現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型のスズキ・スイフトが、今までのスイフトと“違う路線”なワケ

ここから本文です

新型のスズキ・スイフトが、今までのスイフトと“違う路線”なワケ

掲載 7
新型のスズキ・スイフトが、今までのスイフトと“違う路線”なワケ

12/13発売 MT車は来年1/17に

スズキが、コンパクト・ハッチバックのスイフトをフルモデルチェンジした。CVT車は12月13日に、5速MT車は2024年1月17日に発売する。

【画像】新型「スイフト」発表 デザイン/内装を見る【従来型と比較】  全44枚

スズキ・ブランドを牽引するグローバル・コンパクトカーであるスイフト。日本ではハッチバックのみだが、インドではセダン版を「スイフト・ディザイア」という名称で販売している。

そしてホットモデルである「スイフト・スポーツ」も日本やヨーロッパなどで人気を博しているのはご存じのとおり。これらのモデルも合わせて、発売以来の世界累計販売は約900万台に達している。

新型のボディサイズは、全長3860×全幅1695×全高1500mm(2WD)。ホイールベースは2450mm。

従来型と比べて、全長こそ15mm伸びているが、それ以外のサイズは同じだ。

しかも、フロントウインドウやリアウインドウの傾斜角、ルーフの長さなども、従来型とほとんど変わらない。つまり、シルエットは従来型からほぼ継承されている。

これは、新型スイフトの開発責任者(従来型も担当)である小堀昌雄氏が、デザイナーに対して要請した点であるという。一目見てスイフトと分かるような、スイフトらしいシルエットは踏襲させたかったのだ。

デザイン/内装の変更点は?

一方で、フロントまわりはスイフトのアイデンティティを引き継いでいるものの、ピアノブラック調のグリルやL字型ポジションランプを備えたLEDヘッドランプなどで、より立体的な顔を作り出している。

テールランプにもLEDを採用し、点灯時に車幅がワイドに見えて強い印象を与える。しかも空力特性は従来型より約7%向上させた。

インテリアは、インパネとドアトリムをつなげ、ドライバーとクルマの一体感を強調している。スポーティな非対称デザインのメーター、ドライバー側に8度(従来型は5度)傾けて操作性を向上したセンターダッシュのパネルなど、運転のしやすさも追求。

ラゲッジスペースは荷室開口地上高を10mm低く、荷室開口部高を25mm高くしたので、高さのある荷物も収納しやすくなった。

もちろんリアシートバックは分割可倒式だ。またトレー&前後ドリンクホルダー付きのセンターコンソールやペットボトルホルダー付きフロントドアポケットなど、小物の収納スペースも充実している。

つまり、スイフトらしさは継承しつつ、エクステリアやインテリアなどを変えている。

その背景には何があるのか?

狙いは、走りのイメージ払拭か

現在の日本市場においては、スイフトが属するコンパクト・ハッチバックの購入者は、子育てが終わった、いわゆる“エンプティネスター世代”が中心になっている。

それでも、スイフト購入者の平均年齢は44.8歳と、他社競合モデルより約10歳も若いという。

そしてスイフトは、「スタイルや外観」「走る(運転する)楽しさ」「足まわりの良さ」といった点は評価されているのだが、「安全運転を支援する機能」や「運転をラクにする機能」などが不足している、という意見が多いという。

スイフト=スイスポというわけではないのだが、スイフトというとスポーティな見た目や“走りのイメージ”が強くて、自分には合わないと購入しなかった人も多いらしい。購入者の平均年齢が若いのも、そのあたりに理由があるようだ。

そこで新型スイフトでは、年配の人たちはもちろん、免許を取って間もないZ世代にも受け入れてもらえるよう、気軽に使えるクルマを目指した。

商品コンセプトは、エネルギッシュ×軽やか「日常の移動を遊びに変える」洗練されたスマートコンパクトだ。

その特長として、
1. ひと目見たら印象に残るデザイン
2. 細部にまでこだわって進化させた走行性能・乗り心地
3. 日常運転の安心をサポートする先進の安全技術
4. 使い勝手のよい装備・パッケージング
が挙げられる。

簡単に言ってしまえば、デザインには軽快感を加えて、エネルギッシュで軽やかに。今まで鍛えてきた走行性能を進化させつつ、リラックスできる室内空間・安全装備を充実させ、日常の移動を遊びに変えることを目指しているのだ。

パワートレイン/グレード構成

新型スイフトはパワートレインも一新。新開発のZ12E型と呼ばれる1.2Lの直3 DOHCエンジンを搭載した。

グレード構成は上位から順に「ハイブリッドMZ」「ハイブリッドMX」「XG」までの3種類。

エンジンの最高出力は82ps/5700rpm、最大トルクは11kg-m/4500rpm。従来型のK12C型(直4の1.2L)より燃費性能を向上させ、低速から滑らかに上昇するトルク特性で街乗り走行での軽快感も実現している。

