■2026年登場のホンダ小型車は「シティ」!?
ホンダが2023年10月開催の「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」に出展した3ドアハッチタイプのEV(電気自動車)「SUSTAINA-C(サステナ シー) Concept」は、ホンダの名車をオマージュしたようなエクステリアから「シティ復活か!?」と大いに話題となりました。
サステナ シー コンセプトが“新型シティ”として登場する可能性はあるのでしょうか。
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丸目のヘッドライトや直線的でエッジの効いたパネルのライン、レッドのボディカラーやブラックの樹脂製モールなど、1981年に登場した“名車”シティを感じるデザインが採用されているサステナ シー。
ルーフやフロントバンパー、デジタルサイドミラーにはアクセントカラーのホワイトを入れ、ホイールもレッドとホワイトとして、全体的にポップでかわいらしいなイメージに仕上げられています。
コンパクトクラスのEVといえば、2020年から2023年末まで販売されていた「Honda e(ホンダ イー)」があり、やはり同様に丸いヘッドライトやレトロなイメージのフォルムを特徴としていました。
SNSなどでは、ホンダ イーに比べサステナ シーのほうがはるかにかわいらしいと評判になっているようです。
昔のシティを知らない人も、このコンセプトカーを魅力的だと感じている人が多いようです。
JMS2023会場のホンダ担当者に話を聞くと、このサステナ シーでホンダがアピールしたかったのは、ボディの素材に回収した使用済みアクリル樹脂を使用している点だと説明します。
ボディ外板に使用済みアクリル樹脂を使用したことは、資源の循環利用というだけでなく、外板部品が未塗装でよいので、従来の鉄ボディだと塗装工程で多く発生するCO2(二酸化炭素)の排出を大幅に抑えることが期待できるというのです。
またアクリル樹脂であれば、色付け加工をしたり、グラデーションを施したりするのも簡単にできます。
このようにサステナ シーは、あくまでアクリル樹脂のボディ製作技術を示すためにつくられたコンセプトカーであり、この何かの次期モデルを直接示唆するものではないと前出の担当者は話していました。
このことから筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は、サステナ シーが市販される可能性は低いと考えていました。
※ ※ ※
ホンダは2024年5月16日に実施した「2024 ビジネスアップデート」において、ホンダ三部社長はEVのグローバル戦略についての説明を行いました。
そのなかで、国内は小型EVを主体に展開していくと紹介。6月13日に発表された軽商用EV「N-VAN e:」が10月に発売されるのを皮切りに、2025年に軽乗用EV、2026年以降に小型EVを順次発売していくとしています。
この2026年登場の小型EVとしてプレゼンテーションにシルエットで紹介された画像が、まさにサステナ シーを思わせるものでした。
JMS2023会場では、あくまでもボディ素材のプレゼンテーション用だといわれていたサステナ シーですが、一方で近い将来の新型車デザインを先行採用し、市場の反応をうかがっていたという見方もできます。
サステナ シー コンセプトの反響次第では、2026年にこのデザインをもとにした“新型シティ”が発売される可能性は低くないのかもしれません。
なお、もしシティが国内へ返ってくるとすれば、1995年から約30年ぶりの復活となります。
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