「駆けぬける歓び」を深掘り
BMWのプレミアムSUVであるX5が2019年2月から国内販売されているが、その圧倒的な存在感とプレミアムモデルを超えたプレステージ感と迫力が注目されているモデルだ。ひときわステータス感を増した4代目となる新型X5はプラットフォームから一新され、BMWのこだわり「駆けぬける歓び」を表現しつつ、ゴージャスでラグジュアリーになったインテリアも魅力たっぷりだ。
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SUVのパイオニア的存在
BMWのSUVはSAVと表現しているのは周知のとおりだが、一般的にユーティリティを重視するSUVモデルとは一線を画している。BMWのSAVはアクティビティを大切にし、どういうアクティビティができるのかということを重視し、そのためにはスポーティでありながら、荷物もたくさん搭載できる機能も確保しているのでSAVだとしている。
そうしたフィロソフィーから誕生したBMW X5は初代が1999年にデビューし、瞬く間にSUVブームが広がった歴史がある。いわばSUVモデルのパイオニア的存在で、特に北米、中国を中心にしたミッドサイズSUVとして人気を博したモデルだ。
したがって今回の4代目BMW X5は「The Boss is back」をコンセプトに開発されている。新しいカテゴリーを切り開いたパイオニアとして、そして多くのライバルが誕生していく中で、新型X5は新しい価値を再び提供するために生まれてきたと言っていいだろう。ちなみにライバルと想定されるモデルはメルセデス・ベンツのGLE、アウディQ7、ポルシェ・カイエンといったあたりだ。
ディーゼルパワートレーン
4代目のX5はこれまでのF15型からG05型へと型式が変更され、7シリーズ、5シリーズに使われるCLARプラットフォームを採用。先代モデルからホイールベースは+42mm、全長が+36mm、全幅+66mm、全高+19mmと、それぞれサイズアップされ、全長4922mm、全幅2004mm、全高1745mm、ホイール・ベース2975mmとなり、一段とゆとりあるキャビンスペースを実現している。
ボディにはアルミ合金やハイテン材を多く採用し、ボディサイズを大型化しながらも15kgの軽量化をしており、さらにBMWのアイデンティティでもある前後荷重配分50:50はきちんと維持されている。また、現在導入されているモデルは「xDrive35d」と「xDrive35d M Sport」でともに4WDモデル。搭載エンジンも共通の3.0L・直列6気筒ディーゼル・エンジン(B57D30型)を搭載している。最高出力265ps/4000rpm、最大トルク620Nm/2000-2500rpmを発揮し、0-100km/h加速は6.5秒。燃費はWLTCモードで11.7km/Lというスペックになる。
先代に搭載していたディーゼルエンジンはN57D30A型で、同じ排気量のディーゼルターボではあるが、新規に開発されたエンジンになっている。新型はタービンが変更され、より低回転からの最大トルクが発揮されるようになり、少しのアクセル操作で大トルクが反応するレスポンスの良さから、扱いやすさや乗りやすさも向上している。スペックも7ps、60Nmの出力アップがあり、0-100km/h加速も0.4秒速く、6.5秒で到達する。組み合わされるトランスミッションはZF製8速ATを搭載している。
そして4WD機構は前後トルク配分を常時行なうタイプで、4輪の荷重状況をミリ秒単位でセンシングしながらトルク配分を変更している。そのため、ドライバーはスリップなどを感じることなく、常に安定した走行が可能になる。
よりラグジュアリーなエア・サスペンション
新型X5では3種類のサスペンションがあることも特徴的だ。走りへのこだわりはこうしたところからも伺える。レイアウトはフロントがダブルウイッシュボーンでリヤがインテグラル・アーム式マルチリンクだ。採用されるダンパーやリンクは標準モデルでは前後スチール製リンクが採用され、M SportにはアダプティブMサスペンションが装備される。これはドライブモードでSportとSport+の時にスポーティな減衰へと変化する可変ダンパーを採用している。
