「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「スズキ アルト」だ。
スズキ アルト(2009年:7代目)
便利な乗用バン、女性ドライバーへの配慮など、常にその時代が求める機能を反映してきたアルト。初代のデビューは1979年で、7代目となった最新型も今の時代を反映している。省資源、低燃費といった環境への配慮。そしてそれがユーザーにとってもメリットとなり、満足できるバリューフォーマネー。つまり、「安くて燃費がいい」というのが、今もっとも求められる要素というわけだ。
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新型アルトの最高燃費は、24.5km/Lを達成している。そのために、空力性能はもちろん、軽量化にも苦心したという。軽くて丈夫な高張力鋼板の使用範囲を広げたり、ホイールの表面やヘッドランプの板厚まで削って、先代より約10kg軽量化した。
エンジンはバルブタイミングの最適化で効率を高めた、54ps自然吸気のVVTエンジンを全車に採用している。そして、パレットSWで初採用した副変速機構付きCVTを、2WD/4WDともに設定している。ただ、バリューフォーマネーの観点から、5速MTと4速ATも残した。5速MTで24.0km/L、4速ATでは22.5km/Lと、こちらもCVTに迫る好燃費だ。そのため、全車がエコカー減税と補助金の対象車となっている。
だが、新型アルトは「安くて燃費がいい」だけのクルマではない。世代や性別を問わず、長く愛される軽自動車として、デザインの良さも大切な要素だ。エクステリアでは、アーモンド形の大きなヘッドライトや、スーッと伸びやかなルーフラインが印象的。サイドのプレスラインやバンパー両端などに、アクセントラインがしっかりと入り、知的で生き生きとしたデザインだ。
室内では、先代で好評だったベージュのインテリアを引き継ぎ、明るくクリーンな空間が広がっている。前席のヒップポイントが580mmと高めの設定で、乗降性はもちろん、視界にもストレスがない。CVTモデルにしかシートリフターがないのは不親切だが、大きな一眼メーターは見やすく、フロアタイプのシフトレバーは握りやすい。
室内の広さは、先代と比べ室内高で10mm、前後乗員間距離で15mmとわずかに拡大したが、頭上、足元とも標準体型の女性ならゆとりたっぷり、男性でも十分なスペースだ。収納ではボックスティッシュが収まるグローブボックスや、小物が放り込めるトレイなどが便利。ラゲッジスペースはリアシートをワンアクションで前倒しできるほか、通常の状態でもA型ベビーカーが積めるので、ママと子供のお出かけにもピッタリだ。
CVTモデルで街中から高速までを走ってみると、まず乗り心地が良かった。プラットフォームとサスペンションはワゴンRから譲り受けているが、ガッシリというよりはホンワカとしている。とはいえコーナリングや高速域での不安感がなく、ハンドリングも素直だ。
ブレーキは、踏み始めがフワッと感じるのだが、効き自体はしっかりしている。これは、燃費対策のためにこうしたフィーリングになっているとのことだった。
高速での追い越し加速以外では、とくに力不足や騒音を感じる場面はないし、近頃の軽自動車の中ではいちばん、肩の力を抜いて、リラックスして走れたのが好印象だった。こんなキャラクターもアルトの魅力と言えるはずだ。
■スズキ アルト X 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1535mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:760kg
●エンジン種類:直3 DOHC
●排気量:658cc
●最高出力:40kW<54ps>/6500rpm
●最大トルク:63Nm<6.4kgm>/3500rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:24.5km/L
●タイヤ:145/80R13
●当時の価格(税込み):102万9000円
[ アルバム : スズキ アルト(7代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
あと、シートも良かった。
営業車で乗り継いだ人は殆どそう思っているのでは?
ワークスはなかったけどね。