現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 雨や直射日光から車を守る「ボディカバー」ホントに必要? かけることで逆効果も!? 使うときのNG行為とは?

ここから本文です

雨や直射日光から車を守る「ボディカバー」ホントに必要? かけることで逆効果も!? 使うときのNG行為とは?

掲載 22
雨や直射日光から車を守る「ボディカバー」ホントに必要? かけることで逆効果も!? 使うときのNG行為とは?

■「ボディカバー」のメリット・デメリットとは

 最近はあまり見かけなくなったものの、ひと昔前は新車を購入すると「ボディカバー」をかけて大切にクルマを扱ったものです。
 
 しかし、だんだんカバーをかける行為自体が面倒になって、かけるのをやめてしまったりするのですが、そもそもボディを守るためのボディカバーは本当に効果があるのでしょうか。

【画像】「えっ…!」 これはヒドい…! 直射日光を浴びて劣化したクルマの画像を見る(16枚)

 ボディカバーは古くからある定番グッズですが、常に賛否両論あるようです。

 ボディをカバーで覆うことで、降雨や大気中の汚れ、直射日光などから保護する効果が期待できる反面、クルマの「磨きキズ」と同様に、カバーとボディが擦れることによる細かいキズの原因になってしまうと言われます。

 ボディや塗装にも詳しいI整備士に聞いてみました。

「確かにボディ表面をビニール系の素材のカバーが擦れることで多少のキズができてしまいます。

 ただし、塗装面や樹脂部品などが直射日光(紫外線)で経年劣化が進むスピードを考慮すると、色褪せするより細かいキズのほうが対処しやすいといえます」

 また昨今では、雨だけでなく花粉や黄砂なども飛散しており、そういった直接的な汚れを防ぐという意味ではかなり有効だといいます。その一方でボディカバーのかけっぱなしによる弊害もあるのだそうです。

「常に雨風にさらされ、浮遊している砂やホコリなどの汚れも受けているボディカバーは、短期間の使用でも驚くほど汚れが付着しています。

 また地面の細かい砂などが風で巻き上げられ、内側に入り込んでしまうことも多いです。つまりきれいだと思っていたカバーの内側も少しずつ汚れが溜まってしまうわけです。

 それに気付かず何度も着脱を繰り返せば、保護するどころかわざわざキズをつけているのと一緒になってしまいます」(I整備士)

 それ以上に深刻なのが、日本の夏特有の高温多湿な気候です。たいていのボディカバーは防水性があるのですが、裏を返せばそれだけ通気性が悪いということ。つまり内側が蒸れてしまうことも多々あります。

「湿度がサビやカビを発生させやすくする可能性はあります。とくに夏はエアコンの使用頻度も高く、ただでさえエアコンの内部なども結露しやすくなります。

 そんな、クルマが蒸れた状態でカバーをかけたままにするのは、機械的にも乗員の健康的にもあまりお勧めできないです」(I整備士)

 カビの発生は避けたいところですが、これを防ぐ方法は意外にも単純なことなのだとか。

「湿度が嫌であれば、晴れた日にカバーを外して換気し乾燥させるのが手っ取り早く確実です。

 クルマに乗らないからといって何日もカバーをかけっぱなしにするのではなく、1週間に1度くらいはカバーを外して湿気を取ることでカビの発生は減らせると思います」(I整備士)

 ではカバーをかけることによる細かいキズをつけないためには、どのようなカバーを選べば良いのでしょうか。

「ナイロン系のペラペラ素材のカバーより、裏地が起毛素材や不織布などのカバーはキズができにくいと思いますが、それでもかけっぱなしはお勧めできません。

 やはり定期的に取り外し、少しでも走らせて湿気を取り、汚れは洗車で落とすほうがクルマのコンディションを維持しやすいでしょう」(I整備士)

 高級なカバーを数年使うより、数千円の安いカバーを年に1回新品に交換するほうがキズも劣化もしにくいとI整備士はいいます。

「皆さんクルマのボディは洗車されますが、カバーを洗う人はほとんどいないのではないでしょうか。

 つまりせっかく洗車でボディをキレイにしたのに、わざわざ汚れが付着したカバーをかけているということです。

 それならば、価格が安いもので良いので、内側に汚れが付着していない新品に定期的に交換するほうが得策といえます」(I整備士)

■ボディカバーはどんな状態のクルマに使うべき?

