フォーマルセダンに求められるのは高級感/快適性/安全性…あとは?
クロスオーバーSUV人気に押しやられてセダンが不人気車種となった現在でも、社会的ステータスや品位を表すためにセダンを選択する風潮は根強く残っています。
【画像】令和の時代には逆に貴重! 国産スポーツセダンを写真で見る(34枚)
それをもっとも体現するのがミドルサイズのフォーマルセダンです。
ミドルセダンは、ビジネスでもプライベートでも活躍できるフォーマルカーの中心的存在であることは今でも変わりません。
フォーマルセダンに求められる要件は「格式高いスタイリングと内装の高級感」「長距離を楽に移動できる快適性」「乗員の命を守れる安全性」です。
以上の最低要件に加え、街乗りの低速走行から高速道路の高速巡航まで、どんなシーンでも涼しい顔で乗れる「エンジンスペック」がフォーマルセダンには欠かせません。
現在自動車メーカー各社からは、これらの要件を満たす特別な品格とハイスペックエンジンが備わる3台の魅力的なセダンが販売されています。
1台目は、13代目日産スカイラインのハイパフォーマンスモデル「スカイライン400R」です。
400Rに搭載されるのは標準スカイラインと同じ3リッターV型6気筒ツインターボエンジンですが、エンジンの片バンクごとに小径タービンを個別に搭載することで低回転域でのレスポンスと高出力を両立。
最高出力は、GT-Rを含むスカイライン史上最強の405psを発揮し、475Nm(48.4kgm)もの最大トルクを1600~5200rpmの広い回転域で発生させます。
そのほか、高出力化に対応するための大径ブレーキシステムと電子制御サスペンションが装備され、専用となるガンメタカラーのアルミホイールが足元を飾ります。外観の違いは「400R」のエンブレムが備わる程度で、標準のスカイラインとほぼ変わりません。しかし中身はまるで別物となっています。
スカイライン 400Rの新車販売価格は589万9300円です。
まだまだあるハイスペックエンジンを搭載した魅力的なミドルセダン
2台目は、2022年8月にラインナップへと追加されたレクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」です。
搭載される5リッターV型8気筒自然吸気エンジンは535Nm(54.6kgf・m)の最大トルクを4800rpmで発生させ、最高出力は7100pmで481馬力を発揮。それでいながら大排気量エンジンにも関わらず、9.0km/Lの良好な燃費性能が備わっています。
専用の4本出しマフラーを備え、外観にも専用の意匠が加えられていますが、過度な装飾はなく全体の雰囲気は落ち着いた印象です。ただし、V8エンジンを収めるために盛り上がったボンネットが隠しきれない特別な存在感を放ちます。
過剰とも言えるエンジンスペックとは裏腹にフォーマルセダンらしい穏やかなハンドリングとなっているのが、生粋のスポーツモデルであるレクサス「IS F」とは異なる点です。
レクサス IS500 Fスポーツパフォーマンスの新車販売価格は850万円です。
3台目は、数ある国産セダンのなかでも一際エレガントな内外装が備わるマツダ「アテンザ」こと「MAZDA6」です。
搭載される2.2リッター直列4気筒ディーゼルエンジンは「SKYACTIV-D 2.2」と呼ばれる高効率な低圧縮ディーゼルエンジンである点が特徴です。
最高出力は200馬力とライバルに対して控えめながら、ディーゼルエンジンらしい450Nm(45.9kgm)もの最大トルクを誇るうえ、燃費は他の2台よりも優れる17.8km/L。さらに、燃料は単価が安い軽油です。
優れたスタイリングやエンジンスペックだけでなく、ディーゼルエンジンらしからぬ爽快な吹け上がりや、トランスミッションやサスペンションも含めた車全体での調和が図られた絶妙なセッティングもMAZDA6の魅力です。
MAZDA6の新車販売価格は338万2500円~466万2900円ですが、MAZDA6は2024年4月中旬での生産終了が発表されており現在の新車購入は在庫車のみとなります。2024年9月現在、継続車種の正式なアナウンスはされていません。
※ ※ ※
国内のフォーマルセダンは、これからも細々とではありますが存続していくことでしょう。
より動力性能や静粛性に優れる電動パワートレインが採用され、よりフォーマルなシーンに相応しいセダンとしてさらに洗練されていくはずです。
それとは逆行して、こうしたハイスペックなエンジンを搭載したセダンが登場する可能性は確実に減っていきます。
以上の3台のような魅力的なモデルが、次期型にもラインナップするとは限りません。今が購入できる最後のチャンスとなる可能性も十分に考えられます。
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みんなのコメント
いい車だけど他の2台とは比較対象じゃない
他の2台と同じ土俵に上げちゃ可哀想だよ(笑)