この記事をまとめると
■2022年の11月12日(土)に行われたオーテック里帰りミーティング2022をプレイバック
スーパーカーでもないのになんだこの多幸感! 持ってるだけで「満足度メーター」が振り切れる国産車5選
■参加者は618名、過去最多の319台が大磯ロングビーチに集結した
■多種多様なオーナーさんのインタビューも掲載
3年ぶりにリアル開催されたオーナーさんの集い
毎年、大磯ロングビーチの第一駐車場を貸し切って行われている「オーテック里帰りミーティング」。
始まりは2004年で当時は約100台ほどの小規模な集まりだったが、2009年には300台を突破。その後は毎年300台を超える台数が参加するほどになったため、抽選制を導入するほど人気のイベントとなった。2020年と2021年はコロナ禍で開催を見送っていたが、前回から3年が経った2022年に開催された。
当日は抽選で選ばれた319台、618名の方々が神奈川県大磯市にある「大磯ロングビーチ」の第一駐車場に集結。
ただ、今回から大きく異なることがひとつある。じつは、2022年4月1日付けで(株)オーテックジャパンと(株)ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモの旧会社名)が合併され、新会社「(株)日産モータースポーツ&カスタマイズ」を設立して初の里帰りミーティングだった。
まず初めに開会式が行われ、(株)日産モータースポーツ&カスタマイズの代表取締役社長兼CEOの片桐隆夫さんから、新会社が設立して初めての里帰りミーティング開催に感謝の意を表し、「このイベントは多くのサポートがあってこその里帰りミーティングです」と挨拶があった。
その後、設立した新会社の強みとして「ニスモは、日産のモータースポーツでのDNA、オーテックはクラフトマンシップのDNAがあるので、それぞれの強みを生かしたモータースポーツ活動とクルマ作りをしていきたい」と語った。さらに2022シーズンのスーパーGTを振り返り、「7年ぶりのGT500とGT300のダブルチャンピオンは、日産陣営としても悲願だったので、実現して嬉しかった」と笑顔で語り挨拶を締めくくった。
次に、イベントゲストとして、スーパーGTに参戦しているクラフトスポーツフェアレディZのドライバーを務めている平手晃平選手と、2022オーテックレースクイーンの美すずさんが登壇。平手選手は、「快晴でオーシャンビューとたくさんの日産車を見れてミーティングに相応しいですね」と嬉しそうに語った。一方、オーテックレースクイーンの美すずさんは、コロナ禍の最中に就任したことを振り返り、「2020年と2021年はオンラインでの開催だったので、こうして間近にオーナーさんとクルマを見ることができて嬉しいです」とコメントした。
続いてふたつの賞が用意された表彰式へ。今回の参加者のなかで、一番遠い場所から参加した人へ送られる「遠来賞」が東日本地域と西日本地域からそれぞれひとりずつ、もっとも多い距離を走ったクルマのオーナーへ贈られる「過走賞」を受賞した3名に賞状とトロフィーが授与された。
「遠来賞」の東日本地域で受賞した工場長さん(なんと北海道から来場!)、西日本地域で受賞したKさん(これまたなんと鹿児島から来場!)、「過走賞」を受賞した壁田さん(イベント参加時の走行距離は驚きの50万8600km!)の3名がゲストのお二人と記念撮影をして授賞式を終えた。
最後に、参加者と片桐CEOとゲスト2名がオーテックの「A」を手で作り頭上に掲げて記念撮影を行い開会式は終了。こうした和やかでアットホームな雰囲気がこのミーティングの醍醐味だ。
その後、参加者は各々の時間を有意義に過ごしていた。最新のニスモモデルとオーテックモデルの展示ブースで次の愛車を下見したり、ショップでオーテックやニスモグッズの購入、ファミリーで来場される人たちには子ども向けのスリッパ投げゲームが開催されていたりと穏やかな時間が流れていた。
また、オーテックが関わった俳優・伊藤かずえさんの日産・初代シーマのレストア風景を写真パネルで紹介しているブースもあり、手作業で行われた壮大なプロジェクトを収めた写真に参加者の方々も見入っていた。
さらに、会場を平手選手、美すずさん、片桐CEOが散策し、平手選手はオーナーたちとの記念撮影などに応じるなど里帰りミーティングを盛り上げていた。
三者三様のライフスタイルに寄り添うオーナーの愛車をご紹介
ここからは、参加者の方々にインタビューを行ったのでご紹介しよう。
まず、静岡県在住のリーフニスモオーナーのよっしーパパさん。
愛車のリーフニスモは初代に続き2台目。月に2000kmも走るため、購入してからまだ4年なのに取材時の走行距離は約9万kmを走破していた。こだわりのポイントは、フロントのエンブレムが今の日産のブランドロゴになっている点と、屋根のアンテナに初代リーフのものを装着しているという点。『見る人が見ればわかる』こだわりのカスタムを施していた。
初代リーフニスモ以前は、トライダルCVTを搭載したV35型スカイライン350GT-8と中々マニアックな愛車を所有していた。「スカイラインのときはハイオクで燃料代を気にしていましたけど、今のリーフは電気代のみなので経済的にも助かってます(笑)」、と笑顔で語った。
