マイナーチェンジで先進運転支援システムもアップデート
トヨタのグローバルセダン「カムリ」が2021年2月1日にマイナーチェンジを発表。外装ではフロントバンパーや灯火類のデザイン変更、内装ではインパネ加飾の変更やディスプレイオーディオが大型化(8→9インチ)しています。
また、先進運転支援システムには「レーントレーシングアシスト」、「ドライバー異常時対応システム」、「レーダークルーズコントロール」に「カーブ速度抑制機能」などが追加されました。今回はトヨタの発表ではさらりと紹介されている新型カムリの運転支援機能について、あらためて整理してみましょう。
「レーダークルーズコントロール」は先行車両を検知して、適切な車間距離をキープして追従走行する、いわゆる「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」ですが、マイナーチェンジではそこに“カーブ速度抑制機能”が追加されました。
こうした“自動運転レベル2”システムの課題となるのが、ドライバーが居眠りしてしまってもある程度は走れてしまうことです。レベル2ではドライバーに周辺監視の義務がありますから(スマホを操作する等の運転以外のタスクをしてはいけない)、居眠りやよそ見といった状況は危険極まりなく、ステアリングを握っていないとセンサーなどで感知すると、握るように警告する仕組みが備わっていますが、その機能を発展させたのが「ドライバー異常時対応システム」です。(※トヨタ車で「ドライバー異常時対応システム」を搭載しているのはクラウンやMIRAI、レクサスLSなど。また、国産メーカーではスバル・レヴォーグのアイサイトX搭載車にも同様のシステムが採用されています。)
ドライバーが倒れたとき、自動でクルマを停止させる
ドライバー異常時対応システムはLTAの動作中に手放しなどの無操作運転状態が続いた時、ドライバーが意識を失うなど異常状態であるとシステムが判断すると、警告に加え、まずはクルマの速度を40~50km/hへと緩やかに減速させます(ここまで30秒間)。それでもステアリング保持などドライバーの能動的な動きが見られない場合は、ハザードを点灯させ、ホーンを鳴らして周囲に警告を行ないながら車線内で減速、停車させるという機能です。
ときおり、脳梗塞や心筋梗塞などによりドライバーが意識を失ったまま走行した結果の交通事故という報道を見かけますが、このシステムがあれば、そうした疾病によるドライバーの意識喪失をカバーできる可能性が出てくるというわけです。
もっとも現時点ではシステムが機能するのは、高速道路などでLTA作動時という条件がつきますから、一般道などでのアクシデントを防ぐことは難しいのですが、事故を防ぐ可能性がわずかであっても高くなるのは間違いありません。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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速度制限維持機能は全車装着義務付けだよ。