現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中国のパクリ車は完全に消えた? 10年前とは違ういまの中国ショーの現実

ここから本文です

中国のパクリ車は完全に消えた? 10年前とは違ういまの中国ショーの現実

掲載 更新 1
中国のパクリ車は完全に消えた? 10年前とは違ういまの中国ショーの現実

■東京モーターショーの3倍規模! 世界最大級の上海モーターショー

「中国のクルマといえば、日本車やドイツ車のパクリ」。そんなイメージを持っている方が、いまでも大勢いるのではないでしょうか。ところが、現実はまったく違います。中国の自動車産業界はこの10年ほどで大きく様変わりしたのです。

国産新車のサンルーフ、絶滅寸前か 日本でなぜウケない?

 では、実際にどのような感じなのか。2019年4月16日から開幕した世界最大級の自動車イベント、上海モーターショーの現場を見てみました。

 上海市街の西部に位置する、虹橋空港と虹橋中央駅は、上海の交通拠点として多くの人が行き来をしています。こうした地域に隣接して新しいビジネスエリアの建設が進んでいるのですが、その中に巨大なコンベンションセンターがあり、上海モーターショーも開催されています。

 展示スペースは全体で東京モーターショーの3倍はありそうな広さです。そこに世界各国の自動車メーカーや中国地場の自動車メーカー、そして自動車部品メーカーの展示が所狭しと並んでいます。

 海外メーカーで目立つのは、やはりドイツメーカーです。ダイムラーのメルセデス・ベンツ、BMW、そしてフォルクスワーゲングループからは、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェが最新モデルをズラリと並べています。

 中国の富裕層は、クルマに関してドイツ志向が極めて強く、ジャーマン3(ダイムラー、BMW、VWグループ)は中国での“定番商品”なのです。

 そのほかで人気なのは、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)です。高級車のキャデラックは、新型車を中国で世界初公開することも珍しくありません。また、スポーツカーではシボレー「カマロ」や「コルベット」などが中国の庶民の憧れです。

 さらにミニバンではビュイックに根強い人気があります。こうしたGMの各ブランドの展示ブースは連日、多くの来場者が詰めかけています。

 もちろん、日本車も中国で人気です。トヨタは「カムリ」や「カローラ」、ホンダは「アコード」、日産は「シルフィ」、そして「マツダ6 (アテンザ)」といった、小型・中型のセダンが中国では日本車の“定番”となっています。

 最近、コンパクトSUVがブームの中国では、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」にも大いに期待が高まっています。

■中国地場メーカーの商品性が格段に高まる

 一方で、最近になって存在感を増してきたのが、中国の地場メーカーです。第一汽車、東風汽車、広州汽車、北京汽車、長安汽車など、日本ではあまり馴染みがない名前ですが、中国人なら誰でも知っている有名メーカーです。

 こうした中国地場メーカーには、ふたつの顔があります。ひとつは、各メーカーの自社ブランド。そうして、もうひとつが中国市場での最大の特徴である海外メーカーとの合弁企業です。

 中国では、海外メーカーがクルマを製造・販売する場合、中国地場メーカーと合弁企業を設立することが義務付けされてきました。そのため、たとえば日系の場合、一汽トヨタ、東風日産、広汽ホンダといったメーカー名で日本車が販売されています。

 もともと、日本車などをパクっていた中国地場メーカーが、日系企業と正式に契約することでパクリ車はどんどん減っていきました。ただし、海外メーカーとの合弁がない中小メーカーの中には、パクりっぽい感じのクルマがいまでも存在します。とはいえ、10年前の“もろパクリ”といった露骨なクルマは姿を消しました。

 中国でのクルマのパクリについて、今回の上海ショー取材で改めて感じたことがあります。

 それは、SUVに関するパクリです。正確にいえば、パクリというより「日系も欧州系も、そして中国地場系も、どこのメーカーもSUVが同じような感じ」ということです。

 さらに細かく見てみると「これは、ちょっとパクっているでしょ」と思えるケースもあります。ですが、これは中国地場メーカーに対してではなく、日系、欧州系、米系のなかでも感じされることです。

 結局、SUVという商品の性格上、デザインの幅があまり広くなく、結果的にどのメーカーも似たりよったりのデザインに見えてしまうのです。

 こうしたなかで、目立っているのが、中国のベンチャーです。中国では2018年からEVなどの新エネルギー車について販売台数の義務化が始まっていて、それをきっかけに、EV関連のベンチャーが次々と誕生しています。