初代リーフを所有していたときに、鉄道好きなよっしーパパさんは下道のみで、鉄道の駅に設置されているご当地の絵柄が入った御朱印集めも兼ねて16日間で日本一周をするなど電気自動車ライフを謳歌している。最近になって日産サクラも購入し、年内には納車される予定だ。そのため、V2Hに対応した住宅へとリフォームを加え、車外で使用できる蓄電池を購入したり、有意義な電気自動車ライフを送っているオーナーさんだった。
壊れるまで乗り続けたいというよっしーパパさんは、ミーティングの際にも蓄電池を持参して、コーヒーを淹れていた。その姿を偶然に駐車場を回っていた片桐CEOも注目し、会話を楽しんでいたのが印象的だった。
続いては、西日本地域の遠来賞を受賞したKさん。愛車はS15型シルビアスペックSのオーテックバージョンで、取材時の走行距離は約16万7000km。このイベントに参加するために1週間もの有休を取得して参加したとのこと。
こだわりのポイントとしては、オートマからマニュアルに換装したところと、専用の赤いエンジンヘッドやステンレス製のエキゾーストマニホールドを挙げてくれた。ターボモデルとは違いエンジンの回転が滑らかなのが好きで、パーツがなくなるまで乗り続けたいと話す様子からは、Kさんのクルマへの愛情を感じられた。
次に紹介するのは、過走賞を受賞した壁田さん。クルマはセドリック ブロアムVIP-Lだが、仕事でもある個人タクシー仕様になっていた。この見た目は会場でも圧倒的に目を引いていたが、取材時の走行距離は50万8600kmと日々お客様を目的地まで安全運転でお送りしている大事な相棒だ。特徴としてミッションをマニュアルに換装しているが、オートマの制御が自らの意図したギヤにシフトしないことにあまり納得がいかなかった末の決断だった。また、壁田さんはAE86も所有しており週末にはジムカーナに参加するなど仕事でもプライベートでもクルマを操る楽しみを味わっているオーナーさんだった。
参加者全員が楽しんでいた里帰りミーティング
ここからは、最新のオーテックモデルに乗っている方のインタビューをお届けしたい。
初めに、神奈川県平塚市在住のGOのママさん。愛車は1年前に購入したエルグランドオーテックで、取材時の走行距離は5673km。以前は、旦那さんがステージア260RSを所有していたが、家族も増えたタイミングで荷物も載せられるミニバンタイプのエルグランドに白羽の矢が立ったという。このクルマは奥様専用で、お気に入りポイントにはミニバンの広い車内と革を使用した豪華な作りの内装を挙げてくれた。これからもいろんな場所に出かける際の相棒として活躍が期待される。
最後は、埼玉県在住の宮坂さんご夫婦。愛車はキックスe-POWER オーテックで、取材時の走行距離は約1万6500km。ご夫婦2人で運転できるクルマを探してノートe-POWERからの乗り換えで購入した。しかし、納期遅延で半年待って、2022年1月に納車されたばかり。お気に入りポイントは乗り心地の良さで、プロパイロットの制御にも感心しているとのこと。出たばかりの新型エクストレイルのオーテック仕様に注目をしているそうだが、当面の間はキックスと過ごすとのことだった。
さて、イベントは午後1時半から、特設ステージで平手晃平選手と美すずさんのスペシャルトークイベントを行った。まず、2022シーズンのスーパーGTに触れて、2度の優勝とオートポリスでのポールポジションを獲得した平手晃平選手が「フェアレディZとヨコハマタイヤとの相性が良かったので結果につながった」と振り返り、美すずさんは「フェアレディZのデビューイヤーにレースクイーンをできたことは光栄です」とコメントした。
その後、平手選手のオンラインクラブ、平手晃平と「車で遊ぼう」についても話題が広がり、「コロナ禍で人との関わりをオンラインで行う場としてYoutubeとオンラインクラブを始めた」と設立理由を説明した。そのオンラインクラブでレース車両の一台として購入したのが日産マーチ12SRで、購入した理由は「Z33を導入していたが、女性会員の方々にもレース走行を体験してもらうために導入した」と語られた。
そして午後2時に閉会式が行われ、三たび平手選手、美すずさんが登壇し、それぞれが今回のイベントの感想を語った。そのなかで平手選手は「いろんな人からお声がけをいただけて、参加している側でも十分楽しめた」と総括し、美すずさんは「今年は対面でオーナーさんとの交流ができたのでよりイベントの楽しさを体感できた」と発言していた。
閉会式が終了した後は、(株)日産モータースポーツ&カスタマイズの社員たちが参加者たちをお見送りしていた。
こうしてオーテック里帰りミーティング2022が終了したわけだが、今回オーナーイベント初参加だった筆者は、神奈川県に住んでいる人間としてこんなフレンドリーなイベントが行われていることは誇らしいと思える内容だった。今年はいつ開催されるかは現段階で未定だが、日産オーテックまたはニスモ乗りの方々はぜひ参加してみてほしい。オーナーイベントと聞くと、なかには必要以上に会話を迫ってくる参加者や自らの意思を押し付ける人など心にも無い行為や言動で参加意欲を削がれる心配もあるが、このイベントではそういったことがなく、参加者自身が節度を持って相手と接している姿が見受けられたので、もしオーナー同士の繋がりを求めている人は入門として参加するにはうってつけのイベントだろう。
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