今や納期は2年後とも5年後とも……
トヨタ・ランドクルーザーの新型、300系が盛り上がっている。その完成度は半端ではなく、世界中で新型を待ち望んでいたユーザーからの注文が殺到。それは国内でも同様で、半導体不足もあって日本での納期ははるか先と言われている(一説によれば数年とも)。新型ランドクルーザーと基本部分を共用する、新型レクサスLXもまたしかりだろう。
まさに「オフロード界のセルシオ」! 新型もいいけど「ランクル100」が意外と狙い目の理由とは?
新型ランドクルーザーを今から注文するとすれば、納期までに今乗っているクルマの価値がガクンと落ちることは必至で(ランドクルーザーは別として)、購入希望者は悩みに悩んでいるはずだ。
そこでランドクルーザーを注文する、しないに関わらず、比較的早期に新車に乗れる、ランドクルーザーに匹敵または迫るオフロード性能を持つクルマをピックアップしてみたい。価格は国産、輸入車を問わず、新型ランドクルーザーの510万円~770万円という価格以下とした(新型レクサスLXの価格は未発表だが、1000万円を大きく超えてくるはず)。
ランドローバー・ディフェンダー
まずは、ランドクルーザー並みの本格的なオフロード性能が不可欠という、悪路を走る前提でクルマを探しているユーザー向け。だが、じつは国産車ではランドクルーザー並みの車格を持つクルマは見つけにくい(プラドという手はあるが……)。よって、勧めやすいのは輸入車となる。
その筆頭が、砂漠のロールスロイスと呼ばれるレンジローバーを擁する、ランドローバーのなかでも走破性に特化したディフェンダーだ(本家レンジローバーは1000万円を軽くオーバーする)。
価格は551万円からで、最新モデルは高級感たっぷりの内外装とともに、ランドローバー史上最強のタフネスと走破性を備えたモデル。最大深度900mmの渡河能力を持つ、世界最強のオフローダーと呼んでいい1台だ。まずはこれに乗り英国趣味を満喫しつつ、ランドクルーザーの納期を待つのも良し。気に入ればランドローバー愛用者として、これからずっと過ごしていくのもいい。
ジープ・ラングラー
もう1台の輸入車は、ランドクルーザーとはちょっと毛色は変わってしまうが、ワイルドさと走破性抜群で元々軍用車として生まれたジープ・ラングラーである。価格は536万円からで、ランドクルーザー同様に世界中の僻地、道なき道を開拓するような過酷な場面で定評ある超本格派である。
日本での人気も沸騰中で、このところ街で見かけることも多くなっている。現在、ジープマニアならずとも注目したい、シープの原点をオマージュしたラングラー・アンリミテッド・ウィリスという特別仕様車も登場している。ランドクルーザーとは別世界のモデルだが、走破性が選択の最重要項目なら、満足感は高いはずである。
とはいえ、普段は街乗りメインの一般ユーザーがたまにアウトドアに出掛け、たまのたまに悪路に遭遇する……といったライトな使い方。しかし、この場合だとランドクルーザーへ憧れているならともかく、ディフェンダーやシープ・ラングラーほどのオフローダーは、少なくとも日本の悪路を含む道では宝の持ち腐れになる可能性がある(極悪路の走破力という意味で)。
トヨタRAV4
そこで提案したいのが、ミドルサイズの国産SUVだ。もし、今トヨタのディーラーでランドクルーザーの商談中なのであれば、トヨタから選ぶと話が早い。プラドという選択肢(記事執筆時点で納期約5カ月)がまっとうだが、ちょっと視点を変えて、RAV4はどうか。
なかでも走破性にもっとも優れるグレード「アドベンチャー」といきたいところだが、キャラクターという意味ではクロカン寄りすぎて、ランドクルーザー狙いの人にとっては車格感、高級感に乏しい。
ならば、これも納期は多少かかると思われるのだが、RAV4 PHVである。469~539万円で、内外装の上級感、高級感は標準型RAV4とは別格。しかも、ランドクルーザーにはない電動車ならではの走行感覚と燃費性能、さらにAC100V/1500Wコンセントが備わり、アウトドアや災害時にも威力を発揮する。
最低地上高はBLACK TONEで200mm、Z、Gで195mmと十分。電気式4WDのE-Fourとはいえ、日本の悪路や悪天候下では十二分な走破力を示してくれるから、ラグジュアリーかつ先進感に溢れる本格SUVとしての価値は極めて高いと言える。
三菱アウトランダーPHEV(新型)
国産車のもう1台は、新型三菱アウトランダーPHEVだ。約8年ぶりのフルモデルチェンジということで、三菱自慢のS-AWCをさらに進化させ、走りのダイナミクス、走破性を高めてくることは必至。内外装の高級感、快適性なども大きく向上しているに違いない。
さらにRAV4 PHV同様、AC100V/1500Wコンセントも先代同様にお約束で付いてくるため、まさにアウトドアを含む使い勝手、走破性ともに抜群のオールラウンダーになりうる。10月28日に正式発表されたばかりの新型アウトランダーPHEVなら、早期に注文することで納期に関してそれほど待たずに済むかもしれない……。
そんなRAV4 PHV、アウトランダーPHEVは、電欠の心配のない、しかしEVに限りなく近い電動車である。電動化に向けたクルマ社会をリードする、今、乗る価値ある2台と言っていい。ここで、自身がどんな道を走るのかを今一度考えてみてほしい。結果、ランドクルーザーやディフェンダー、ラングラーのような世界最強のオフローダーでしか走れない環境下で日々使うのであれば、それはそれである。でなければ、ここで電動SUVを味わってみるのもいいのではないだろうか。
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みんなのコメント
代替えがきかない車だから5年待ちになってると思う。