■バブル時代の申し子、三菱「GTO」にオープンモデルがあった!?
「JAPANESE AUTOMOTIVE INVITATIONAL」、通称「J.A.I.」と名づけられたこの展示イベントは、2018年から北米インフィニティによっておこなわれていたという。それが2019年には、ペブルビーチ・ゴルフリンクスの広大な敷地内に設けられた特設ブースにて、「インフィニティ・ブランド30周年」を記念してパワーアップ。
【画像】国内ではめったにお目にかかれない日本車を堪能できちゃう!(15枚)
コンクール2日前の8月16日から本選のおこなわれる18日まで、3日間にわたって開催された。
この会場で初公開となったコンセプトカーは、「Qインスピレーション」および「Q’sインスピレーション」「QXインスピレーション」の3台。
そして、北米インフィニティの主要最新モデルたちが置かれた純白のブースの周りに集結した国産クラシックカーは、ざっと数えてみただけでも30台以上に及んだ。
古くは第二次大戦前、1937年型ダットサン16型クーペから、新しいところでは1990年代中盤のヤングタイマーたちに至るまで、年代/カテゴリーともに極めてバラエティに富んだラインナップであった。
しかも特筆すべきは、このイベントに展示されたクラシックカーは日産/インフィニティに限らず、メーカーやブランドの垣根を越えていたことだ。そこには「自動車史および自動車文化の一翼を担う重要な要素として日本車も捉えるべき」という確固たる信念と熱意が込められていた。
今回は、そんな「J.A.I.2019」エントリー車両のなかでも、アメリカならではのモデルをピックアップした。日本車なのに日本ではめったに(あるいはまったく)見られないクルマ3台を選りすぐり、皆さまにご紹介させていただきたい。
●ミツビシ3000GTスパイダー:1995
筆者が「J.A.I.2019」の会場に足を踏み入れた際に、目に飛び込んできた深紅のスポーツカーは、フロントから見ると三菱「GTO」後期型、あるいはアメリカなので輸出仕様「ミツビシ3000GT」のノーマル車両かと思いきや、サイドに回ると、かつて見慣れたGTOとは明らかに異なるプロフィールだった。
展示車に添えられたボードには、「MITSUBISHI 3000GT SPYDER」と紹介されていた。そこで手持ちのタブレットで検索したところ、実に興味深いクルマであることが判明した。
4代目から6代目のトヨタ「セリカ」、あるいは2代目「サイノス」に設定されたコンバーチブル版を製作したことでも知られる、アメリカ・カリフォルニア州の特装車メーカーで、オープンボディのスペシャリストである「American Specialty Cars(ASC)」社が、北米仕様ミツビシ3000GTをベースに製作。
1995年に北米三菱によって少数が販売された、北米マーケット限定の特装コンバーチブルだったのだ。
耐候性の高いハードトップを電動で開閉する、いわゆる「リトラクタブルハードトップ」は、シフトレバーの奥にあるスイッチの操作によって、約30秒で開閉できるとされた。
オープンにする際は、トランクリッドが後ろ向きに開き、ハードトップは2つ折りにされて収納される。
この手法は、初代メルセデス・ベンツ「SLK(R170系)」がパイオニアである、と筆者自身も認識していた。ところが、初代SLKはコンセプトモデルが1994年秋のトリノ・ショーで発表され、1996年に正式発表されたことから、実用化という点については1995年発売のミツビシ3000GTスパイダーが先、ともいえるだろう。
少なくとも筆者が調べ得る限りにおいては、日本に逆輸入された事例はほぼ皆無のようで、この会場で出会えたことは僥倖だったと思われる。
■ランクルのようなレクサス、「LX450」とは?
