2022年にTOYOTA GAZOO Racingより発表された「GRカローラ RZ」と「GRカローラ RZ“MORIZO Edition”。既に、2モデル共、完売はしてしまっているのですが、なんと今回新たに、GRカローラを一部改良し、550台(予定)を抽選販売することになりました!*抽選申込みは、2023年8月23日13時30分から9月11日8時59分までWebで受付け、9月下旬より順次商談を開始します。販売の開始は2023年秋頃を予定しています。そこで今回は、GRカローラ RZの改良前と改良後ではどんな違いがあるのか?探ってみました。文・萩原文博/写真・萩原文博
2012年12月に500台の抽選による販売となったGRカローラ。2O23年8月に一部改良を実施し、意のままの走りをさらに進化させ550台の抽選販売を開始しました。すでに抽選申込は終了していますが、ここではGRカローラの一部改良前と改良後のクルマに試乗し違いをレポートします。
GRカローラのインテリア(内装)と荷室を紹介【プロ徹底解説】
モータースポーツの現場から学んだ改善ポイントを盛り込む
まず、2023年8月に実施した一部改良の内容を紹介しましょう。GRカローラが行った今回の一部改良では、スーパー耐久シリーズをはじめとした様々なモータースポーツ現場での学びを活かした改善を実施。従来モデルと比べて、意のままの走りをさらに進化させるため、運転操作に対するダイレクト感とスタビリティを向上させているのがポイントです。
具体的な改良ポイントは。まず運転操作に対するダイレクト感の向上を目指して、シャシー部品を締結するボルトの一部に締結剛性向上ボルトを採用。ステアリング操作に対する応答性と直進安定性を向上させ、クルマとの一体感を進化させています。
フロントサスペンションメンバーとステアリングギアボックスを締結するボルトのフランジにリブ形状を追加。そしてリアサスペンションメンバーとボディを締結するボルトはボルト頭部サイズの幅を約22mmから約24mmと拡幅しています。
続いて、スタビリティ向上を追求して、フロントバンパーダクト形状を改善することにより、ホイールハウス内の空気の流れを最適化し、操縦安定性を向上させています。そして、プレスリリースには記載されていませんが、前後バンパーのサイド部の裏側にアルミテープを採用。樹脂部分のバンパーの帯電を解消することで空気をキレイに流すようにしています。
一部改良を受けたGRカローラには、外板色シアンメタリックも新設定
また、ボディカラーに50台限定のシアンメタリックを設定。内装色も専用のブラック×ブルーを採用しています。一部改良が加えられたGRカローラRZですが、車両本体価格は据え置きの525万円となっています。それでは、改良前と改良後でどのような違いがあったのでしょうか。
一部改良を受けたGRカローラはより”しっとり”とした走りと乗り心地に進化!
外装や内装では、改良前と改良後のモデルの違いは全くありません。それは改良のポイントがボディと前後のサスペンションを締結するボルトの変更。そして、フロントスポイラー内部に設置されたバンパーダクトの形状変更という2点だからです。試乗する前は、それだけの変更で乗り味が変わるのかと疑心暗鬼でしたが、違いはハッキリと感じるとることができました。
まずは、乗り心地が非常に良くなったことです。改良前のモデルは最高出力304psを発生するパワフルな1.6Lターボエンジンを搭載したホットハッチという乗り味で、良く言えば非常に元気が良く、アグレッシブさが特徴でした。路面からの入力もダイレクトですし、ドライバーはアドレナリンが大量に溢れ出そうなスポーティな走りが味わえます。
改良後のモデルは、ひと言でいうと上質感が向上しています。路面からの入力をしっかりとサスペンションがいなしてくれて、ボディの揺れの収束が非常に早くなっていて、非常に乗り心地が良くなっています。
続いて感じたのは、ステアリングフィールの向上です。改良前は、やや剛性感に欠けることとそして操舵した際に重い部分と軽い部分がありました。しかし改良後のモデルはすべて解消し、ステアリング操作にムラがなくなっただけでなく、しっかりとした剛性感も出ています。この結果、ハンドル操作とクルマの動きがよりリニアになり、操る楽しさがこれまで以上に実感できるようになりました。
改良後のモデルはシットリとした落ち着き感のある乗り味となったことで、アクセルペダルをより踏み込むことができ、より速く走ることができることでしょう。それでもアクセルペダルを踏み、3,500回転を超えるとマフラーからのサウンドが変わり、気持ちが昂ぶります。
そして、3つのモードから駆動力配分を選べるGR-FOURと呼ばれる電子制御多板クラッチを採用したアクティブトルクスプリット4WDシステムは、デフォルトの、フロント60:リア40に加えて、フロント30:リア70という後輪寄りのトルク配分が選べて、後輪駆動車のようなフロントノーズがスパッと切れ込む感覚を味わうことができるのは堪らないです。
峠だけでなく街乗りの左折などでも気持ち良く駆け抜けていけるはずです。
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