-2008GTラインと比べても25kg、それぞれ重いのだ。

このクルマで明らかなのは、剛性の高さを念頭において開発されたことである。側面にピラーのないフリースタイルドアは観音開きで、後ヒンジのリアドア前端にフロントドア後端が重なる形態は、かつてのRX-8と酷似している。そうして、チャレンジングなBピラーレス構造でありながら、ユーロNCAPで5つ星の衝突安全性を実現しているのだ。

その高剛性を得た代わりに、重量がかさんでしまったことで、懸念されるのが運動性能である。それについては追い追い明らかにしていこう。

内装 ★★★★★★★★☆☆

MX-30の地上高とシートポジションはやや高く、クロスオーバー的だがルーフラインは低く、曲線を描いている。そのため、外観はコンパクトに見える。

運転席へ座るには、やや背をかがめることになる。後席へ収まるには、まずフロントドアを開け、車内側にあるハンドルを引いてリアドアを開けるようになっている。前後ドアとも大きく開くのだが、前後席へ同時に乗り込むのは、前後とも前ヒンジドアを持つ一般的なクルマより難しい。

後席スペースは大人にはタイトだが、子どもなら十分な広さがある。この点は、フルサイズ4シーターというより、BMW i3やホンダeあたりに近い。

しかし、トノカバー下で341Lという積載容量を考慮すると、それらのコンパクトカーより実用性は高いといえる。それほど余裕は残らないものの、折りたたんだベビーカーを積み込むことが可能だ。

前席周りの見た目の質感はハイレベルだ。キャビンの雰囲気は高級感があり、手触りもいい。テスト車はリサイクルプラスティックを部分的に用いたファブリック仕様だったが、質感に妥協は感じられなかった。

センターコンソールやドアハンドル周りに用いられた天然コルクは、クルマのインテリアには滅多に使われない素材だ。これを採用した理由は、ひとつにマツダのルーツがコルク製品メーカーだという歴史的背景がある。

そして、再生可能な自然素材で、木を伐採せずに繰り返し収穫できる環境負荷の低さが、自然体でいられる居住空間を目指したMX-30に最適だと考えられたとも説明されている。現代の自動車産業における内装材としては異色だが、どことなくレトロ感も漂う仕上がりとなった。

メーターパネルがシンプルなのは喜ばしいことだ。スタイリッシュさより読み取りやすさ優先だが、むしろそれが功を奏している。操作系は扱いやすい配置で、ずんぐりしたシフトレバーは、ドライビングを楽しみたいときに、握りしめると安心できるような存在感がある。

空調のコントロールパネルはタッチ画面式だが、少ないながらも選り抜かれた実体スイッチを併用している。走行時などの使い勝手を考えれば、これはありがたい。

走り ★★★★★★★☆☆☆

MX-30のパフォーマンスレベルがやや緩やかだったのには、ちょっとばかり驚かされた。

たしかに、きわめて低い速度域では、軽いスロットル操作にもほぼ即座に反応する鋭さがあり、32-64km/h加速は2.6秒。停車したバスを追い越すときなどには役立つはずだ。しかし、その領域を越えると、走り志向のマツダが送り出すEVに期待するような元気さを感じることは一切ない。

1.6kmストレートでのテスト結果は、その印象を裏付けるものだ。0-97km/hが9.1秒では、中級小型車としてみると許容できないレベルではない。0-100km/hの公称タイムが9.7秒なので、これが実力とみていいだろう。

ところが、ライバル勢の0-100km/hタイムは、ミニ・エレクトリックが7.3秒、プジョーe-208が8.1秒を謳っている。それらに比べると、MX-30のパフォーマンスはやや平凡なものに感じられてしまう。

バッテリー容量の小さい、デザイン重視の都市型EVというキャラクターが共通するホンダeにも、MX-30は後れを取る。同郷の強豪モデルは、0-97km/hを7.9秒で駆け抜けているのだ。

48-113km/hにしてもホンダは7.6秒だが、このマツダは8.5秒。英国の高速道路で、合流路から制限速度へ達するのに、ほぼ1秒遅れるということになる。

スロットルペダルを思い切り踏み込んで加速すると、ちょっとばかり単調に感じられるかもしれない。エキゾーストノート代わりの合成音も、個性なく虚ろに響くだけで、走りに味わいや魅力を足してくれるものではない。