一見すると、前世紀末のランドクルーザー? と勘違いさせられてしまったのは、レクサス・ブランドが初めて手掛けたプレミアムSUV「LX450」であった。
●レクサスLX450:1997-1998
1997年から1998年まで、主に北米マーケットで発売されたLX450は、同時代のトヨタ「ランドクルーザー」80系がベースモデルとなる。
搭載されるパワーユニットは、直列6気筒DOHC4.5リッターの1FZ-FE型ガソリンエンジン。フレームは伝統のラダー式で、サスペンションは4輪ともコイルスプリングによるリジッドと、いずれもランドクルーザー80系と共通とされていた。
まだ「レクサス」ブランドとしてのキャラクターが確立していなかった時代のものゆえか、ランドクルーザーとの違いは決して大きなものではなく、ラジエーターグリルやヘッドライト、フロントバンパーから構成されるノーズ周辺をより重厚なデザインとした程度だ。
アロイホイールをLX専用の意匠とし、レクサス「LS400」(当時のトヨタ・セルシオ)にも匹敵する高品位のペイントワークを施したとされるものの、当時のランドクルーザーも既になかなか上質なフィニッシュであったことから、決定的な差異は見られない。
一方インテリアは、この時代に世界を席巻していた元祖高級SUV、英国「レンジローバー」の影響だろうか、本革シート/ドアパネルにウッドキャッピングなどの天然マテリアルがふんだんに奢られ、ランドクルーザーよりもさらに上質な仕上げとなっていた。
レクサスLXシリーズは、ランドクルーザー100系をベースとする、V8エンジンの後継車「LX470」で初めてブレイクを果たしたのだが、その前段階に市場調査的な要素も帯びて販売されたとも言われるLX450は、デビュー時におけるマーケットの評価もイマイチ。生産期間が短かったこともあって、当時から北米でもけっこうレアなモデルだったという。また、レクサス販売網が展開される前の日本では、もちろん正規の発売はおこなわれなかった。
並行逆輸入で、再び日本の地を踏んだ車両もあるのかもしれないが、その数は極めて少ないに違いない。
●ダットサン200SXレーシング:1977
神奈川県座間市の「日産ヘリテージコレクション」から出張展示された、1969年のレーシングプロトタイプ・ニッサン「R382」の両サイドを固めるかたちで並べられた、いかにもアメリカンな雰囲気を漂わせる2台のレーシングカーがあった。特に右側のマシンは、間違いなく日本国内で見るチャンスは皆無に等しいと思われる1台だ。
それは、アメリカ合衆国の市場ではダットサン「200SX」の名で販売された2代目日産「シルビア」をベースに、1960年代からダットサン車とともにモータースポーツ活動をおこなってきたドライバー、ボブ・シャープが率いる「ボブ・シャープ・レーシング」が大改造した「200SXレーシング」だ。1977年から1978年に北米SCCA選手権を戦った、生粋のレースカーである。
日本仕様のシルビアが1800ccのL18ないしはL18E(インジェクション仕様)を搭載していたのに対して、北米仕様の200SXはその名のとおり2000ccのL20Bをセレクト。それでもパワーは100ps足らずだったそうだが、このレーシング仕様ではスライドバルブ式のインジェクションなど当時最新のレースチューンが施され、200psから220psにも達したといわれている。
そしてこのマシンにおける最大のトピックは、世界的なスター俳優にしてレーシングドライバーでもあった故ポール・ニューマンが、実際にレースで走らせたことであろう。
モータースポーツを題材とした映画への出演をきっかけに、1973年から「ボブ・シャープ・レーシング」でレース活動を始めた彼は、当初からダットサン「510」(日本では3代目ブルーバード)に搭乗。この200SXでは、SCCA(Sports Car Club of America)選手権の懸かったロード・アトランタのレースでB-セダンクラス3位に入賞するなど、往年の名優がレーサーとしてもジャンプアップするための、重要なジャンピングボードになったとも考えられるのだ。
ちなみに、ニッサンR382を挟んだもう一台、左側のNISSAN「300ZX」(日本では3代目フェアレディZ)」もポール・ニューマンの乗ったマシンだ。チームの共同経営者となり「ニューマン-シャープ・レーシング」からIMSA選手権に参戦した個体だが、こちらは日本でも比較的名が知られているので、今回は200SXをメインに取り上げさせていただくことにした。
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コンパニオンが乗って開け閉めしてた