現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~

ここから本文です

時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~

掲載 7
時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~

サーキット走行に欠かせないフルハーネス。近年、それにまつわるルールが大きく変わってきている。サーキット走行には必須ではないが、あった方が安全性も高いし、圧倒的に運転しやすくなる。

◆サーキットを走るなら真剣に考えて欲しい装備
そんなフルハーネスとセットで使ってもらいたいHANSなどの頸部補護保護デバイスについて解説。フルハーネスとは、レースやサーキット走行などで使われるシートベルトのこと。これまでは4点式が一般的だった。

「目視は重要!」水温・油温・わかりやすいの正しい知識とは~カスタムHOW TO~

腰を固定するベルトが左右のフロアなどから生えていて、肩ベルトは後部座席の座面あたりに固定される。その4点から取り付けられているので、4点式シートベルト等と呼ばれていた。

10年ほど前まではレースやタイムアタックラリーなどでもこの4点式が一般的だったが、徐々にその常識が変わってきた。それがHANSなどを代表とする頭部&頸部保護デバイスだ。これはそもそもアメリカのレースであるNASCARなどで頭部外傷がないのに、ドライバーが亡くなる事故からその検証が始まったもの。

頭部に外傷がなくても大きなGなどが加わることで、首に大きなダメージを負い、それが元でドライバーが重大なダメージを負ったことが原因だった。そこでGによる首へのダメージを和らげるために生まれたのがHANSなどの保護デバイスだ。

代表的なものであるHANSの場合、ドライバーの体とシートベルトの間にHANS本体を挟み込み、その本体から伸びたテザーと呼ばれるワイヤーとヘルメットを結ぶ。それによってクラッシュしたとき、首が一定以上に伸びないようにすることが目的だ。

◆ヘルメットだけでは防ぎきれない要素を補うパーツ
事故で頭部に外傷を負わなくてもヘルメットが大きく揺さぶられることで、首が引っ張られて頸椎などに負うダメージを抑えることができる。

HANS誕生前のクラッシュではドライバーが首を痛め、その後、手がしびれるなどの頸椎損傷の症状になることもあった。

そんな頸部保護デバイスも現在ではいくつかのタイプがあり、シンプソン社などでは体にハーネスで取り付けるものもある。そういったものではシートベルトに関係なく、取り付けられるが、HANSと呼ばれるものはシートベルトと体の間に挟み込むことで装着する。

その場合、重要になるのはフルハーネスの肩ベルトを強く締めていなければ効果を発揮できないということ。そこで問題になってくるのが4点ベルトなのである。

◆4点式シートベルトの問題点
4点式シートベルトの場合、まず腰ベルトを強く引っ張っておかなければならない。その上で肩ベルト引いていくが、腰ベルトが少しでも緩いと、肩ベルトを締めていくと腰ベルトが徐々に上に上がってきてしまうことがある。

本来は腰ベルトは腰の低い位置で止めなければならないが、肩ベルトによって上に引き上げられてしまうと腰ベルトが本来よりも上がり、バックルがみぞおちあたりまで来てしまうことがある。

そうなるとクラッシュしたときに内臓にダメージが及ぶ可能性が高く、非常に危険。だが、ハンスの効果をしっかりと発揮するには肩ベルトを強く締めなければならない。でも、そうすると腰ベルトが上に釣り上がりやすいそういったジレンマから生まれたのが5点式、もしくは6点式シートベルトなのだ。

この5点式、もしくは6点式シートベルトは、股下ベルトと呼ばれるベルトがフロアから生えていて、そこにバックルが固定されている。

そのバックルに左右から腰ベルトを差し、肩ベルト2本も差す。こうすることで肩ベルトを強く引いても股下ベルトがあるので、バックルが上に釣り上がってこない。クラッシュした時にも内臓にダメージが及ぶ可能性が低いのだ。

一時は5点式と6点式が混在していた時期もあったが、現在では公式レースで使えるのは6点式シートベルトのみ。股下ベルトを2か所でボディに固定し、そのバックルに左右と上からベルトを差し込んで使うタイプとなっている。

現在日本で行われているJAF公認の自動車レースでは、ヘルメット+HANSの装着と6点式シートベルトの装着が義務付けられている。

ちなみにこのHANSなど警部補後デバイスはヘルメットに専用のアンカーを取り付ける必要がある。現在売られているヘルメットでは、アンカーの位置に既に穴が開けられていて、自分で購入したアンカーをヘルメットに専用工具で装着するだけで対応のヘルメットにすることができる。専用アタッチメントは約1万円ほどで購入できる。

◆プロとアマチュアでクラッシュの衝撃はほとんど同じ
まだまだ走行会などになると、HANSや6点式とベルトの装着率は低い。しかしプロドライバーよりもむしろアマチュアの特にビギナードライバーの方がコースアウトしたり、クラッシュしたりする可能性が高い。

