この記事をまとめると
■企業や団体が商標登録しているクルマ用語を4つ紹介
「ハンドル」も「ナンバープレート」もダメだった! 海外じゃ通じない「英語っぽい」自動車用語たち
■一般名詞的に使われすぎているがじつは固有名詞なものをピックアップした
■外国で生まれた言葉なのに英語由来のものではない言葉も存在していた
いかにもな英単語かと思ったら……
ウォシュレットやQRコードというのはいち企業の商品名だったのが、あまりに普及しすぎて、あたかも一般的な呼び名になっているかと。じつはクルマの世界にもそんな普及しすぎて、普通に呼んでいるものの、もとは商品名だったというケースが少なくありません。ちょっとピックアップしてみましょう(ちなみに、ウォシュレットはTOTOの温水洗浄便座で、QRコードはデンソーの関連会社、デンソーウェーブのマトリックス型二次元コードというものです)。
リセールバリュー
買ったものを売るときに気になる「リセールバリュー」はクルマ好きなら聞いたことがあるどころか、自ら何度となく口にしている言葉かもしれません。いまでは、このリセールバリューを見越した残価設定ローンといったサービスもありますから、クルマの世界では一般名詞といっても差し支えないような気がします。
が、これはご存じ中古車販売の大手「ガリバー」(現IDOM)が登録したれっきとした商標なのです。よって、「リセールバリューのいい中古車あります」とか「高額査定のリセールバリュー」などと他社が勝手に使うことはできないことになっています。
もっとも、不動産のリセールバリューとかM&A後のリセールバリューなどなど、クルマ業界以外でもじゃんじゃん使われていますけどね。ただし、英語圏では通じにくいようです。似たような言葉だと「Residual Value(リジデュアル・バリュー:残存価値)」なんて感じ。
それっぽい言葉なのに、いち企業の登録商標だったとは驚きを禁じえませんね。
オービス
これは察しがついている方も少なくないでしょう。スピード検知カメラなのに、どことなく商品名っぽいネーミングですからね。「あそこのオービスにやられちゃった」とか「オービスあるから気をつけて」など何の気なしに使っていても、オービスってどういう意味だろうと首をひねっていたかもしれません。
オービス(Orbis)は、そもそもラテン語で「円」や「回転運動」、はたまた「地球」といった丸いものを指すとのこと。翻って「目玉」を表徴したとされ、開発元の航空機メーカー、ボーイング社が名付けたそうです。
すると、オービスの商標はボーイングかというと、日本国内での製造権、特許出願をしているのは日本の東京航空計器という会社。こちらが、警察に一括納入してしているわけですね。
ちなみに、本家のボーイングは「空飛ぶ眼科医」として、眼科治療設備を搭載した「オービス号」という飛行機を飛ばしており、そのロゴは丸い目玉を模したデザインです。
日本語の「履帯」「無限軌道」ってなんのこっちゃ?
キャタピラ
キャタピラこそ、誰もが普通に使っている名詞かもしれませんが、こちらもアメリカのキャタピラ社の製品名。日本語の正式名称は履帯、あるいは無限軌道という呼び方はなかなかファンタジックな響きを持っています。
また、英語圏でもキャタピラで通用するくらい一般的に普及しているようですが、正式にはクロウラー、トラックベルトなんて呼び方です。
近頃はSUVのデザートカスタムなんてのが流行っていますが、さらにその上をいく極地探検なんてことになると、クロウラーカスタムとして駆動輪のかわりに履帯、キャタピラを装着したクルマも散見します。そんなとき「キャタピラっていうのはね……」などと訳知り顔をするのもいいかもしれませんね(笑)。
クラクション
若いクルマ好きはご存じないかもしれませんが、稲垣潤一が「夏のクラクション」というロマンチックな曲をリリースしているくらい、クラクションは一般名称化しています。が、じつはこちらもフランスの「クラクソン(Klaxon)」社の製品名で、数十年前に日本に輸入されたものの、それが普及&訛ってクラクションと呼ばれるようになった模様。英語圏では当然通じなくて、警報ラッパはホーン(Horn)と訳すのが一般的。
話はズレますが、筆者が愛車のステアリングをモモの小径に交換した際、ホーンボタンこそついてはいたものの、ホーンのマークがついておらず、さる老舗チューナーから「これじゃ車検通らないよ」と指摘され、その場で修復していただいたのです。なんのことはない、ホーンボタンの上にガムテープが貼られ、マジックで「ラッパ」と書かれていました。が、無事に車検を通ったこと、いまではいい思い出です(笑)。
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2トン未満の吊り上げ荷重クレーンがトラックに設置してあったことから世にユニックとして広まったようだ。