 その多くが、SUVのEVを仕立てているのですが、ボディのデザインが斬新なモノが増えてきました。EVを普及させるために、“見た目が重要”ということで、他社との差別化を図っているのです。

 つまり、差別化ということは「他社のデザインをパクらない」ということになります。量産車はもとより、コンセプトモデルでも、中国ベンチャーは”かなり振り切った”デザインを採用するケースが目立ちます。

 中国は最近、景気後退によって自動車販売が足踏み状態になってきました。とはいえ、アメリカの約2倍、そして日本の約6倍ものクルマを売っている世界最大の自動車大国です。そんな中国では、クルマのデザインをパクるなんてことから、すっかり卒業したのです。

 これからは反対に、海外メーカーが中国メーカーの技術革新をパクる時代になるのかもしれません。

こんな記事も読まれています

「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
くるまのニュース
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
バイクのニュース
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
くるまのニュース
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
レスポンス
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
くるまのニュース
自立する電動3輪特定小型原付「ストリーモS01JT」 580台の数量限定販売 申込期間は5月31日まで
自立する電動3輪特定小型原付「ストリーモS01JT」 580台の数量限定販売 申込期間は5月31日まで
バイクのニュース
レクサスのミニバン『LM』に6座仕様、価格は1500万円
レクサスのミニバン『LM』に6座仕様、価格は1500万円
レスポンス
日産のカーボンフリーへの取り組みがガチ! 工場をエタノール燃料の燃料電池で稼働させる仕組みを公開
日産のカーボンフリーへの取り組みがガチ! 工場をエタノール燃料の燃料電池で稼働させる仕組みを公開
WEB CARTOP
ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか
ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか
モーサイ
誕生から70年!アメリカンマッスルカーの雄「シボレー コルベット Z06」EU仕様でも速かった!
誕生から70年!アメリカンマッスルカーの雄「シボレー コルベット Z06」EU仕様でも速かった!
AutoBild Japan
西湘バイパスの「圏央道直結」いつ実現!? 中途半端な「新湘南バイパス」の平塚延伸はどうなっているのか 「謎の橋脚」の正体とは
西湘バイパスの「圏央道直結」いつ実現!? 中途半端な「新湘南バイパス」の平塚延伸はどうなっているのか 「謎の橋脚」の正体とは
くるまのニュース
ほぼ[アルファード]と一緒じゃ…レクサスLMの6人乗りが1500万円ってマジか!!
ほぼ[アルファード]と一緒じゃ…レクサスLMの6人乗りが1500万円ってマジか!!
ベストカーWeb
「新型の登場を待つか」「モデル末期を狙うか」問題に決着! いまは「欲しければすぐに買う」が正解だった
「新型の登場を待つか」「モデル末期を狙うか」問題に決着! いまは「欲しければすぐに買う」が正解だった
WEB CARTOP
新型フリードの顔にある[4つの穴]は何? なぜAIRにあってクロスターにはないの?
新型フリードの顔にある[4つの穴]は何? なぜAIRにあってクロスターにはないの?
ベストカーWeb
[神業]クルマを直す速度が異常すぎ!! ほぼ全部壊れたクルマを1週間弱で修復! 新井大輝さんが満身創痍で挑む全日本ラリー
[神業]クルマを直す速度が異常すぎ!! ほぼ全部壊れたクルマを1週間弱で修復! 新井大輝さんが満身創痍で挑む全日本ラリー
ベストカーWeb
ホンダ新型「フリード」初公開! 新誕生「フリード“エア”」って何? 「クロスター」も大変化か!? 8年ぶり全面刷新で誕生の「2タイプ」何が違うのか
ホンダ新型「フリード」初公開! 新誕生「フリード“エア”」って何? 「クロスター」も大変化か!? 8年ぶり全面刷新で誕生の「2タイプ」何が違うのか
くるまのニュース
ドレミコレクション「Z900RS Mk.2 Style外装セット」 着せ替えシリーズ初インナータンク無し・スチールタンクを採用した理由とは?
ドレミコレクション「Z900RS Mk.2 Style外装セット」 着せ替えシリーズ初インナータンク無し・スチールタンクを採用した理由とは?
バイクのニュース

みんなのコメント

1件
  • なんだかんだ言っても、日本車もベンツとかBMアウディのパクリだしね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.5468.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8467.0万円

中古車を検索
カムリの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.5468.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8467.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村