11月4日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた2023スーパーGT第8戦もてぎの公式予選。逆転チャンピオンのためにポールポジションを狙った16号車ARTA MUGEN NSX-GTはまさかのQ1敗退を喫し、タイトル獲得が厳しくなってしまった。
■大津はアタックをまとめるもQ2進出できず「悔しい」
金曜搬入日から予選を重視し「ポール・トゥ・ウイン」を狙うと公言していた16号車陣営。迎えた予選日午前の公式練習を5番手で終えて午後の公式予選に臨んだものの、8番手と0.005秒差でQ1ノックアウト。アタックを担当した大津弘樹は「走り自体は悪くなかったでしたし、セットアップも悪くなかったんですけどね……」と予選を振り返る。
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「ちょっと予想外の結果でした。タイヤのピークパフォーマンスを引き出すことができなかったことが、タイムの上がらない原因だと思っています」と続ける大津の表情は険しい。
「公式練習の段階から(Q1を)簡単に突破できるような雰囲気はなかった。そんななかで僕がQ1を担当して(福住)仁嶺にバトンをつなぎたかったです。……本当に『悔しい』のひと言しかないです」
選択したタイヤについては“外している気温”ではなかったものの、「本命だと思っていたタイヤに対して合わせきれず、そこが課題になってしまった」と言う。
「まだ分かっていない部分が多くありますけど、ちょっと……いろいろと悔しい予選になってしまいました。でも、決勝ではいろいろな要素が必要ですし、チャンスをフルに活かせるように、常に対応できるように集中してレースに臨みます」
■杉崎エンジニア「選んだセットがベストではなかった」
16号車の杉崎公俊エンジニアも、金曜搬入日にはポール・トゥ・ウインを狙っていくと語っていたが、予選後には開口一番「ダメでした……」と肩を落とす。
「予選に向けては、午前中の公式練習で他チームが使用したタイヤやコンディションを加味して、ネガティブな部分を修正したつもりでした」と続ける杉崎エンジニア。
「でも、結果的にはセットアップやタイヤを含め、選んだすべてのことがベストではありませんでした。その結果として、負けてしまったのかなと感じています」
杉崎エンジニアによると、マシンについては「タイヤがまったくグリップしなかったり、かなりのアンダーステアやオーバーステアが出ているということはない」という。ただ、全体で少しずつのパフォーマンスを引き出すことができなかったことが敗因と語る。
また、16号車については「他のチームとは違う」タイヤを選んでいるとのこと。「セットアップとコンディションが違うので直接比較することは難しいですけど、結果としては予選で選んだタイヤとセットアップではタイムを出すことできませんでした」
これまで予選での一発の速さを武器にしてきた16号車ARTAだが、まさかの展開で決勝に臨むことになった。決勝では福住仁嶺が言っていた「歴史に残るような」逆転チャンピオン劇は生まれるのか。9番手からレースに挑むホンダ唯一のタイトル候補、16号車がNSX-GTラストランで総力戦に挑む。
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