 メリット・デメリットがあるボディカバーですが、駐車環境があまり良くない場合は必需品かもしれません。

 とくに夏は直射日光が強く降り注ぐだけでなく、木々の樹液などは汚れるだけでなく塗装面を傷める原因にもなりえます。

 また、ボディカバーをかけることで車種の特定がしにくくなることから、盗まれやすい高級車に乗っている人などは盗難対策のひとつとして使えそうです。

「それでも一番のメリットは直射日光を遮ってくれることです。なかでも濃色ボディや赤、黄色など単色系のボディカラーの場合、紫外線によって色褪せしやすく、ボディカバーが有効です。

 ボディ以上に直射日光から守る必要があるのがヘッドライトのカバーです。最近のヘッドライトは『ポリカーボネイト』という樹脂製パーツでカバーされるのがほとんどで、これが紫外線の影響を受けやすく、白ボケや黄色く変色しやすいのです。

 表面を研磨・コーティングすれば復活できますが、同じ駐車環境ではまたすぐに劣化します」(I整備士)

 月に数回しかクルマに乗れない人や、駐車場の近くに木があったり、ネコなどの動物がクルマに載ってひっかき傷に悩まされているという人に、ボディカバーはお勧めできそうです。

 一方で頻繁にクルマに乗る人やコーティングしたばかりのような状態は、ボディカバーをしないほうが良さそうです。

「雨などで濡れた状態でカバーをかけるのは厳禁です。ボディに付着した水分がカバー内で蒸気となり、サビの発生原因となってしまうこともあります。

 必ずボディが乾いた状態でカバーをかけることをお勧めします」(I整備士)

※ ※ ※

 なお、ボディカバーがもっとも必要なのは、「オープンカー」でしょう。幌に耐候性はありますが、紫外線の影響で経年劣化しやすい部分。常時日陰などに停められるなら問題ないのですが、そうでなければ幌の部分だけにでもカバーをかけておくことをお勧めします。

 ボディを守るはずのボディカバーですが、着脱回数が増えるほど細かいキズもつきやすいもの。使用するかどうかは、駐車環境や使用頻度などを考慮して考えると良いでしょう。

こんな記事も読まれています

年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
レスポンス
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
motorsport.com 日本版
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
レスポンス
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
くるまのニュース
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
くるまのニュース
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
バイクのニュース
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
WEB CARTOP
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
日刊自動車新聞
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
くるまのニュース
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
motorsport.com 日本版
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
VAGUE
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
WEB CARTOP
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
くるまのニュース
インドならではの色彩美!? ロイヤルエンフィールド新型モデル「GoanClassic350」発表
インドならではの色彩美!? ロイヤルエンフィールド新型モデル「GoanClassic350」発表
バイクのニュース
純正から卒業! オリジナル感を極めるホイール交換完全ガイド~Weeklyメンテナンス~
純正から卒業! オリジナル感を極めるホイール交換完全ガイド~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
【後方視認性を確保する】データシステムからデジタルルームミラー「DRM6030」が発売
【後方視認性を確保する】データシステムからデジタルルームミラー「DRM6030」が発売
driver@web
ポルシェ 911 カレラT【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
ポルシェ 911 カレラT【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
10月SUVマーケットはトヨタ・ライズが2カ月連続首位、ヤリスクロスが2位に浮上!(24年10月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
10月SUVマーケットはトヨタ・ライズが2カ月連続首位、ヤリスクロスが2位に浮上!(24年10月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

22件
  • 内装を紫外線や太陽光からの劣化から守るためにカバーするのが一つ。
    なぜかって、内装は外装と違ってリペアが難しいから。
    旧車になると、内装の新品部品は、入手不可能になるからです。

    外装は意外になんとかなる。

  • 最近の直射日光(紫外線)は尋常じゃない。ヘッドライトなど黄ばんでくるし、内装などの損傷もある。車を守るためには有効な手段の一つであることは間違いない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村