現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > BMW iX xドライブ40 Mスポーツへ試乗 X5級の純EV 乗り心地はSクラス以上 

ここから本文です

BMW iX xドライブ40 Mスポーツへ試乗 X5級の純EV 乗り心地はSクラス以上 

掲載 5
BMW iX xドライブ40 Mスポーツへ試乗 X5級の純EV 乗り心地はSクラス以上 

BMWの純EVでは3番目となるiX

個性的なフロントマスクが与えられた、BMWとしては3番目となる純EV、iX。そんな見た目も、乗ってしまえばさほど気にならなくなるかといえば、そうとも限らない。

【画像】新型 BMW iX ライバルとなる純EV SUVを写真で比較 全146枚

これまでにBMWは、純EVとしてコンパクトカーのi3とミドルクラスSUVのiX3をリリースしている。今回試乗したiXは全長4953mm、全幅1967mm、全高1695mmとかなり大きいSUV。サイズでいえば、内燃エンジンを載せたX5と同等といえる。

i3が2013年に発売された時、それ以外のBMWと比べてかなり急進的なモデルに思えた。iXのデザインも、それと似たような印象を受ける。

インテリアは、ボディのスタイリング以上に前衛的かもしれない。仕上げは良いと思う。伸びやかでシンプルなダッシュボードの中央には、横に大きいタッチモニターが立ち上がるように据えられている。

センターコンソールには、インフォテインメント・システム用のロータリー・コントローラーが残されていて使いやすい。クリスタルガラス風の豪華なアイテムで、ウッド仕上げのパネルとのコントラストが優雅だ。

ドアパネルには、厚みのあるパッドが裏打ちされている。パワーシートのスイッチは、このドアパネル側の上部へ移され、目で見て操作できる。

驚くほどに広々としている車内空間

一方でステアリングホイールは、円形というより6角形に近い。なぜこの形状にしたのだろう。幅のあるスポークは、リムで掴みたい部分へつながっているのも気になる。エアコンのインターフェイスが、大きなタッチモニターへ集約されたのも残念だ。

スピードメーターなどは、インフォテインメント用モニターと一体のように設えられた、ドライバー側のモニターへ表示される。アナログの丸いメーターは、もう選ぶことはできない。これが最もモダンなBMWのスタイルということなのだろう。

車内空間自体は、前席後席ともに驚くほど広々としている。運転席からの視界も良い。だが、荷室のフロアは高い位置にあり、重い荷物は少し大変。なかなか一長一短だ。

試乗車は、iXのxドライブ40というグレード。前後に駆動用モーターが搭載された四輪駆動で、総合326psの最高出力を発揮する。

駆動用バッテリーはフロア下に敷き詰められ、実容量で71kWhある。航続距離は402kmがうたわれている。急速充電能力は、最大で150kWまで対応する。

英国価格は、この内容で約7万3000ポンド(約1109万円)から。オプションは別だ。

大きなSUVのボディに軽くないバッテリーを搭載しているから、iXの車重は2365kgある。ホイールは一番小さいものでも20インチ。オフロードで乗るタイプのSUVではない。環境負荷が小さい純EVだから、わざわざ自然へ踏み込む必要もないだろう。

秀逸の乗り心地 感触の薄いステアリング

iXを一般道で運転してみても、その印象は一長一短。BMWらしくないと感じる側面も、なくはない。

乗り心地は感心するほど良好。路面の影響をほとんど受けない。一般的に純EVは極めて静々と走行するが、大きなバンプを通過すると、一発で処理しきれないモデルも少なくない。

だが、iXはメルセデス・ベンツSクラス並みか、それ以上に乗り心地が良い。低速域で少し硬さを感じるものの、決して不快ではない。

さらに唸らされたのが、ステアリングの反応の良さ。操舵感は軽く、とてもクイックだ。不安定さは一切なく、とても意欲的にクルマの向きを変えてくれる。

リミッターが効く249km/hでアウトバーンを飛ばすことを前提に、切り増しするにつれて重みが増し、レスポンスが向上していくのが一般的なBMWのステアリングだった。だが、iXは最高速度が199km/hに制限されているためか、重みは変化しないようだ。

全高は高いものの、コーナーでのボディロールは最小限。重心高の低さが活きている。反面、ステアリングとシャシーとのつながり感は薄い。これは、BMWの操舵感としては珍しい。SUVであっても。

iXを運転した印象は、静かで悪くはない。ただしステアリングは感触が薄く、機敏ながら少し過剰気味なところもある。走行中は、車内のインターフェイスや人間工学に気を揉むこともあるだろう。

BMWのレガシーを一度振り返りたい

かつてイアン・ロバートソン氏がBMWのセールス&マーケティング部門を率いていた頃、新しい技術などが自動車メーカーとしてのレガシー、遺産にどう影響するのか意見を聞いたことがある。10年ほど前だ。

彼のストロングポイントは、自動車工学として何を施すべきか、明確に把握していたことだった。人間工学的にも、賢明にクルマを作るということの重要性を理解していた。

筆者は純EVのBMW iXが嫌いではない。むしろかなり好きだ。だが現代の技術者は、そのレガシーをいま一度振り返っても良いのではないだろうかとも思った。

BMW iX xドライブ40 Mスポーツ(英国仕様)のスペック

欧州価格:7万2795ポンド(約1106万円)
全長:4953mm
全幅:1967mm
全高:1695mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.1秒
航続距離:402km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2365kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
バッテリー:71.0kWh(実容量)
最高出力:326ps(システム総合)
最大トルク:64.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

関連タグ

こんな記事も読まれています

Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
カー・アンド・ドライバー
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
くるまのニュース
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
カー・アンド・ドライバー
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
AUTOSPORT web
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
ベストカーWeb
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
グーネット
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
ベストカーWeb
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ベストカーWeb
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
AUTOSPORT web
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
AUTOSPORT web
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
AUTOSPORT web
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
ベストカーWeb

みんなのコメント

5件
  • インテリアは良いけど、エクステリアは良くないね👎
  • X5級の純EVで、乗り心地はSクラス以上でも乗りたいと思えないほど醜いエクステリア、、。BMWのハンドリングや乗り味は大好きなので、残念過ぎる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

BMW iX

3.8 6件

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.01269.0万円

中古車を検索
iXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.01269.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村