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SUBARUの燃費排出ガス測定のデータ書き換えについて吉永社長が説明

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SUBARUの燃費排出ガス測定のデータ書き換えについて吉永社長が説明

 測定値のバラツキをおさえるために数値を改ざんしていた

 SUBARUが公表した、群馬製作所の本工場ならびに矢島工場における完成検査に係る不適切な取り扱い(以下、完成検査員問題)。これらに関する調査の段階で、完成検査行程の中に組み込まれている燃料消費率の抜き取り検査においても、測定値の一部を変更した可能性があると公表。それに対する調査結果が報告された。

スバルの無資格者検査問題の対象車は約25.5万台でトヨタ86も含まれる

 調査報告によると、2001年4月以降に群馬製作所の本工場ならびに矢島工場にて燃費・排ガス測定業務に従事していた作業員の中で、報告書作成時点で在籍している25名に対してヒアリングを実施。その結果、実際の測定結果として記載すべき数値とは異なる値を月次報告書に記載するという不正が行われていたことが判明した。これは、2015年に型式認定を受けたフォレスターの一部車種の測定を担当していた者からの供述がきっかけだという。

 月次報告書へ記載する際に不正が行われていたのは、記録媒体に燃費測定データが保存されていた3781台中、511台。なお、この511台のうち、測定値を良い数値に書き換えたものは407台、悪い数値へ書き換えたものは104台だった。また、測定端末エクセルファイル上での書き換えが459台、集計システム端末上での書き換えが64台だった。対象車種は本工場と矢島工場で生産される9車種すべて(レガシィ/インプレッサ/フォレスター/レヴォーグ/エクシーガ/XV/WRX/BRZ トヨタ86)となっている。

 SUBARUの品質管理基準においては、測定値が下限管理限界値以上であることが求められる。しかし、車両の測定結果が諸元値(JC08モード)を下まわった場合でも、下限管理限界値を上まわっていて、かつ検査ロットごとの平均値および量産開始日から1年間の平均値が上まわっている場合には、燃費の品質上は問題ないとされている。

 しかし、現場の担当者間では、測定結果が諸元値を下まわってはいけないという認識が一般化。「試作段階の測定において、測定結果が諸元値を上まわるものであることが確認されていることから、量産後の完成検査においても、諸元値を上まわる数値を出さなければならないと考えていた」と述べた担当者もいた。

 また、測定値にバラつきが出てしまった場合、その具体的な要因を理論的に説明をすることは困難だ。上司が納得するためには時間を要してしまうため、バラつきを抑えるために良い数値を悪く書き換えることも行われた。良い数値を悪く書き換えた理由は、測定を担当したスタッフ自らの技量不足や、運転ミスを指摘されてしまうことを恐れたというケースが多かったと考えられる。

 さらに、計測設備の操作を誤った場合や、走行モードを間違えてしまった場合など、測定の前提条件に誤りがあって本来なら燃費測定値が無効となるようなケースでも燃費測定値を書き換えて、有効な測定が行われたかのように装っていた可能性のある例も判明した。

 一例を挙げると、2016年11月10日の測定データにおいて、JC08モード燃費値の再現値が14.4km/Lであったのに対し、月次報告書には16.0km/Lと書き換えたものがあった。これはJC08モード計測の際、本来車両のSIドライブのモードを「Iモード」で計測しなければならないところ、「Sモード」で測定していた可能性が高い。本来は無効にしなければならないが、数値を書き換えていた。

 それを受けて、SUBARUでは燃費や排ガス結果について、あらためて検証を実施。燃費性能についてはあらためて計算した結果、いずれの車種も個々の測定値については下限管理限界値を下まわるものはなかった。また、検査ロットごとの測定結果の平均値および量産開始日以降すべての測定結果の平均値も、それぞれの基準を超えていることが確認できている。

 排ガスについても品質規格値を超えるものはなく、ULEV車、SULEV車に適用される規制値も満たしている。

 今回の件に対する対策として、データ変更が不可能なシステムの導入と、測定データの変更が行われていないか、監視員による確認がすでに実施されている。今後の対策としては、下記が予定されている。 ・社内規定の全般的な見直し、体系的な整備 ・問題行為の端緒の把握に繋がるチャネルを拡充 ・コンプライアンス・アンケートも定期的に実施 ・1994年11月に策定した「品質方針」の抜本的な見直し ・測定業務に従事するものへの教育、研修 ・現場と管理職との間のコミュニケーション強化 ・監査機能の強化 SUBARUとしては今回の事態を真摯に反省したうえで、今後すべての業務においてコンプライアンスを重視する意識を醸成し、企業体質を根底から変革していく必要があると認識している。二度とこのような不正行為を引き起こすことのない、誠に「正しい会社」に生まれ変わっていくと決意。

 吉永泰之社長は次のようにコメントしている。

「中期経営ビジョンのなかで『質の高い企業になる』と掲げていたが、なれていなかった。完成検査問題の背景として、われわれが直さなければいけない根本的な課題は何か、指摘された問題にどう取り組むか、これが組織全体の課題だ。現時点でほかに調査が必要な項目はないが、仕事の進め方で課題のあるものがあるかもしれない。それを総点検して、このやり方でいいのかと考える活動を進めていきたい」

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