■スバルとしては4年ぶり3回目! 新型レヴォーグが今年の1台に!
「今年の1台」を決める2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーが2020年12月7日に発表され、スバル新型「レヴォーグ」が選ばれました。
スバル新型「レヴォーグ」は良い? カローラツーリング&マツダ6と荷室で比較してみた!
スバルが日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは、2016年の「インプレッサ」以来、4年ぶり3回目となります。
昨今はSUVが人気で、日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞車も2017年から3年連続でSUVが選出されていました。
新型レヴォーグは人気が低迷しているといわれるステーションワゴンタイプのクルマですが、なぜ今年の1台に選ばれたのでしょうか。
初代レヴォーグは、「レガシィツーリングワゴン」の後継モデルとして2014年に登場。日本の道路事情にマッチするステーションワゴンとして開発されました。
6年ぶりにフルモデルチェンジした新型レヴォーグは、これまでスバルに継承されてきた「グランドツーリング思想」に加え、「革新性」を超えて、さらなる高みを目指したといいます。
2020年8月20日に先行予約が開始され、12月6日までに1万2594台に達するなど、月間販売目標の2200台をはるかに上回る台数を受注。早くも大ヒットモデルとなっています。
とくに高度運転支援システム「アイサイトX」搭載グレード構成比が受注台数全体の94%と、多くのユーザーに新型レヴォーグの先進性が支持されているのです。
新型レヴォーグのキーワードとなるのは、「先進安全」「スポーティ」「ワゴン価値」のみっつで、これらの価値を進化させたクルマ作りがおこなわれました。
先進安全性能として、新世代アイサイトを全車標準装備。広角化したステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターを標準装備し、幅広いシーンで衝突回避をサポートします。
また、衝突回避の新機能として、「プリクラッシュステアリングアシスト」と「前側方プリクラッシュブレーキ・前側方軽快アシスト」や、車線変更・逸脱時に、隣接する車線の接近車両を検知し、警報とステアリング操作をアシストする「エマージェンシーレーンキープアシスト」をスバル国内初搭載しました。
さらに上級の「EX」グレードには、準天頂衛星やGPSからの情報と、3D高精度地図データを利用した自動車専用道路での先進運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を新設定。
高速域で、カーブ前や料金所前で減速制御をする機能や、ウインカーと連動して自動でレーンチェンジをおこなう「アクティブレーンチェンジアシスト」、渋滞時は、「渋滞時ハンズオフアシスト」や「渋滞時発進アシスト」をスバル初搭載しました。
また、「ドライバー異常時対応システム」といった最高峰の先進運転支援機能が装備されます。
アイサイトXについて、新型レヴォーグに高得点を投票した日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員は、世界トップレベルの安全性を備えた点や、50km/h以下の渋滞時にハンズオフ走行をはじめとする先進技術が約35万円という比較的安価に手に入る点などを高く評価。
実際に購入したユーザーにおいては、94%がアイサイトX搭載グレードを選んでいるなど、高度な運転支援システムを実現していることにとくに注目が集まりました。
■ステーションワゴンならではの走りの良さもアピール
スポーティという面でも、新型レヴォーグは磨きをかけています。
エンジンは、新開発の1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジン「CB18」を搭載。
最高出力は、従来モデルの1.6リッターターボに比べて7馬力向上した177馬力ですが、最大トルク300Nmを低回転から発生し、日常走行での扱いやすさを重視したエンジン特性としました。
さらに、リーン燃焼技術で燃費性能を向上させ、WLTCモードは17インチ車が13.7km/L、18インチ車が13.6km/Lと、レギュラーガソリン仕様とすることで、経済性にも優れています。
また、プラットフォームもスバルグローバルプラットフォームに刷新。フルインナーフレーム構造を組み合せ、接着剤範囲拡大や樹脂リンフォース採用などにより、質感の高いスポーティな走りを実現しています。
その結果、選考委員のなかでも走りの良さを評価する声が、数多く挙がりました。
スポーティグレードの「STIスポーツ」には「ドライブモードセレクト」が搭載されたことも注目です。
高級車のようなしなやかな乗り心地をからスポーツカーのような走りまで、モードを切り替えることにより、1台のクルマで何通りもの乗り味を体感することが可能になりました。
予約受注の段階では、半数以上となる57%の人がSTIスポーツ系のグレードを選択。
とくに、アイサイトXを搭載したSTIスポーツ EXは54%もの人がオーダーするなど、最新の安全性能と優れた走行性能を兼ね備えた最上級グレードに人気が集まっているようです。
ほかにも、12.3インチフル液晶メーターと11.6インチセンターインフォメーションディスプレイの採用により実現したスバル最先端のデジタルコクピットや、疲れにくいシートの採用、ボディサイズ拡大による余裕のある室内空間など、ロングドライブでの快適性を向上。
荷室も広く確保し、従来モデル比で開口部は30mm、中央部は20mm拡大するとともに、サブトランクは1.7倍の大容量とし、ワゴンとしての性能もより一層高めました。
新型レヴォーグの開発責任者 五島賢氏は、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞の喜びを次のようにコメントしています。
「新型レヴォーグは継承と超革新を、いままでスバルの諸先輩がつくりあげてきたスバルらしい価値を土台に、先進技術とお客さまの心の導火線に火をつけるという熱い想いで開発を進め、革新を超える超革新の実現に挑みました。
私どもがいくら“良いクルマ”と申し上げても、なかなかお客さまには届きません。この日本カーオブザイヤーをいただくことが、お客さまの心の導火線に火をつけるために一番重要とずっと思ってきました。
まずは、新型レヴォーグをお買い上げいただきましたお客さまに、この受賞を報告したいと思います。
今年はコロナという大変厳しい年でした。新型レヴォーグが日本カー・オブ・ザ・イヤーをいただきましたが、また来年も日本の自動車業界の発展のために、みなさん一緒に頑張っていきたいと思います」
※ ※ ※
前述のように、今回スバルとしては3回目となる日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞でしたが、初めて同賞を受賞したのは2003年の4代目「レガシィ」でした。
4代目レガシィは、「走りと機能と美しさの融合」を開発テーマに、レガシィであることに徹底的にこだわりながらも、デザインやエンジン、シャシ、ボディなど、あらゆる中身を刷新。
軽量化技術などの取り組みにより、高い走行性能と燃費の向上などの環境性能との両立を実現していました。
レガシィはレヴォーグへと生まれ変わりましたが、グランドツーリングカーとしての本質を継承し、さらに魅力的なモデルに仕上げています。
かつてはさまざまなステーションワゴンがありましたが、昨今ではどんどん数を減らしていく逆境のなかにおいて、専門家のみならず、購入者からもワゴンの魅力が再確認されたことが、新型レヴォーグの日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞につながったといえそうです。
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みんなのコメント
おそらくアウトバックやクロスカントリー系のやや車高が高いモデル。
モデル末期ならともかく、発売直後の「爆売れ」の表現に違和感を覚えます。