現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ほかのモデルとはひと味違うミニバンとは!? 往年の個性派ミニバン3選

ここから本文です

ほかのモデルとはひと味違うミニバンとは!? 往年の個性派ミニバン3選

掲載 更新 4
ほかのモデルとはひと味違うミニバンとは!? 往年の個性派ミニバン3選

■往年の個性的なミニバンを振り返る

 現在、ファミリーカーの定番車種といえばミニバンです。発祥はアメリカで、フルサイズバンよりも小さいモデルをミニバンと呼称したことから定着しました。なお、ミニバンといっても決してコンパクトサイズのモデルばかりではありません。

爆売れ確実! トヨタ新型「シエンタクロスオーバー」発表!

 日本ではまだミニバンという言葉が広まっていなかった1982年に、日産が発売した初代「プレーリー」が今に通じるミニバンの元祖といわれています。

 そして、多人数乗車が可能なモデルが、ワンボックスタイプからミニバンに移行して普及が本格化したのは1990年代で、なかでも1994年に誕生したホンダ初代「オデッセイ」の大ヒットによって、ミニバン市場が活性化したといっても過言ではありません。

 その後、各メーカーから次々とミニバンが登場し、一時は市場が飽和状態になったほどですが現在はだいぶ車種整理がおこなわれています。

 そんなミニバンが大挙して登場した頃、一風変わったモデルも存在。そこで、これまで販売されたミニバンのなかでもユニークなモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」

 前述の初代プレーリーは、リアドアが両面スライドドアでセンターピラーレス構造、超低床レイアウトを採用するなど、現在のミニバンに通じる設計で、当時としてはかなり斬新なモデルでした。

 しかし、パワー不足や車体剛性が低いなどネガティブな要素からヒットには至りませんでした。そこで、2代目からは「ブルーバード」をベースにしたトールワゴンタイプのミニバンに進化し、1998年に登場した3代目では、車名が「プレーリーリバティ」に改められました。

 現在も「セレナ」などで展開しているカスタマイズモデル「ハイウェイスター」も登場し、1999年には「プレーリーリバティ ハイウェイスター4WD」をベースに、ハイパワーなモデルの「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」が追加されました。

 エンジンは同時期に販売されていた「S15型 シルビア Spec-R」と同型の「SR20DET型」2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載。最高出力は230馬力を発揮しました。

 SR20DET型エンジンといえば日産を代表する4気筒のスポーツユニットですが、プレーリーリバティの場合、多人数乗車でも余裕ある走りを実現するには適したエンジンだったようです。

 また、ハイスペックなエンジンにふさわしく、足まわりはフロントがストラット、リアがマルチリンクの4輪独立懸架を採用するなど、乗り心地の良さと高い走行安定性を両立していました。

 しかし、人気はそれほど高まらず、2001年のマイナーチェンジでハイウェイスターGT4は廃止となり、今ではかなりの珍車です。

●スバル「トラヴィック」

 現在、スバルの国内ラインナップでは3列シート車はありませんが、かつてはワンボックスタイプの「ドミンゴ」や、ステーションワゴンタイプの「エクシーガ」を自社生産していました。

 その間を埋めるように、2001年に発売された7人乗りミニバンが「トラヴィック」です。

 トラヴィックは当時GMグループだったオペル(現在はステランティス配下)が開発した「ザフィーラ」のOEM車で、生産はGMのタイ工場でおこなわれ、日本では輸入車として販売されました。

 ボディサイズは全長4315mm×全幅1740mm×全高1630mmと比較的コンパクトで、外観は精悍なフロントフェイスに、ボンネット前端を低くしてルーフ後端までラインがつながるワンモーションに近いフォルムがスポーティな印象です。

 後席ドアはヒンジドアで、室内は3列シート車としては標準的な広さを確保。3列目シートは2列目シートの下に格納してフラットな荷室となるなど、ユニークなシートアレンジとなっていました。

 搭載されたエンジンはGM製の2.2リッター直列4気筒DOHCで最高出力147馬力を発揮し、後に125馬力の1.8リッターエンジンが追加されました。全グレードともトランスミッションは4速ATで駆動方式はFFです。

 スペック的には平凡なトラヴィックでしたが、他のミニバンと大きく異なったのが走りの性能で、サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームとオーソドックスな型式ながら、トラヴィック専用のダンパー設定などにより、乗車人数や荷物積載量に関わらず、優れた乗り心地と高い操縦安定性、直進安定性を実現し、高く評価されました。

 しかし、強力なライバルがひしめく国内のミニバン市場ではヒットするには至らず、2005年に販売を終了しました。

●ホンダ「ラグレイト」

 前出のホンダ初代オデッセイは、日本だけでなくグローバルカーとしてアメリカでも販売され、ヒットを記録しました。

 しかし、アメリカでの使い勝手を考えると室内の広さやパワーに余裕がないとの声もあり、1998年には北米専用に開発されたオデッセイを発売。

 カナダ工場で生産された北米版オデッセイは、1999年に日本でも「ラグレイト」の名で輸入・販売されました。

 外観は初代オデッセイのイメージを踏襲しながら大型化し、ボディサイズは全長5105mm×全幅1935mm×全高1740mmと、現行モデルの大型ミニバンであるトヨタ「アルファード」よりもひと回り大きい巨体です。

 グレード構成はスタンダードと豪華仕様の「エクスクルーシブ」の2タイプのみを設定し、また、使い勝手を向上させるため、後部ドアは日本版オデッセイと異なり、両側電動スライドドアに改められていました。

 全車7人乗りでゆとりある室内空間を実現し、キャプテンシートの2列目は取り外しでき、3列目シートは床下収納式とするなど、用途に合わせた多彩なシートアレンジが可能でした。

 搭載されたエンジンは最高出力205馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒VTECに、トランスミッションは4速ATのみという組み合わせです。

 ラグレイトはオデッセイの上位に位置する本格的なプレミアムミニバンとして発売されましたが、日本の住環境や道路環境ではさすがにサイズが大きすぎたことから販売は低迷。

 2004年には日本に適したサイズの「エリシオン」が登場し、ラグレイトの販売は終了しました。

 ちなみに、北米版オデッセイはその後も代を重ね、現在も5代目が販売されており、ボディサイズは全長5212mm×全幅1995mm×全高1735mmとさらに巨大です。

※ ※ ※

 1990年代から2000年にかけてはミニバンブームが到来し、数多くのミニバンが各メーカーから発売され、前述のとおり市場は飽和状態となってしまいました。

 しかし、ミニバンはブームから定番のファミリーカーとなると統廃合が進み、今ではだいぶ車種が整理されています。

 まさに現在のSUVが同様な状況で、今後、かつてのミニバンのように統廃合が進むかもしれません。

こんな記事も読まれています

F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
THE EV TIMES
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
Webモーターマガジン
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
AUTOSPORT web
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
くるくら
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
くるまのニュース
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
motorsport.com 日本版
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
VAGUE
バッグ・コンテナ・テーブルの3WAY! ロゴスの「LOGOS キャンプツールリュック(テーブル付き)」がクラファンにて先行販売を開始
バッグ・コンテナ・テーブルの3WAY! ロゴスの「LOGOS キャンプツールリュック(テーブル付き)」がクラファンにて先行販売を開始
バイクブロス
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
くるくら
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
バイクブロス

みんなのコメント

4件
  • トラビックはオペルのザフィーラOEMでしたね。使い勝手が良かったけど整備性の煩わしさからメンテナンスにはかなり難が有ったと思いますよ。
  • ミニバンには乗りたく無い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.9544.0万円

中古車を検索
オデッセイの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.9544.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村