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流行りのSUVで「お得ではない」ハイブリッドはなぜ人気? 加速力が重視される要因とは

掲載 更新 18
流行りのSUVで「お得ではない」ハイブリッドはなぜ人気? 加速力が重視される要因とは

■ハイブリッドSUVはユーザーから何が評価されている?

 燃費性能を向上させるハイブリッドシステムは、いまや人気のSUVにも多く設定されるようになっており、売れ行きを左右する装備のひとつとなっています。

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 しかし、ハイブリッドシステムのメリットでも経済性の高さを享受できるのは、限られたユーザーのみだというのですが、それでもハイブリッド仕様のSUVが人気となる理由はいったいなんでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会が発表する2020年7月の販売台数ランキングで、SUV内のトップ5をみると、首位のトヨタ「ライズ」と5位のダイハツ「ロッキー」はガソリン仕様のみとなるものの、2位のトヨタ「ハリアー」や3位のトヨタ「RAV4」、4位のホンダ「ヴェゼル」はいずれもハイブリッド仕様を用意。

 さらに、2020年9月にデビュー予定のトヨタ新型「ヤリスクロス」にもハイブリッド仕様が設定される予定となっています。ちなみに、2020年6月にはRAV4にプラグインハイブリッドという給電可能なハイブリッドシステムを搭載した「RAV4 PHV」も追加設定されています。

 しかしSUVに限らず、ハイブリッド仕様はガソリン仕様よりも数十万円ほど高価であることから、ハイブリッド仕様が低燃費であったとしても差額を燃料代だけで埋めるのはかなり難しいといいます。

 SUVに限らずハイブリッド車を多数扱うトヨタの販売店に聞いたところ、「年間数万キロ以上乗るお客さまであればハイブリッド仕様の方が得かもしれませんが、一般的な年間走行距離の平均といわれる1万キロ程度で燃料代込の合計支出を見ると、『お得』と感じることは難しいと思われます」と話します。

 しかし、ハイブリッド仕様のSUVは続々と登場しています。いったい、どのような理由でハイブリッド仕様のSUVは人気を集めているのでしょうか。前出のトヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「比較的趣味性の強いカテゴリであるSUVの場合、ハイブリッドシステムのイメージのよさが、決め手になることも多いです。これは、弊社のモデルだけに限らない傾向で、最終的に差額を埋められるかはあまり重要ではないのかと思います。

 また、給油回数が少なく済むことを評価するお客さまもいらっしゃいます。ケースバイケースですが、ガソリン仕様の給油回数の2/3程度になるイメージのようです。

 なお、最近売れ筋となっているモデルのなかで弊社の『ハリアー』の傾向をみると、モーターアシストによる加速の力強さを評価してハイブリッド仕様を選択されるお客さまもいらっしゃいます」

※ ※ ※

 ちなみに前出のRAV4 PHVの場合、給電した電力だけで走行すれば、ガソリンをほぼ消費せず、ガソリンスタンドに行く回数をゼロに近づけることができます。

 現行モデルとして販売されているプラグインハイブリッド仕様の国産SUVとしては、三菱「アウトランダーPHEV」が挙げられます。また、三菱は2021年度中にあらたなプラグインハイブリッド仕様のSUV「エクリプスクロスPHEV」を発売予定です。

■最近のハイブリッドSUVは加速がパワフル?

 近年のハイブリッド仕様のSUVにおいては、加速性能の良さが謳われるモデルも多くなってきています。

 これは、前出のようにSUVが趣味性の強いカテゴリであることや、長距離ドライブにおいてストレスを感じないことが重視されているから、ということが背景として考えられるでしょう。

 そして、近年のSUVのなかでも加速感の良さをアピールしているモデルが日産「キックス」です。

 キックスは、日産の電動パワートレイン「e-POWER」を搭載。モーター駆動100%で走行するので、内燃機関のクルマに比べて高い加速応答性を持ちます。

 プラグインハイブリッドシステムとは違い外部からの給電はできないものの、走行フィールはまさに電気自動車といえます。モーターの最高出力は129馬力、最大トルクは260Nmです。

 日産の販売店スタッフにキックスについて聞くと、「試乗していただくと、コンパクトSUVとは思えない加速の良さに、驚くお客さまも多くいらっしゃいます。

 走行モードの変更でワンペダル走行が可能になる(e-POWERドライブ)など、走行感覚も変わるので、試乗の際には適宜ご紹介しています」と話します。

 そして、トヨタのハリアーおよびRAV4のハイブリッド仕様(システム最高出力はともに2WDで218馬力、E-Fourで222馬力)も、大柄なボディを軽々と走らせる動力性能を持ちます。

 さらに、RAV4 PHVではシステム最高出力は306馬力と、スポーツカー顔負けのスペックを誇ります。

※ ※ ※

 趣味性が強く、乗る人の個性を表現するSUVでは、ハイブリッド仕様においても、動力性能の高さやハイブリッドシステム自体のイメージの良さが、ユーザーからの評価に繋がるといえるでしょう。

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みんなのコメント

18件
  • 最近のハイブリッドは加速性能が良くなって燃費だけじゃない所が評価出来る。燃費だけ良くなるハイブリッドの時代は終わった。モーター付きのエンジンが楽しい時代の幕開けだ。
  • Rav4ハイブリッドを購入した自分としてパワーがある車が欲しかったから。燃費なんて2の次。
    確かに燃費は良い。それ以上にトヨタの4世代目THS2は先代の燃費重視ハイブリッドからエンジンプラス動力ととらえ、かなりスポーティーに走る。
    以前の車がフォレスターXTだったためハイオクターボに慣れてしまっているので普通のガソリン車では物足りない。
    とは言え国内の燃費問題による相次いでターボ車のカタログ落ち。スバルが良い例。パワーターボ車が無い。楽しくない。
    そこでモーターでもってターボの代わりとしようとしてると感じる。
    Rav4PHVも燃費というより走りに振った作り。
    今のトヨタのハイブリッド凄いと感じた。
    燃費燃費でないよ今のハイブリッド。
    1度試乗して見ると分かると思う。昔のハイブリッド車でないと感じるはず。価格高くても走りを取るならハイブリッドは有効。もうドッカンターボでハイオク垂れ流しの燃費悪の時代でない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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