■なんとなく、デザインに違和感がある? クルマたち
クルマのデザインは、スポーティでスタイリッシュなものだけではなく、高級セダンのように重厚さを表現したもの、高級ミニバンのように迫力のある押し出し感を演出したもの、コンパクトカーでかわいらしさを追求したものなどさまざまです。
クルマ作りのコンセプトは多種多様なので、それに沿った形でエクステリアデザインはなされていますが、なかには少しデザインバランスに違和感があるようなデザインを採用したモデルがあります。今回はそのようなモデルを5台紹介します。
●日産「マイクラC+C」
日産「マイクラC+C」は2005年に欧州市場で発売され、日本市場では2007年に発売された2ドアの小型オープンカーです。
日産のコンパクトカー「マーチ」は、欧州ではマイクラという車名で販売されています(2017年に欧州で5代目マイクラが発売されたものの、2021年時点で日本では4代目マーチを継続販売)。
マイクラC+Cは、3代目マイクラをベースとして電動開閉式のハードトップを組み合わせ、コンバーチブルにしたモデルとなっています。車名にあるC+Cは、クーペのCとコンバーチブルのCという意味からきています。日本では1500台限定で導入されました。
コンパクトなボディサイズでオープンエアが楽しめるモデルは一定の人気があり、BMW「MINI」などにもコンバーチブルのモデルが存在。マイクラC+Cも同様にコンパクトでオープンエアが楽しめるといったニーズに応えたモデルとなっています。
しかし、ルーフがクローズド状態の場合、電動開閉式の客室の前後長が短く前方に寄ったデザインのため、サイドやリアから見ると少し違和感を覚えるスタイルになっていました。
それでも、ルーフがオープン状態ではすっきり見えるデザインとなっているので、オープン状態での見栄えを優先したデザインなのかもしれません。
●ダイハツ「オプティ」
1992年に登場したダイハツ「オプティ」は丸目のかわいらしいヘッドランプを備え、全体的に丸いスタイリングも特徴的な軽自動車でした。
1998年には2代目にフルモデルチェンジしますが、初代の3ドアハッチバックと5ドアハッチバックといった軽自動車の定番のボディスタイルから一転して、独立したトランクを持つ4ドアハードトップセダンに生まれ変わりました。
一般的な軽自動車は、規格内の全長は限られているなかで十分な室内空間を確保しようとするとハッチバックスタイルが有利となるため、ほとんどの軽自動車はハッチバックスタイルを採用しています。
しかし、オプティは軽自動車では珍しい独立したトランクを備えましたが、限られた全長のなかで非常に短いトランクとなったため、セダンらしい落ち着いた雰囲気には仕上がりませんでした。
●日産「マーチBOX」
1999年に登場した日産「マーチBOX」は、2代目「マーチ」をベースに開発されたステーションワゴンです。
マーチBOXは、ベース車とホイールベースは同じですが、ステーションワゴンに仕上げるために、リアのオーバーハングを240mm延長、全高も25mm高く仕上げられており、そのおかげで、コンパクトなボディながら荷室空間が広くなり実用性が高まりました。
しかし、延長したリアのデザインが間延びした印象になり、アンバランスで違和感のある仕上がりになってしまいました。
マーチの丸くかわいらしいデザインは、多くのユーザーに好評でしたが、追加されたマーチBOXは2002年におこなわれた3代目マーチへのフルモデルチェンジの際に消滅し、後継モデルもなく終了してしまいました。
■街で見かけるあのタクシーも、よく見るとちょっと変?
●フィアット「ムルティプラ」
1998年に登場したフィアット「ムルティプラ」は、5ドアハッチバックのトールワゴンです。
ホンダ「エディックス」のようにフロント3名、リア3名という座席配置を実現したそのスタイルは、なんとコンパクトカーのホンダ「フィット」とほぼ同じ全長約4mでありながら、全幅は1.9m弱で高級ミニバンのトヨタ「アルファード」級に幅広いという、超ワイドなのにすごく短いという違和感のあるボディサイズでした。
ボディサイズもそうですが、円形のハイビームをAピラーの根元に配したデザインも非常に個性的で、インテリアも独創的なものに仕上げられていました。
そのため、多くのユーザーの賛同を得ることはできず、マイナーチェンジで一般的なフロントマスクに変更されてしまいました。
ちなみに、英国のコラムニストからは「世界一醜いクルマ」に認定されてしまい、短命で終わったのも、その影響があるのかもしれません。
●トヨタ「JPNタクシー」
2017年に登場したトヨタ「JPNタクシー」は、「クラウンセダン」をベースとした「クラウンコンフォート」や「コンフォート」の後継で、タクシー専用として開発されたクルマです。
タクシー専用車のため、パワーユニットはガソリンではなく、1.5リッター4気筒のLPGエンジンにハイブリッドユニットを組み合わせた独自のユニットとなっています。
また開発にあたりタクシードライバーの意見を多く取り入れ、使い勝手をとことん追求した仕様になっています。
そのため、比較的コンパクトなサイズながら、乗降しやすいように天井が非常に高くなっています。
また、乗客の乗り降りに利用する左側の後席ドアは安全性と乗降性を優先して開口部の大きなスライドドアを採用するなど、こだわりの仕様となっています。
その一方で、天井が高くドアの開口部を大きくとったため、とくにリアウインドウの上端が極端に高くなっており、前後のウインドウのデザインが揃っていません。
JPNタクシーでよく見られる「深藍」のカラーでは気になりませんが、まれに見られる明るい色のJPNタクシーでは違和感が強くなります。
デザインで選ぶモデルはないので、実用性重視で良いのですが、ロンドンタクシーのようにカッコよさも内包できると、また違った印象になったのではないでしょうか。
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みんなのコメント
ネットで違和感ガーって暴れ回ってるんだろうね。
肝
中国車なのが残念