「自分はプロドライバーほど上手くないので、まだそういった安全でデバイスは不要」という人もいるが、プロが100km/hで走るコーナーをアマチュアが半分以下の速度で走るわけではない。プロとアマチュアの差は速度で言えば数km/hからあっても数十km/hしか変わらないので、ぶつかったときの衝撃などもほとんど変わらない。

そういったことを考えると、ビギナーほど安全装備には気を配ってもらいたい。登場した当時に比べて6点式シートベルトもHANSなどの頸部保護デバイスもかなりリーズナブルになっている。スポーツ走行ユーザーには皆さんにサーキットを走るときには皆さんに使用していただきたい。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

マルチスズキ初、新型『ディザイア』がグローバルNCAPで最高評価
マルチスズキ初、新型『ディザイア』がグローバルNCAPで最高評価
レスポンス
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」、ソフト99がMakuakeで先行販売
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」、ソフト99がMakuakeで先行販売
レスポンス
知的なヤング・アダルトのためのセダン、初代『セフィーロ』の斬新さ【懐かしのカーカタログ】
知的なヤング・アダルトのためのセダン、初代『セフィーロ』の斬新さ【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
コンチネンタルの新型タイヤは1.5km走れば適温に、アドベンチャー用「ContiTrailAttack 3」発表…EICMA2024
コンチネンタルの新型タイヤは1.5km走れば適温に、アドベンチャー用「ContiTrailAttack 3」発表…EICMA2024
レスポンス
そのパーツは必要!? ネイキッドのアンダーカウル、何の意味がある?
そのパーツは必要!? ネイキッドのアンダーカウル、何の意味がある?
バイクのニュース
「超強力マグネット」バイク用スマホホルダーがアップデート、「FREAKMOUNT2.0」発売
「超強力マグネット」バイク用スマホホルダーがアップデート、「FREAKMOUNT2.0」発売
レスポンス
フルサイズSUVにもジャストフィット! スキー板も入る大容量ルーフボックスが登場
フルサイズSUVにもジャストフィット! スキー板も入る大容量ルーフボックスが登場
レスポンス
サイドエキゾースト装備!? ルノー『ルーテシア』次期型を初スクープ
サイドエキゾースト装備!? ルノー『ルーテシア』次期型を初スクープ
レスポンス
フォードのSUV『ブロンコ』、2025年モデルでオフロード性能が向上
フォードのSUV『ブロンコ』、2025年モデルでオフロード性能が向上
レスポンス
ホンダのホンキが詰まった『シビックRS』、カタログにも書かれていない進化ポイントに「真骨頂」があった
ホンダのホンキが詰まった『シビックRS』、カタログにも書かれていない進化ポイントに「真骨頂」があった
レスポンス
「誰の手にも届くエレガンス」ロイヤルエンフィールドの新型『クラシック350』登場、69万4100円から
「誰の手にも届くエレガンス」ロイヤルエンフィールドの新型『クラシック350』登場、69万4100円から
レスポンス
2500ccエンジンのトライアンフ『Rocket 3』に世界500台限定車、伝説のスタントマンに敬意…342.9万円から
2500ccエンジンのトライアンフ『Rocket 3』に世界500台限定車、伝説のスタントマンに敬意…342.9万円から
レスポンス
アメリカで流行? トヨタ『タンドラ』をスポーツ観戦仕様に、55インチスクリーン5台が出現…SEMAショー2024
アメリカで流行? トヨタ『タンドラ』をスポーツ観戦仕様に、55インチスクリーン5台が出現…SEMAショー2024
レスポンス
史上最軽量のドゥカティ パニガーレ、新型『V2』発表…EICMA2024
史上最軽量のドゥカティ パニガーレ、新型『V2』発表…EICMA2024
レスポンス
[15秒でわかる]ホンダ『リード125』新型…デザインを変更しLEDトランクライトを追加
[15秒でわかる]ホンダ『リード125』新型…デザインを変更しLEDトランクライトを追加
レスポンス
1987年型ビュイックを1246馬力の怪物に、カスタムに5000時間…SEMAショー2024
1987年型ビュイックを1246馬力の怪物に、カスタムに5000時間…SEMAショー2024
レスポンス
オペルの小型SUV『モッカ』に改良新型、48Vハイブリッドシステム搭載…内装を一新
オペルの小型SUV『モッカ』に改良新型、48Vハイブリッドシステム搭載…内装を一新
レスポンス
ボッシュのバイク用ディスプレイ「TFT connect」、明るさは世界最高レベル…EICMA2024
ボッシュのバイク用ディスプレイ「TFT connect」、明るさは世界最高レベル…EICMA2024
レスポンス

みんなのコメント

7件
  • ***********
    4点は純正シート前提、5点以上はシート交換前提だからなあ。
  • ham
    HANSをフルバケに入り込んで自分で装着するのは大変だからなぁ〜
    お手伝いの人が居たら簡単に装着できる安全装備なのに
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村