そうはいっても、非常にスムースで、運転しやすいクルマではある。ブレーキ回生のレベルはステアリングホイールに付属したパドルで5段階調整が可能だが、切り替えに頭を悩ませる走行モードの設定はない。

回生ブレーキの効きを最強にすると、ほぼ1ペダルでの楽なドライビングが可能になる。市街地では理想的な運転スタイルだ。逆に、右パドルを2回引くと回生ブレーキは弱く、加速は強くなる。また、スロットルを抜いた際には効果的に惰性走行を活かし、空いた道を走る際にエネルギー効率を向上させる。

制動能力は良好だ。乾燥した舗装路で、113km/hから完全静止までに要する距離は46.3m。これより軽く、ミシュラン・パイロットスポーツ4を履いたホンダeの44.5mにさほど見劣りしない。ペダルの調整もよくできていて、フィールがよく、速度の低下に伴ってスムースでプログレッシブに効く。

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

マツダがインフォテインメントシステムにおいて採ったミニマリスト的なアプローチは心地よいもので、しかも機能性を大きく損なってはいない。

メインとなるディスプレイはタッチ式ではない。そのため、ナビゲーションの目的地入力など、操作はセンターコンソールのダイヤル式コントローラーで行う。メニューはシンプルなレイアウトで、グラフィックの洗練度もレスポンスも実にいい。

ただし、タッチ画面でないと、ほかのシステムより使いにくいものがある。Apple CarPlayとAndroid Autoだ。

テストしたGTスポーツテックの標準装備内容は悪くない。スマートフォンのミラーリング機能だけでなく、ナビやデジタルラジオ、Bluetooth接続機能も備えている。ボーズのサラウンドサウンドシステムもじつにすばらしい。音質はクリアで驚くほどパワフルだ。

燈火類

MX-30は全車にLEDヘッドライトを採用。ファーストエディションとGTスポーツテックにはアダプティブ機能も備わる。ロービームの強さと広がりはすばらしい。今回、ハイビームを試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

ドライビングポジションは、総じてとても快適だ。シートの前後と上下、ステアリングコラムの調整幅はいずれも良好。ペダル配置に、取り立てて言及するほどのオフセットはなかった。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

敢えてテールゲートにMXのバッジを掲げることで、マツダは、初の量産EVにおいて著しい走りへの野心を抱いていることを示した。速度域が高くテクニカルな道では、まさしくMX-5、すなわちロードスターのように鼻先を動かす。ただし、一体感は薄い。

ロックトゥロック2.75回転のステアリングは、ゆったりしていてダイレクト感は控えめだが、正確で、手応えは心地いい。軽いが、曖昧さやよそよそしさとは無縁だ。言い換えるなら、まさしくMX-5っぽい。抑えられたコーナリング時のロールや、前輪のしっかりとしたグリップと相まって、MX-30はいい流れで走らせるのがじつに容易だ。

コーナリング中にスロットルペダルを戻しても、決してスピンしたりしないし、とっ散らかったり安定感を失ったりすることさえもない。そして、前輪駆動車らしく、パワーをかけてもリアが暴れて怖い思いをすることもない。ひたすらニュートラルにコーナリングし、気持ちよく、フリクションを感じさせないような、やる気のあるエネルギッシュな走りをみせてくれる。

ただし、コーナーの途中にバンプがあると、それが原因で瞬間的にバランスを崩すことはある。また、レスポンスのレートがほどほどなので、まだ楽しむ余地のあるペースだったとしても、ハンドリングはミニ・エレクトリックのように活発さが際立つものでもない。

それでも、MX-30の能力を最大限まで引き出すには、ハイペースで走れるワインディングが必要なのだ。バンピーな直線では、心から感心するほど緊密なボディコントロールをみせるわけではない。

現実的な航続距離が限られていることも考え合わせれば、ほとんどのオーナーは、このクルマが本当にハンドリングの冴えを示す状況を経験できないはずだ。郊外にちょうどドライビングを楽しめるルートがあって、そのすぐそばに急速充電器を見つけでもしない限りは。