そしてオプション設定で4輪アダプティブ・エア・サスペンションがある。車高を40mmの範囲内で車載量にかかわらず車高を自動で一定に保ち、また手動でも車高を変えることができる。このエア・サスペンションは、コンフォート性を高めながらもスポーツモードでもしっかりとした減衰を行なうことができる。
存在感を際立たせる大型化キドニーグリル
エクステリアデザインでは、BMWのアイコンであるキドニーグリルが大型化されている。最近のデザイントレンドとしてグリルの大型化があり、より主張の強い顔つきになっている。一目で新型とわかる新しいデザインだ。また、SAVモデルであってもBMWのDNAであるFR的な主張をリヤフェンダー周りへ目がいくようにデザインされている。
エクステリアは車両の大型と相まって、外界の見下ろし感が絶大で征服欲とか威圧感といったことを感じるかも知れない。ひとまわり大きくなったが故の、余裕が芽生えることだろう。そう、ハイパフォーマンスのクルマのアクセルを踏み込まない大人な転がし方と同じように。さらにBMWブランドと大型のキドニーグリルは存在感を強く周辺へアピールすることは間違いないのだ。
インテリアは大きく変更されている。よりラグジュアリーに洗練されたインテリアとなり、ドライバーオリエンテッドでありながら、走りと豪華さの両立を狙ったインテリアになっている。特にライバルの多くがSUVとして走りをアピールしているためか、そっけないインテリアのモデルが多いのに対し、スパルタンな印象だった先代からゴージャスへと変化し、外観とは別な上級で賓のある印象になっている。
ユーザーからの要求では、走り以外で高まっているのがインテリアだ。新型BMW X5は質感や見た目、手触りなどに配慮した新デザインで仕上げられている。とくにハンドクラフトを取り入れ、クリスタルのシフトノブやスタータースイッチなど全体に底上げされている。
もちろんトリム周りも高級感があるように変更され、バリューフォーマネーという観点からもお得感のあるモデルになった。その新型X5のベネフィットはその大きさであることは言うまでもないが、ラグジュアリーを強調しつつ、従来からのアクティブさもしっかり抑えているのが新型X5の内装だ。
音声認識と半自動運転
また、フルデジタルメーター化されたエンジン回転計は逆回転するデザインに改められ、コンサバな印象にもなりがちだが、先進性も多く取り入れていることがよくわかる。装備では「OK BMW」と話かけると答える対話式音声認識が斬新だ。これまでの音声認識ではコマンドワードでしか対応しなかったものが、会話形式でも反応するAIを搭載している。
ナビ設定はもちろん、車内の室温調整やラジオ、オーディオの音声変更など、これまでドライブ中であれば視線を手元に移動する必要があったが、新装備ではその動作はなくなり、声だけで変更できるのは新鮮だ。
先進装備といえば、高度運転支援システムも進化している。2019年8月以降デリバリーされるモデルには、日本初の「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」が搭載される。これはハンドル操作をドライバーがしなくても自動で操舵する機能で、限定的ではあるが自動運転に一歩近づく機能だ。
もちろん、従来からの追従機能や車線維持、緊急衝突回避ブレーキなどの安全装備は備えている。さらに、ユニークな機能としてリバース・アシスト/後退時ステアリング・ アシスト機能を搭載した。これは、35km/h以下の走行時に、直近50mのルートを自動的に記録し、必要なときにはこれまでドライブしてきたルートに沿ってステアリングを自動的に操作しながら後退する機能だ。
車両が大きいだけに、狭い道での後退などでは確実に今来た道を自動でバックするので、精神的な安心感がある。欧州でも市街地ではかなり狭い道があり、喜ばれている機能だという。
新型X5は、やはり自らハンドルを握るタイプのユーザーを刺激するだろう。先進性に敏感であるとか、常に理性的な運転をする一方で、運転を通じてクルマと対話ができるような情熱的で感性豊かな人に似合うモデルだ。コンベンショナルな流れとアバンギャルドなものが同居し、それを楽しみ、使いこなしてくユーザーの周りには、気づけば懐柔しているだろう。
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