2023年2月2日、日産自動車は、BEVの2シーターオープン、「Max-Out(マックスアウト)」の実車を、横浜の日産グローバル本社ギャラリーで公開した。発表会場で実際に見た印象とともに、市販する可能性はあるのか、迫ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/平野学
日産のBEV2シーターオープン「マックスアウト」実車世界初公開!! 早く欲しい!! いつ発売?
■「マックスアウト」の実車が世界初公開!
日産グローバル本社ギャラリーにてマックスアウトの実車が世界初公開
日産自動車は、2月4日から3月1日まで、横浜の日産グローバル本社ギャラリーにて、日産が考える持続可能なモビリティと革新的なデザインの未来を体感できるイベント「Nissan FUTURES」を開催する。
そのイベントの開催に先立ち、BEVコンセプトカー「マックスアウト」の実車を公開した。
2022年11月29日に開催された、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」にて4台のコンセプトカーがバーチャルで公開されたが、実車が公開されたのは、次世代クロスオーバーの「チルアウト」に続き2台目となる。
ちなみに2022年11月に公開された今回の「マックスアウト」のほか、次世代クロスオーバーの「チルアウト」、ユーテリティヴィークルの「ハングアウト」、ピックアップの「サーフアウト」を含めて4台のコンセプトカーが公開されていた。
■パープルとライムグリーンのイルミネーションと、ホログラムホイールが新しい
パープルのイルミネーション
照明が消された暗闇のなか、「マックスアウト」はパープルとライムグリーンのイルミネーションとグラフィックでド派手に登場した。
日産自動車第二プロダクトデザイン部デザインマネージャー ユー・リーハオ氏によれば「駿」をコンセプトに、驚くような違いを見せつけるワクワク感やエモーショナルさを求めて突き詰めていったという。
ライムグリーンのイルミネーション
エクステリアのデザインは、特に何かをモチーフにしたというものはないそうだが、全個体電池とe-4ORCEからもたされる強み=車体を低く、軽く、コンパクトにできる利点、を入れ込んで、デザインしていったそうだ。
フロントアンダースポイラーやリアのディフューザーを見ると、いかにもダウンフォースが高そうだ。
また、最近の日産車はVモーショングリルが浸透してきたが、この「マックスアウト」についても、「デジタライズVモーション」と名付けて、最近の日産デザイン言語を踏襲しているそうだ。
マックスアウトのサイドビュー。ホイールはホログラムによってさまざまな映像が流れる
スペックは公表されていないが、「マックスアウト」のフロントボンネットは低く、全長はFD型ロードスターほどで、いかにも低重心で機敏、運転が楽しそうだ。
「マックスアウト」の特徴の1つ、パープルやライムグリーンのイルミネーションやグラフィックは意外にも1990年代のグラフィックを参考に現代的に解釈したものだそうだ。半透明のステアリングやワイドディスプレイは、そう遠くない未来に登場しそうなシステムだった。
イルミネーション、グラフィックによって演出されるマックスアウトのインテリア。せもたれを後ろに下げ、ヘッドレストを後ろに下げてたたむと、その部分に座ることもできる
■夢か幻か? マックスアウトが市販されるのか?
フロントグリルと同様、長方形のリアグリルとなっている
では、この「マックスアウト」ははたして市販されるのか? 「チルアウト」の市販版が2022年12月、英国サンダーランド工場で生産することを欧州日産が発表しているので、順次ほかの3車種も生産される可能性が高い。
マックスアウトのデザインを手がけた日産自動車第二プロダクトデザイン部デザインマネージャー ユー・リーハオ氏
会場で「チルアウトは生産が決定しましたが、マックスアウトは市販されるのでしょうか?」と直撃してみたが、「現状では何も決まっていません」としつつも、「これからみなさまから様々な意見をお聞きし、検討していきます。Nissan FUTURESも日産からの発信だけでなく、みなさまからのご意見などを頂戴する、双方向のイベントとしていますので、よろしくお願い致します」。
ただ、「マックスアウト」は全個体電池の搭載が見込まれているため、チルアウトのようには2、3年後に発売、というようにはいかないだろう。
「マックスアウト」の発売は、早くても全個体電池の供給ができるようになる2028年頃か、まだまだ不透明。新しい情報が入り次第お届けしよう。
■「Nissan FUTURES」は2023年2月4日~3月1日まで開催!
マックスアウトのバーチャル試乗もできる
「Nissan FUTURES」では、電動化技術や知能化技術、エネルギーマネジメント、バッテリー二次利用などにおける日産のイノベーションを紹介するユーザー参加型のイベントや、専門家を招いたパネルディスカッションなど、様々な企画を用意。これらのイベントやパネルディスカッションには、会場でもオンラインでも無料で参加可能。
また2月21日には、日産が10年以上前から積極的に取り組んでいるV2X(Vehicle-to-everything)とバッテリーの二次利用をテーマに、日産とパートナー企業の専門家によるパネルディスカッションを開催。
「TALK 4 FUTURES」は、専門家やZ世代を含む影響力のある方々とのオープンな対話を目指したパネルディスカッションで、毎週土曜日の午後1時30分からグローバル本社ギャラリーで開催する。
日産は よりクリーンで安全でインクルーシブな世界の実現に貢献するため、「Nissan FUTURES」などのイベントを通じて、メーカー、ユーザー双方向の対話の機会をこれからも創出していくとのこと。
「マックスアウト」の実車展示やバーチャル試乗も含め、ざまざまな体験ブースがあるので、興味がある人はぜひ!
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