緩やかなステアリングがスローに感じられる市街地周辺では、ありふれたクルマに感じられる。印象に残らないといってもいい。ラウンドアバウトで、鼻先の向きを変えるのにも操作量が多くなる。e-208やミニ・エレクトリックならもっと鋭く、明らかに俊敏な動きを見せるところだ。

もう少し、街乗りでマツダ・マジックを見せてくれてもよかったのではないだろうか。MX-30購入者のほとんどは、こうしたシチュエーションで乗ることが多くなるはずなのだから。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

リアサスペンションは比較的シンプルなトーションビームだが、乗り心地は落ち着いていてスムース。低速域ではほどよくしなやかで、衝撃はほとんど吸収し、ガタピシ音も最低限だ。

ひどく舗装が荒れていて、あばたのようなくぼみのある道では、セカンダリーライドがパタパタとにぎやかになりはじめる。ほかのほとんどの動揺も合わせて、リアアクスル周辺に集中しているのは驚くべきことではない。

速度を上げて、ピッチの短いアンジュレーションを乗り越えるときが、このクルマではおそらくもっとも厄介だ。過敏に動き、路面変化へ追従しようとしなくなる。快適でないとまで言い切るのは正確ではないが、過酷な道で飛ばしてもボディコントロールができているというのも正しくない。

それでも、ドライビングポジションは快適だ。アジャスト性には満足でき、シートはサポート性に優れている。前方視界も上々だ。ただし、フリースタイルドアと太いピラーによって、肩越しの視認性はあまりよくない。

静粛性はなかなかいい。113km/hでの室内騒音は66dBで、ホンダeの68dBより抑えられている。

購入と維持 ★★★★★☆☆☆☆☆

テスト車はトップグレードのGTスポーツテックで、3000ポンド(約42万円)の助成金を差し引いて2万9845ポンド(約418万円)。ホンダEの最上位機種が2万9660ポンド(約415万円)なので、ほぼ同等だ。

やはり最上位グレード同士で比較すると、プジョーe-208の3万975ポンド(約434万円)やミニ・エレクトリックの3万1100ポンド(約435万円)、ヴォグゾール・コルサ-eの3万1160ポンド(約436万円)より安価だ。

標準装備のレベルはすばらしく、素材の魅力や質感も、欧州車の競合モデルに対して見劣りしない。

ところが、話が航続距離となると、先に挙げた競合車ばかりか、クロスオーバー系のモデルにも歯が立たない。35.5kWhのバッテリーで走行できる距離は、WLTPモードで200kmにとどまる。PSAの2台は320kmを超えるし、ミニでもMX-30を25kmほど上回る。

テスト時の平均電費は4.7km/kWhで、そこから導き出される現実的な航続距離は166kmに過ぎない。ホンダeは5.0km/kWhで177kmの計算となり、不足を感じたのだが、それ以下というわけだ。

あくまでも短距離移動のコミューターと割り切り、急速充電は40kWにしか対応できないことにも納得して購入したとしても、航続距離の短さがフラストレーションを生む場面はあるはずだ。

スペック

レイアウト

マツダ初の量産EVは、まさに教科書通りのレイアウト。交流電気モーターはフロントに搭載され、シングルスピードのトランスミッションを介して前輪を駆動する。

35.5kWhと、最近のコンパクトEVとしては小さい駆動用バッテリーは、キャビンのフロアの下に設置。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームだ。車両重量は実測1663kg、前後重量配分は55:45だ。

パワーユニット

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:交流同期永久磁石式電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、35.5kWh(グロス値)
最高出力:145ps/4500~11000rpm
最大トルク:27.7kg-m/0~3243rpm
許容回転数:14000rpm
馬力荷重比:86ps/t
トルク荷重比:16.5kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4395mm
ホイールベース:2655mm
オーバーハング(前):897mm
オーバーハング(後):842mm

全幅(ミラー含む):2040mm
全幅(両ドア開き):3820mm

全高:1555mm
全高:(テールゲート開き):2050mm

足元長さ(前):最大1100mm
足元長さ(後):最大660mm
座面~天井(前):最大970mm
座面~天井(後):最大910mm

積載容量:341~1146L

構造:スティールモノコック
車両重量:1675kg(公称値)/1663kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前・後:7.0Jx18
タイヤ前・後:215/55 R18 95T
ブリヂストン・トランザT005A
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速ダイレクトドライブ
ギア比
最終減速比:9.99:1
リダクション比:-
1000rpm時車速:-

