■ヤリスクロスのライバルはホンダのヴェゼル?
現在、国内のコンパクトSUV市場は競合がひしめき合っている状況です。そんななかで、2020年4月23日にトヨタは、新型コンパクトSUV「ヤリスクロス」を世界初公開。同年秋には、日本での発売も予定しているといいます。
2020年4月時点の日本市場におけるトヨタのSUVラインナップは、「ライズ」、「C-HR」、「RAV4」、「ハリアー」、「ハイラックス」「ランドクルーザープラド」、「ランドクルーザー」とさまざまなコンセプトを設定しています。
新たに追加されるヤリスクロスのボディサイズ(欧州値)は、全長4180mm×全幅1765mm×全高1560mm、ホイールベース2560mmです。
日本で発売されているライズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm。C-HRが全長4385mm-4390mm×全幅1795mm×全高1550mm-1565mmとなり、両車の中間に位置するモデルとしてラインナップされます。
パワートレインは、新型「ヤリス」に搭載された1.5リッター直列3気筒エンジンを搭載するガソリン車(2WD/4WD)と、同エンジンにトヨタの第4世代ハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車(2WD/E-Four)をラインナップ。
ヤリスクロスについて、首都圏のトヨタ販売店のスタッフは次のように話します。
「店舗には、発表されたことすら情報が降りていないので、秋に日本で発売することについては、まだ話せるものがありません。しかし、ライズやC-HR同等の新型車投入されるということは、一長一短かもしれません。
良い面では、2020年5月からこれまであった専売車体勢が無くなり全店舗で全車取り扱いになることに加えてヤリスクロスが追加されることで、トヨタ内のラインナップでお客さまを囲い込めるという点です。
また、ライズはガソリン車のみしか設定がないうえ、C-HRは個性的なデザインに加えて後席の居住性に難がありましたが、ヤリスクロスの事前情報によれば、その両車を補えてなおかつ、このクラスで好調なホンダ『ヴェゼル』に対抗出来るかもしれません。
お客さまにも、これらの利点がある部分を訴求することで、全体的に販売台数を伸ばすことが出来るかもしれません」
※ ※ ※
ライバルとして名前の挙がったヴェゼルは、1.5リッター直列4気筒エンジンをベースに自然吸気/ターボ/ハイブリッドといった性格の異なる3つのパワートレインを設定しています。
ボディサイズは、全長4330mm-4340mm×全幅1770mm-1790mm×全高1605mm、ホイールベース2610mmです。スペック値ではサイズの大きなヴェゼルが勝っていますが、使い勝手や利便性などではヤリスクロスもいい勝負かもしれません。
また、ヤリスクロスは従来のトヨタデザインとは少し異なるように見えます。一見、ライズやRAV4のようなタフさが目立つものの、随所に丸みを持たすことで欧州SUVのようなテイストを持っています。
ライバルと予想されるヴェゼルは都会派SUVのテイストを盛り込んだデザインですが、ヤリスクロスは、フェンダーやサイドスカート部分に黒い樹脂製の用いることで、近年流行りのオフロードテイストを強調しました。
■ライバルはコンパクトSUVだけじゃない?
日本には、さまざまなコンパクトSUVがラインナップされ、SUV市場は激戦状態です。
前述のように、トヨタ内にはライズとC-HR、ホンダがヴェゼル。そして、日産は「ジューク」の生産終了に伴い、2020年6月に新型車として「キックス」を投入予定だといいます。
さらに、マツダには「CX-3」と「CX-30」、ダイハツにはライズのOEM元となる「ロッキー」、スズキには「ジムニーシエラ」と多くのライバルが存在するのです。
前出の販売店スタッフによると、近年のコンパクトSUVの競合はほかにもいるといいます。
「コンパクトSUVは、SUV本来のアイポイントの高さや走破性を持ちつつも、扱いしやすいサイズ感が好評で人気を博しています。
その要素を持つとなると、近年注目されている軽クロスオーバーに分類されるスズキ『ハスラー』や今後発売されるダイハツ『タフト』もお客さまの選択肢としてはあると思います。
また、そこまでのSUV性を求めていない人からすれば、『アクア クロスオーバー』や日産『ノート シーギア』などの、SUV風モデルも比較検討の対象になるかもしれません。そう考えるとお客さまによってライバルが異なるといえます」
※ ※ ※
ヤリスクロスの価格は現時点では公表されていませんが、ライズ(167万9000円から228万2200円)、C-HR(236万7000円から309万5000円)となるため、恐らくエントリーグレードが200万円、ハイブリッドの上級グレードが300万円くらいになるのかもしれません。
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