2005年、欧州ではすでに後継モデルとなるアルファ159が販売されていたが、日本ではまだまだアルファ156の人気は高かった。2005年当時、アルファ156とはどんな存在だったのか、どんなモデルが展開されていたのか。アルファ156の最終仕様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年8月号より)
刺激的なデザインとエンジンに心が満たされる
アルファブランドの復活を高らかに宣言し、人気を博したアルファ156。日本においてもこのクルマの登場によって、アルファロメオはマニアな選択肢という位置付けから、誰もが気になる伊達で洒落たブランドへとイメージチェンジを果たしたように思える。
【スクープ】新型ヤリスの「GR-4」がGRMNの正体? 3気筒ターボを搭載して2020年内に発売か
デビューからおよそ7年。事実上の後継車である159の登場で旧型扱いになるが、その存在感はいまだに衰えない。ラテン濃度の高いスポーツセダンということでは、いまなお最右翼に位置すると言えよう。最終モデルは156の第3世代にあたり、熟成の進んだ「中身」に、ジョルジョ・ジウジアーロ率いるイタルデザインがフェイスリフトを担当したスタイリングを纏う。ふくろうのような鋭い顔立ちとフェンダーマーカー下の青いジウジアーロバッジが識別ポイントだ。今では156のオリジナルコンセプトもイタルデザインだったことが明かされている。
現在、日本仕様として用意されているセダン(GTAを除く)は7グレード。エンジンは2種類で、直噴ストイキの2L直4DOHCと伝統の2.5L V6DOHC。前者には5MTもしくはセレスピード、後者には6MTもしくは4AT(Qシステム)を組み合わせる。各エンジン×ミッション仕様に標準タイプとスポーティラインのTI(ツーリング・インターナショナル)が用意されるが、標準仕様のV6モデルにのみマニュアルトランスミッション搭載車の設定がない。
ちなみに、正規で左ハンドル車に乗りたいと思っても、2L JTSのTIを選ぶしかないのが辛いところ。また、最近ではすべてのモデルに、+約20万円のNAVIバージョンが設定された。
159が来年(2006年)早々にも日本市場に導入されるということを踏まえて、それでも今お勧めできる156セダンはあるか。確信を持って言えるのは、159が登場するからこそ、156のオリジナリティをしっかり残したモデルに乗りたい、ということ。可能な限り、「素」の状態に近いグレードを勧めたい。
ベストバイはV6 TIの6MT車だ。TIに装備されるローダウンサスとスポーツレザーシートの組み合わせは、JTSには完全にオーバークオリティで、乗り心地を悪化させるだけ。V6でもその傾向はあるものの、元気に唸るエンジンのおかげでそれなりにマッチしている。本当はノーマルサスのマニュアルに乗りたいところだが…。
エンジンはV6がいいが、乗り味という点で156のオリジナリティをよく残しているのは、最も安いJTSのマニュアルモデルだ。ボディ剛性の一端をドライバーも担わされる絶妙な味わいがある。
バランスの良さが光るスポーツワゴン
アルファで唯一のワゴン、156スポーツワゴンも魅力的だ。もっとも、アルファブランドのワゴン自体は歴史を見ても少なく、156スポーツワゴンしても33ワゴン以来であった。現在日本で買える156SWは第3世代のジウジアーロスタイルだ。
156スポーツワゴンのグレードは4つ。セダン同様に2種類のエンジン、つまり2L JTSと2.5L V6が用意され、セダンと同様、標準タイプとTIが設定される。残念ながらスポーツワゴンにマニュアルの設定はない。従って、JTS+セレスピード、V6+Qシステムというパッケージのみだ。+20万円弱のNAVIバージョンが用意されているのはセダン同様だ。ハンドル位置はすべて右となる。
156スポーツワゴンの魅力は、セダンとまったく変わらないといっていい乗り味。否、ややもすると、ちょっとしたワインディングロードでは楽しめるという点でワゴンの方がバランスが良かったりする。それゆえ、マニュアルモデルの設定がなくなったのは、重ね重ね、惜しい。セダン同様に、オリジナリティを尊重した選択をすれば、JTS+セレスピードで16インチタイヤ+ノーマルサスペンション仕様がおすすめだ。価格的にも最も安く、求めやすい。ただし、リアサスペンションにセルフレベリング機構がつかない。
セレスピードは着実に進化しており、積極的に扱えば不満なく乗れる。もっとも、オートマチックに使い切ろうとすると違和感が生じる。えもいわれぬ回転フィールとエンジン音が魅力のV6モデルも捨てがたいが、いかんせん旧式で進化のないQシステムのみとの組み合わせでは、現時点で胸を張っておすすめできない。
もうひとつ、156には特別なモデルとして「156GTA」が存在する。伝統のネーミング「GTA」復活の頃(もしくは登場のもう少し前段階、開発終盤の頃か)が、今から思えば近年で最もアルファブランドが元気な時期だったのかも知れない。
「GTA」は156シリーズが第2世代(JTS搭載、バンパーのボディ同色化)へと移行すると同時に誕生した。ボア、ストロークともにアップしたGTA専用の3.2L V6DOHCは250psを発揮する。足まわりやブレーキシステムにも大幅な変更、チューニングが加えられ、オリジナルの面影を残しつつもアグレッシブなスタイリングと相まって一躍、熱きスポーツセダン&ワゴンの代表格に躍り出た。
セダンに6速MT+左ハンドル、6速セレスピード+右ハンドル、スポーツワゴンは6速セレスピード+右ハンドルの3グレード構成だ。6速MTが真髄だが、最も進化したセレスピードを試してみるのもいいだろう。(文:西川 淳/Motor Magazine 2005年8月号より)
アルファロメオ アルファ156スポーツワゴン GTA(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4430×1765×1435mm
●ホイールベース:2595mm
●車両重量:1510 kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3179cc
●最高出力:250ps/6200rpm
●最大トルク:300Nm/4800rpm
●トランスミッション:6速AMT
●駆動方式:FF
●車両価格:602万7000円(2005年当時)
[ アルバム : アルファロメオ アルファ156スポーツワゴン GTA はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
なぜ「暖機運転」必要なくなった? 昔はあたりまえの“習慣”も今では「NG」に!? 最近では「暖機“走行”」必要との見方も
[朗報] 改良日程の前倒しで年内に[アルファード/ヴェルファイア]が手に入れられる!?
ついに[バブル]崩壊か!? 中古価格が暴落したら買いたい現行クロカン3選
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
なぜ「暖機運転」必要なくなった? 昔はあたりまえの“習慣”も今では「NG」に!? 最近では「暖機“走行”」必要との見方も
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?