TGM Grand Prixが、2024年のスーパーフォーミュラのドライバーとしてJuju(野田樹潤)を起用することを発表した。
このJujuは、F1に参戦することが目標だと公言している。しかしF1の歴史上、決勝レースに出走した女性ドライバーはわずか2人のみ。入賞に至っては、ひとりしか記録できていない。
ではこれまで、F1にはどんな女性ドライバーが挑んできたのか、振り返ってみよう。
■マリア・テレーザ・デ・フィリッピス
F1草創期の1958年モナコGPに、ひとりの女性ドライバーがエントリーした。これが、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスであり、女性として初のF1公式セッションを走行したドライバーとなった。
このモナコGPでは予選落ちを喫したものの、続くエントリーとなったベルギーGPでは見事に予選を通過。決勝でも10位完走を果たした。続いてのエントリーとなったポルトガルGP、イタリアGPでも決勝に駒を進めたが、いずれもリタイアに終わっている。また、ドライブしたのはいずれもマセラティ250Fだった。
1959年の開幕戦モナコGPにもエントリーしたが、予選通過は果たせなかった。
女性ドライバー唯一のF1入賞
■レッラ・ロンバルディ
ロンバルディは1974年のF1イギリスGPにブラバムからエントリー。この時は予選を通過することはできなかったが、翌1975年にはマーチから参戦し、スペインGPでは6位入賞を果たした。このレースはハーフポイントとなったため、ロンバルディは0.5ポイントを手にしたわけだ。
後にも先にも、女性ドライバーでポイントを獲得したのは、このロンバルディだけである。
ロンバルディは初入賞の後も参戦を続け、ドイツGPでは7位になっている。
通算で12戦に参戦。これも女性ドライバーとしては最多だ。そのほか、4戦で予選落ちを喫している。
■ディビナ・ガリカ
ガリカは1976年と1978年の2シーズン合計3戦にエントリー。しかしいずれもリタイアに終わった。走らせたのはサーティースとヘスケスのマシンである。
なおこのガリカは、全日本F2にスポット参戦した経験があり、鈴鹿でのレースで7位となっている。
また、アルペンスキー選手としてオリンピックに出場経験もある。
■デジレ・ウィルソン
F1のイギリス国内選手権では優勝経験もあるウィルソン。しかしF1世界選手権への参戦は、ウイリアムズFW07を駆った1980年イギリスGPのみ。予選を通過することはできなかった。
女性として最後の公式セッション出走を果たしたのは、あの方の奥様
■ジョバンナ・アマティ
1992年にブラバムからエントリーしたアマティ。当時も久々の女性ドライバーであると、大いに注目された。
しかし彼女が加入したブラバムは最末期であり、パフォーマンス的にも大低迷。開幕3戦全て予選最下位であり、決勝に出走することはできなかった。持ち込み資金の支払いが滞ったことで、この3戦でアマティは解雇。後任としてデイモン・ヒルがF1デビューを飾ることになった。
現時点ではこのアマティが、F1予選に挑んだ最後の女性ドライバーである。
■スージー・ウルフ
メルセデスF1のトト・ウルフの妻であるスージーはレーシングドライバー。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)には7シーズンにわたって参戦した。
そんなスージーは2012年にウイリアムズF1の開発ドライバーに就任し、2014年にはFP1のみながら、F1公式セッションデビューを果たした。
初戦イギリスGPでは21番手だったが、続くドイツGPではトップから1.6秒差の15番手タイムを記録した。翌2015年にも2戦でFP1の走行を担当し、スペインGPでは14番手、イギリスGPでは13番手と、レギュラードライバーたちと遜色ない走りを披露してみせた。
スージーは同年限りでレーシングドライバー引退を表明し、その後は出産を経て、フォーミュラEのベンチュリのチーム代表やCEOを歴任。現在は女性ドライバーの成長を促すためのF1アカデミーを率いている。
テストだけなら、多数の女性ドライバーが挑戦
■キャサリン・レッグ
公式セッション走行経験はなくとも、テストでF1マシンを走らせた女性ドライバーは数多い。そのひとりがキャサリン・レッグだ。
レッグはアメリカのレースを中心に活躍。チャンプカーやインディカーに参戦し、チャンプカーでは2007年にランキング15位となっている。また、3年にわたってDTMに参戦し、フォーミュラEの1年目最初の2戦には、アムリン・アグリから参戦した。
そのレッグは2005年末に行なわれたF1テストで、ミナルディのF1マシンを走らせている。
■マリア・デ・ビロタ
F1参戦経験を持つエミリオ・デ・ビロタを父に持ち、弟もレーシングドライバーという、まさにモータースポーツ一家に生まれたビロタは、様々なレースに参戦。2011年にはロータスF1のテスト走行を担当した。
2012年には新興マルシャF1のテストドライバーとなったが、直線テストの際にトラックに激突する事故に遭い、右目を失うという大怪我を負ってしまう。
治療後、F1のパドックに元気な姿を見せたが、2013年にホテルの自室で亡くなっているのが発見された。テストで負った怪我が死の要因だったとされている。
■シモーナ・デ・シルベストロ
インディカーを中心に活躍するシルベストロは、2013年に同シリーズで2位表彰台を獲得するなど、実績を残している。
2014年にはザウバーとアフィリエイト・ドライバーとして契約し、同チームのF1マシンをテストドライブしている。
このほかフォーミュラEにも参戦するなど、幅広い活躍を見せる。
■タチアナ・カルデロン
欧州のジュニアカテゴリーでステップアップしてきたカルデロンは、GP3に3年にわたって参戦。イェンツァーから参戦した2018年には、終盤5戦連続で入賞するなど、安定した成績を残した。
その後2019年にはFIA F2に参戦し、その後は来日してスーパーフォーミュラにも挑んだ。これと並行して、ル・マン24時間レースなど、耐久レースにも参戦している。
2017年からはザウバーF1と契約し、開発ドライバーに就任。その後はテストドライバーを務めるなどした。
■ジェシカ・ホーキンス
最も最近F1マシンをドライブした女性ドライバーがジェシカ・ホーキンス。2023年の9月に、ハンガロリンクでアストンマーティンAMR21を走らせた。
現在28歳のホーキンスは、これまで様々なカテゴリーのレースに参戦。2019年からはWシリーズに参戦し、2022年には表彰台1回を獲得した。
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みんなのコメント
持久力は女性の方が秀でているともいうし、耐久やF1で女性選手が登場すればスポンサーも幅広く集まる期待も持てるんだが。
かつてワコールが童夢のスポンサーやっていたが、シャネルやディオールとかがF1のボディにロゴ乗せたら面白いよね。
現在のポイントシステムでは4点