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.7km/kWh
ツーリング:5.3km/kWh
動力性能計測時:2.4km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:5.3km/kWh

公称航続距離:200km
テスト時航続距離:166km
113km/h巡航時航続距離:188km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.75回転
最小回転直径:10.3m

ブレーキ

前:326mm通気冷却式ディスク
後:303mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電気式(センターコンソールにスイッチ配置)

静粛性

アイドリング:-dB
全開時:71dB(145km/h走行時)
48km/h走行時:57dB
80km/h走行時:63dB
113km/h走行時:66dB

安全装備

ABS/BSM/DAA/DSC/FCTA/HHA/LAS/LDWS
Euro N CAP:5つ星(LHD)
乗員保護性能:成人91%/子供87%
歩行者保護性能:68%
安全補助装置性能:73%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h):3.5秒
0-40(64):4.9秒
0-50(80):6.7秒
0-60(97):9.1秒
0-70(113):12.0秒
0-80(129):15.9秒
0-90(145):24.2秒
0-402m発進加速:17.1秒(到達速度:133.1km/h)
0-1000m発進加速:32.2秒(到達速度:145.0km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ホンダeアドバンス(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
0-30マイル/時(48km/h):2.9秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.8秒
0-60(97):7.9秒
0-70(113):10.5秒
0-80(129):13.6秒
0-90(145):17.9秒
0-402m発進加速:16.2秒(到達速度:139.7km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.6秒
30-50(48-80):3.2秒
40-60(64-97):4.2秒
50-70(80-113):5.3秒
60-80(97-129):6.8秒
70-90(113-145):12.2秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):23.3m
70-0マイル/時(80km/h):46.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.71秒

ライバルの制動距離ホンダeアドバンス(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):22.5m
70-0マイル/時(80km/h):44.5m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

マツダは明らかに、はじめてのEVを発売するまでに、多くのメーカーより挑戦的な時間を過ごしてきた。ドライビングの楽しみに優れているということは、長年にわたりマツダの社是であり、それによって競合他社の多くに対する差別化に成功してきた。

電動化による避けられない重量増加は、おそらくそのポジションに対する最大の脅威だ。そこで、マツダがMX-30の走りを優先して、ライバルより小さくて軽いバッテリーパックを積もうと考えたのだとしても、驚くには値しない。

残念ながら、そのギャンブルは成功しなかった。たしかにMX-30には、ある程度の元気な走りをみせるが、限定的な航続距離が事実上の足かせになって市街地に縛りつけられている限り、それに触れるのは容易ではない。速さについても、あまり冴えないものだ。

乗り心地は快適で、スタイリングもインテリアのマテリアルも魅力的だが、おすすめするのは難しい。魅力的でないわけではないが、マツダがMXの名を冠するに値するEVと納得できるわけでもなかった。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースひと目写真で見たときから、MX-30のアイデアは心から気に入っていた。実際に触れてみて、メカニズムやチョイ乗りしての走りは好ましい。しかし、残念だったのはダイナミックなキャラクターに不足があったのは残念だ。航続距離が短くても、ありふれた走りに仕立てるべきではなかった。

サイモン・デイヴィス回生ブレーキを事実上オフにできるのは好ましい。ということは、簡単にノーブレーキで走らせることができる。とくに、下り勾配を走っているときには。

オプション追加のアドバイス

標準装備の内容は、ベースグレードでも充実している。ただし、部分合皮でランバーサポート調整機能とヒーターが付くシートや、よりリッチなキャビンのディテールは、間違いなくリセールを有利にする。中間グレードのスポーツリュクスを選ぶ価値はある。

改善してほしいポイント

・もう少し力のあるモーターを。競合するコンパクトEVと比べて、元気が足りないように感じられる。
・航続距離はあまりにも短い。あと30~50kmくらいでいいので、伸ばしたほうがいい。
・コーナリング中のバンプに敏感すぎるので、そこを和らげてもらいたい。

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