<3.0L V6ツインターボに6速MTと9速ATの組み合わせ>
アメリカで新型Z(日本名:フェアレディZ)が発表されました。
>>現行型フェアレディZのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる
すでにプロトタイプも公開されていて、ほぼそのまま量産されたといっていい外観のため目新しさは感じないかもしれませんが、正式発表に伴ってスペックなどが公表されたことで、これまで予想するしかなかった部分が明らかになっています。
そのひとつがエンジンです。
プロトタイプのときから3.0L V6ツインターボが搭載されるということで、日本ではスカイライン400Rに搭載されている「VR30DDTT」がZにも積まれることは容易に予想できましたが、Zにそのまま積んだというわけではなさそうです。
まず、トランスミッションは6速MTと9速ATが用意されると発表されました。「スカイライン400R」は7速ATなので、パワートレイン全体として見ると異なる仕様になっていることは明らかです。
<エンジンはスカイラインより高回転型になっている>
エンジンスペックも微妙に異なります。
<新型Z>
最高出力=405PS(発生回転数は未公表)
最大トルク=475Nm/5600rpm
<スカイライン400R>
最高出力=405PS/6400rpm
最大トルク=475Nm/1600-5200rpm
ピークの数値は共通ですが、最大トルクの発生回転が異なるということは異なるセッティングを受けていることがわかります。しかも、最大トルクの発生回転は高回転寄りにシフト。回して楽しめるフィーリングに仕立てられていることを期待させるスペックではないでしょうか。
<直線番長ではなくコーナリングマシンになっている>
もうひとつはフロントサスペンションの進化です。
新型Zのプラットフォームは現行Zからキャリーオーバーと言われていますが、日産は「フロントサスペンションはキャスター角を増やすなどしてジオメトリーを変更」と発表しています。
このジオメトリー変更を示すのがタイヤサイズなのです。新型Zに装着されるタイヤのサイズは
スポーツグレード……前後:245/45R18
パフォーマンスグレード……前:255/40R19、後=275/35R19
と発表されています。
これだけを見ると、FRによくあるタイヤサイズと感じますが、現行Zと比べると、進化の方向は明確に見えてきます。現行モデルのタイヤサイズは、
前:225/50R18、後:245/45R18
前:245/40R19、後:275/35R19
の2パターンとなっています。
18インチ、19インチのいずれにおいてもリアタイヤのサイズはそのまま、フロントだけが幅広くなっています。これはフロントタイヤの使い方が変わったことを示しているといえるのです。
日産はコーナリング性能が最大13%向上したとも発表しています。V6ツインターボのZといえば、直線番長的なキャラクターを想像するかもしれませんが、新型Zはコーナリングマシンとしてハンドリングを熟成してきたといえるのです。
<日本でのスターティング価格は450~600万円あたりを予想>
さて、日本仕様の新型フェアレディZについてはこの冬に正式発表されるとアナウンスされたのみで、気になる価格についてはまったく情報がありません。アメリカでのスターティングプライスは4万ドルという噂ですから、そのまま日本円に換算すると440万円となります。
現行モデルのスターティングプライスが税込み397万9800円ですから、440万円というのは時代進化を考慮すると妥当にも思えます。エンジンのコストとしては同等であろうスカイライン400Rの価格は562万5400円です。4ドアセダンのスカイラインよりフェアレディZがずっと高くなるというのは考えづらいのも事実でしょう。
現時点では日本仕様の装備(ナビや先進安全装備など)が不明ですから予想は難しいのですが、新型フェアレディZの価格は450~600万円あたりから始まるのではないでしょうか。そのくらいであれば、十分にユーザーに届くスポーツカーになること請け合いです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1~4枚目:新型Z(北米モデル)
5枚目:スカイライン 400R
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早く国内販売してほしいです・・私、当然迷わず購入します・・