クルマの中でドライバーにとっても同乗者にとってもとても重要なのがシートだ。最も体に接するパーツで、快適性の部分においても重要な役割を担うことになる。
そこでそのシートの前席と後席の快適性、荷室の使い勝手とシートアレンジで渡辺陽一郎氏にクルマを評価してもらった。
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今回は軽自動車のシートだ。購入する際の参考にしていただきたい。
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
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■前席の比較&ランキング
前席の快適性トップはホンダ N-BOXだ
今は小型車から軽自動車に乗り替えるユーザーも増えたから、さまざまな使われ方をする。車内が広がった効果もあり、後席に友人や家族を乗せてドライブに出かける用途も見られる。
また後席を畳み、自転車などの荷物を運ぶニーズも根強い。昔の軽自動車は、1~2名の乗車で短距離を移動するためのツールだったが、今は小型/普通車以上に多用途だ。そこで前席/後席/荷室&シートアレンジとパートを分けて、シートを軸にした軽自動車選びを考えたい。
まず前席が最も快適なのはN-BOXだ。背もたれと座面にボリュームを持たせ、体が適度に沈んだ部分でしっかりと支える。サイズも十分に確保され、リラックスして快適に乗車できる。
体が適度に沈みこむ快適なボリュームだ
N-BOXが前席を快適に仕上げた背景には、乗り心地を向上させる目的もある。軽自動車は転がり抵抗を抑えた燃費重視のタイヤを装着するなど、乗り心地に不利な要素も多い。そこでシートの厚みを増して、路面からの衝撃を効果的に吸収する。
前席の2位はタントだ。座面のボリューム感はN-BOXが勝るが、タントも柔軟な座り心地で快適に仕上げた。背もたれは腰を包む形状で、カーブを曲がる時のサポート性も良い。座面に体が沈む感覚も優れている。
前席の3位はジムニーだ。SUVだから、N-BOXやタントのようなスーパーハイトワゴンに比べると頭上空間は狭い。それでも窮屈に感じさせず、前席のサポート性は良好だ。背中から腰をしっかりと支えて、肩まわりのサポート性も優れている。長距離ドライブにも適する。
■後席の比較&ランキング
後席の快適性トップはダイハツ タント
後席の快適性は、全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンが優れる。頭上に十分な余裕があり、スライド位置を後方に寄せると足元空間も大きく広がる。4名乗車を前提に開発されたから、後席の座り心地も全般的に快適だ。
特に後席の快適性が1位になるのはタントだ。先代型の後席がいまひとつだった事情もあり、現行型は欠点を払拭すべく大幅に改良した。座面を柔軟に仕上げ、前側を少し持ち上げることで、大腿部のサポート性も優れている。
スーパーハイトワゴンの後席はコンパクトに格納する必要があり、座面に角度を付けにくいが、タントは上手に造り込んだ。背もたれも適度に柔軟で、座り心地はリラックスできる。
コンパクトに格納する必要があるスーパーハイトワゴンの後席において、ほどよく柔らかな座り心地を持つ
後席の2位はN-BOX。座面の角度はタントに比べて水平に近く、座面の柔軟性とサポート性はタントに比べて少し下がる。それでも座り心地に不満はない。
そして身長170cmの大人4名が乗車した時、後席のスライド位置を後端に寄せると、N-BOXの膝先空間は握りコブシ4つ少々に達する。タントも十分な余裕があるが、握りコブシ3つ半だから、後席の広々感はN-BOXが少し勝る。
後席の3位はスペーシアだ。4名乗車時の足元空間は、タントを若干下まわるが十分に広い。サポート性や座り心地の柔軟性も、タントやN-BOXほどではないが快適だ。
■荷室&シートアレンジの比較&ランキング
荷室&シートアレンジのトップはホンダ N-BOX
軽自動車には、N-BOXをベースに開発された商用車のN-VAN、商用バンの乗用仕様になるエブリイワゴンやアトレーワゴンもある。これらは広い荷室を備えるが、運転姿勢や座り心地に不満が伴い、一般的な選択肢ではない。そこで一般の軽乗用車で比較&ランキングを行う。
1位に選んだのはN-BOXだ。後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、大容量の荷室空間に変更できる。
N-BOXは燃料タンクを前席の下に搭載したから、荷室の床が低い。路面からリヤゲート下端部分までの高さを470mmに抑えた。一般的な軽自動車は580~700mmなので、N-BOXであれば、自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。
しかもN-BOXの全高は2WDが1790mmに達するので、荷室高にも余裕がある。広くて使いやすい荷室は、N-BOXの大切な特徴で、国内販売ランキングの1位を独走する要因でもある。
広くて使いやすい荷室は、N-BOXの大きな魅力のひとつだ
2位はハスラーだ。N-BOXに比べて荷室高は低いが、荷室や車内に汚れを落としやすい素材を使う。屋外で楽しむ遊びのグッズなども気兼ねなく積める。
ハスラーはシートアレンジも多彩だ。後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、床の低い平らな荷室に変更できる。後席のスライド機能も採用した。これらのシートアレンジは、スーパーハイトワゴンと同様にすべて左右独立式だから、乗車人数と荷物の量に応じて調節しやすい。
スーパーハイトワゴンを除く全高が1700mm以下の軽自動車で、このような多彩なシートアレンジを可能にするのは、ハスラーと基本部分を共通化したワゴンRだけだ。
3位はN-WGN。後席の下に横長のワイドなトレイを装着したから、後席の背もたれを倒した時に座面も下がる機能は採用されない。その代わり荷室の床は、同じプラットフォームを使うN-BOXと同様に低く、専用のボードを使うと上下に二分割して棚のように活用できる。
N-WGNの場合、大掛かりなシートアレンジではないが、日常的に使いやすい。シンプルな分だけ車両価格も安く抑えられ、自転車を積むほどの空間を必要としないユーザーには実用的だ。
■総合評価
総合評価のトップはダイハツ タント。さまざまな用途に応じた快適性を提供できるのが強みだ
前後席の快適性とシートアレンジの使い勝手を総合評価すると、1位はタントになる。左側のドアはワイドな開口幅を得られるため、子供や高齢者と一緒に乗り降りする用途に適する。福祉車両に準じた機能が備わる。ほかのハイトワゴンでは得られないタントならではの特徴だ。
そしてタントはシート自体の座り心地も良いから、4名乗車のニーズに合う。後席を畳んで大きな荷物を積むハイトワゴンの基本機能も備えるから、幅広いユーザーに適する。快適かつ便利に使えることが特徴だ。
●シートで選ぶランキング順位
総合評価の2位はN-BOXだ。一番の特徴は、スーパーハイトワゴンの中でも最大の荷室容量を備えること。後席の座面を持ち上げて車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能で、積載性を突き詰めた。燃料タンクを前席の下に搭載するレイアウトが、N-BOXの積載機能と使い勝手を高めている。
総合評価の3位はハスラー。スーパーハイトワゴンのタントやN-BOXほど車内は広くないが、荷室は汚れを落としやすく、シートアレンジの種類は劣らない。後席や荷室にこだわりたいが、スーパーハイトワゴンまではいらないユーザーにとって、ハスラーは選ぶ価値が高い。
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みんなのコメント
追突されたら速効で旅立たれる
軽自動車の後部座席にだけは将来ある子供は乗せたくない
あくまで買い物や通勤など短距離での用途向きのコミューターである