日本に上陸したジープの新型「アベンジャー」に、小川フミオが乗った。日本でジャストサイズな新しいコンパクトSUVに迫る。
洗練されたドライブ感覚
“フワリフワリ”なミニバン──新型シトロエン・ベルランゴ試乗記
ジープがどんどん新しくなっているのを、知っているだろうか? 2024年9月に日本でも発売されたジープの新型アベンジャーは、ピュアEV(電気自動車)だ。ボディは日本によく合うコンパクトサイズで、気持ちよく走ってくれる。ほどよい機能主義的なデザインも、多くの人に愛されそうだ。
アベンジャーは、全長4105mmのボディを2560mmのホイールベースをもつシャシーに載せたコンパクトSUV。115kWの最高出力と270Nmの最大トルクをもつ電気モーターで前輪を駆動する。日本向けに急速充電器CHAdeMOが使えるのも特徴だ。
キャビンは既発のジープ「レネゲード」や「チェロキー」の流れを組むもので、「ラングラー」とは対極にあるような、機能主義的。ホイールベースは先述のとおり、欧州のいわゆるBセグメント車のレベルにとどまるが、室内は前後席ともにちゃんとスペースが確保され、荷室容量も355リッターが確保されている。
一方、張り出し感が強調された前後ホイールフレア(ホイールアーチ)や、ジープのアイコンである「7スロットグリル」を踏襲しつつも、あたらしい意匠のLEDヘッドランプが、力強さを強調。エモーショナルな要素もしっかり採り入れられている。
操縦した印象は、期待以上に力強い。発進から高速の制限速度まで、トルクの落ち込みなく、一気に加速していく感覚だ。それでいて、かつてのEVのようにいたずらにトルク感を強調していない。洗練されたドライブ感覚だ。
操舵感覚は、かなり軽い。でも同時に復元力が強いので、切りすぎるようなこともなく、速度が上がっていっても不安はない。ステアリングホイールの中立位置をキープする設定なので、直進安定性の高さが感じられる。
同時に足まわりの設定は、乗用車的に、路面からのショックを吸収して、同時にボディの揺れはしっかり抑える、乗用車的ともいえるもの。
ジープのラインナップにおける上級グレードのエンジン車は、サスペンションのストローク感があって車体がゆっさゆっさと揺れる……と、乗用車とは違うと感じさせる運転感覚があるが、アベンジャーはよりスムーズで、ことフィーリングについてはジープとは思えない。
シャシーは、プジョー「2008」やフィアット「600e」と基本的に共用。バッテリーも、600eと同スペックスの54kWhで、アベンジャーは一充電あたり486km走る。600eは493kmとされているので、ちょっと差があるが、これはいってみれば誤差の範囲だ。
ジープらしさもしっかり盛り込むアベンジャーならではの機能は、ジープ・ブランドの前輪駆動車として初とされる「セレクテレイン」と「ヒルディセントコントロール」を標準装備した点。前者は、6つの走行モードを選べる。
「ノーマル」:日常的なドライビングに適した走行モード
「エコ」:航続距離を延ばす走行モード
「スポーツ」:出力を高めてドライビングを楽しむ走行モード
「スノー」:凍結した道路やトレイルで最大限のトラクションを発揮する走行モード
「マッド」:ぬかるんだ路面でのグリップ力を高める走行モード
「サンド」:砂地で最大限のトラクションを発揮する走行モード
ヒルディセントコントロールは、急勾配の下り坂で車両がブレーキを自動で操作しながら下っていく機能。つまり、アベンジャーは、デザイン性の高いピュアEVというコンセプトが持ち味と思っていたものの、ジープがやるべきことをやっているのだ。
インテリアは機能主義的デザインで、フィアットやプジョーに較べておもしろみに欠けるのは事実。ただし、ダッシュボード下部、大型センターコンソール、ドアポケットと、計約26リッターにおよぶスペースが確保されているので、実際には使いやすそうだ。
アダプティブクルーズコントロール (STOP & GO機能付)をはじめ、レーンキーピングアシスト、トラフィックサインレコグニション、ブラインドスポットモニターなど安全運転支援システムが多く用意されている。足先でハッチゲートを開けられるハンズフリーパワーリフトゲートはうれしい装備だ。
ジープはこのさき、米国で「ワゴニアS」という余裕あるサイズの新型電動SUVの投入が秒読みに入っており、アベンジャーより小型のEV「リーコン」も登場予定とか。輸入元ではこの先、BEVのラインナップ拡充を考えており、今回のアベンジャーの出来のよさが、今後への期待の気持ちを掻き立ててくれるのだった。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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