「MZ」「MX」はマイルドハイブリッド(モーター:3.1ps/6.1kg-m)も組み合わせているが、「XG」はエンジン車のみだ。

トランスミッションも新開発のCVTを組み合わせるが、MXの2WD(FF)では5速MT車も設定。駆動方式は、MXの5速MT車以外はFFと4WDが選べる。

「じつは、スイフトはスズキのクルマでは最も開発コストが厳しいクルマなんです」と、前述の小堀氏は語る。

実際、2023年上半期(4~9月)の新車販売台数では、スペーシアは5万7224台(軽自動車で3位)、ソリオは2万1394台(登録車17位)に対し、スイフトは1万2868台(登録車で27位、スイフト・スポーツ含む)。

スイフトよりも売れている軽自動車のスペーシアのほうが、開発コストはかけられるのだ。

売れるスペーシア/ソリオの傍らで…

したがって、限られたコストで内外装のデザインをリフレッシュさせ、安全&快適装備も充実させる。いまやコンパクト・ハッチといえども燃費が良いとか価格が安いというだけでは売れない。

毎日の安心と、クルマの楽しさを両立させるために、新開発の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全車に標準装備するなど、安全装備を充実させた。

一部はオプションだが、ディスプレイオーディオやメモリーナビも設定。クルマがオペレーターやスマートフォンとつながる「スズキコネクト」にも対応するなど、従来型の不足していた点をカバーしている。

デザインと走りを進化させ、運転サポート機能なども充実させて、運転をより楽しく感じられるクルマを目指した新型スイフト。

トヨタ・ヤリス&アクア、日産ノート、ホンダ・フィット、マツダ2といったライバルひしめく激戦区は、この新型スイフトの登場で勢力図は変わるのだろうか。

そして、スイフトといえば、やはり「スイスポ」の新型も気になるところ。

小堀氏からは具体的な話は出なかったが、開発が進められているのは間違いない。新型スイフトよりも、どう走りとデザインを進化させるのか。こちらの登場も楽しみでならない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フィアット『グランデパンダ』、ステランティスのセルビア工場で生産開始
フィアット『グランデパンダ』、ステランティスのセルビア工場で生産開始
レスポンス
首都高中央環状線で「トンネル火災」北行きで通行止め続く 大井JCT~熊野町JCTで広い範囲
首都高中央環状線で「トンネル火災」北行きで通行止め続く 大井JCT~熊野町JCTで広い範囲
くるまのニュース
バイクニュース今週のダイジェスト(7/22~26)
バイクニュース今週のダイジェスト(7/22~26)
バイクブロス
踏み間違い防止装置があるから安心ではない! 覚えておきたい機能の特徴
踏み間違い防止装置があるから安心ではない! 覚えておきたい機能の特徴
LE VOLANT CARSMEET WEB
セゾン自動車火災保険、迅速に保険金支払いへ…クラウド版「ClaimCenter」日本初導入
セゾン自動車火災保険、迅速に保険金支払いへ…クラウド版「ClaimCenter」日本初導入
レスポンス
ホンダ、中国で失速生産能力3割減、日産は北米不振で営業益99%減[新聞ウォッチ]
ホンダ、中国で失速生産能力3割減、日産は北米不振で営業益99%減[新聞ウォッチ]
レスポンス
なぜ「軽で白ナンバー」付けられた? 100万台装着のオリンピックナンバーの現状は? 9割が軽も「万博ナンバー」では変化あり?
なぜ「軽で白ナンバー」付けられた? 100万台装着のオリンピックナンバーの現状は? 9割が軽も「万博ナンバー」では変化あり?
くるまのニュース
いつでもオシャレをしていたい! 教習所はカラコンOKなの?
いつでもオシャレをしていたい! 教習所はカラコンOKなの?
バイクのニュース
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
カー・アンド・ドライバー
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レスポンス
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
くるまのニュース
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
くるまのニュース
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
レスポンス
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
日刊自動車新聞
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
AutoBild Japan
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
くるまのニュース
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
レスポンス
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
モーサイ

みんなのコメント

7件
  • rvu********
    去年Bセグハッチバックで世界一の販売台数だったのがスイフト。開発者のプレッシャーもかなりのものだったに違いない。
  • suzuki
    デザインは先代の方が好きだな。なんかスズキは惜しいのが多い。バイクも同様。
    せめてボンネットライン横方向にも薄いライトのデザインで凝るとかしたほうが。何か力強さが感じない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.0378.0万円

中古車を検索
スイフトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.0378.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村