本当なら避けて通りたい話題だけど、最近リコールが多い。直近(2018年11月16日)でも、スズキ、三菱、ホンダ、スバル、マツダと実に5社がリコールの届け出を出した。
これらのニュースに対する反応を見ていると、やはりというべきか当然だろうと言うべきか、自動車業界=日本のものづくりの品質そのものを不安視する声が多く見られる。一方で、ちょっと古い話にはなるが、先日のパリモーターショー(2018年10月)では、ベトナムのビンファスト(VinFast)社が、同国初となる国産車を出展した。世界も確実に動いている。
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総じて見ていると、やっぱり日本の自動車産業は大きな岐路に立っているんだな(というかむしろその前で立ち尽くしている部分はないか?)と、肌で感じる部分がある。
んが、しかし。悲観的なことばかり並べてもしょうがない。ここでは、ニッポンのクルマ界が明るく楽しい未来へ進むための提言を6つ、並べてみたい。
※本稿は2018年9月のものです
文:渡辺陽一郎、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年10月10日号
■高速の最高速が150km/hになったら、欧州車に匹敵する国産車が生まれる?
(TEXT/渡辺陽一郎)
現状、日本の高速道路の制限速度は100km/hなので(一部例外あり)、それが150km/hに変わるというのはかなり空想的かも。
が、仮に150km/hになると日本のクルマ作りが変わる可能性もある。そうはいってもセダンに大きな変化はない。すでに国産セダンの多くは海外向けに開発され、高速安定性も高められているからだ(欧州車に勝るまでには至らないが……)。
大きく変わるのは高重心のミニバンやコンパクトカー、そして軽自動車のクルマ作り。現状のままだと150km/hでは安定性に欠けるクルマが多いもの。
また走りを楽しむため、ミニバンからセダンへ戻るユーザーが増える現象もありうるし、2世代前のオデッセイのような低重心ミニバンも再び求められるはず。加えて、ドライバーの高速教習も実施しないと危険かもしれない。
■軽のエンジン規格が660ccから800ccになったら、性能や税制が変わる?
(TEXT/渡辺陽一郎)
開発者に「軽自動車にとって燃費と動力性能の効率が最も高い排気量はどれくらいですか?」と尋ねると「800cc前後」と返答されることが多い。軽自動車の排気量枠を800ccに拡大し、全幅も100mm広げて1580mmにすれば、動力性能、燃費、安定性、乗り心地がかなりバランスよくなると私は思う。
特に今の軽では、N-BOXなど全高が1600mm以上の車種が全体の75%を占める。高重心で空気抵抗も増えたから、規格の拡大はさらに優れた効果を生むはず。
が、この“もしも提案”は慎重に行いたい。規格拡大の代償として税金も値上げする話になるから。実際にそのプランもあり、今の軽自動車税は年額1万800円で、自動車税の最低ランクが2万9500円。
「3倍近い開きがあるから1万9500円に値上げしよう」といった話もあるという。規格変更は、国に増税の理由を与えてしまうので熟考したほうがよさそうだ。
■5ナンバー車の全幅と全長が変われば、クルマの売れ行きは伸びる?
(TEXT/渡辺陽一郎)
5ナンバー車(小型乗用車)の規格は、全長が4.7m、全幅は1.7m、全高は2m、総排気量は2L以下だが、以前はさらに小さかった(例えば全幅は1.6mなど)。現状の5ナンバー規格は60年近く変更されておらず、軽自動車が1998年に今の規格になったのとは対照的だ。
そして、もしも5ナンバー車の全長と全幅を各100mm拡大して、4.8×1.8mになったとする。プリウス、アクセラ、XV、レヴォーグ、VWゴルフ、BMW3シリーズなどがなんと、5ナンバー車になる。不思議な気分だ。さらにはマークXも2Lターボを積んだり、クラウンが全長を少し短くすれば5ナンバー車になる。
今の国内の売れ筋はプリウス以外は大半が5ナンバー車だから、規格が拡大されていたら販売台数も増えるに違いない。ただし、現状の“5ナンバー税金”はそのままで。
■3つ以上ある自動車の税金を1つに集約すれば?
(TEXT/渡辺陽一郎)
若者がクルマを買わない理由のひとつに「クルマがらみの税金が多すぎる」がある。
自動車取得税や同重量税は、道路の建設や整備に使う目的で創設。が、この制度は2009年に廃止され、徴税する法的根拠は消滅。なのに一般財源として残っているからユーザーはたまったもんじゃない。おまけに13年を超えた古い車両に高額な税金を課す重課制度まで加わる有り様。
その一方でエコカー減税を設け、新車販売を妨げないよう配慮する抜け目のなさ。
日本では特に保有段階で納める税金が高額で、ドイツの2.8倍、アメリカの31倍! 例えばフランスでは登録時に税金は納めるが、保有段階では社用車のみの課税だ。2000年、個人所有の保有段階の課税は廃止した。これが本来あるべき姿だ。
日本も減税や補助金を廃止して税金はひとつに集約したい。クルマ購入を躊躇している人も買いだし、市場も活性化するはず。そして、それを機に「なぜその税額を納めるのか」という理由も明確に示すべき。
●関連記事→自動車税にモノ申す!! モリゾウが吠える!! 豊田章男新自工会会長に聞いた
■車検が初回4年、2回目以降3年になると事故は増える?
(TEXT/渡辺陽一郎)
昔、自家用車の車検は初度登録された後も2年後に車検だったが、1982年に初回車検期間が3年後に延長。それ以降、車検期間は変更なし状態が続いている。
延長の動きは? 政府の総合規制改革会議が車検期間の見直しを検討するなど時々話には出るが、進展はなし。
そしてもし初回が4年後で、2回目以降が3年後に延びるとどうなる? すべてのユーザーが少なくとも12カ月ごとの点検を確実に受けていれば、交通社界に大きな支障はないだろう。
でも実態は、ユーザー車検で最小限度の整備で車検を通すケースも! 性善説に立てない状況では安全確保のために今の車検期間が妥当と思う。万全な整備が快適なカーライフを生むわけだから。
●関連記事→利権なのか!? 意味があるのか!? ここがヘンだよ日本の車検
■軽枠拡大→欧州発売で世界的ベストセラーがきっと生まれる
(TEXT/編集部)
グローバル市場狙いにどんどんサイズ(特に車幅)が大きくなる国産車。その流れに乗り、日本特有の軽自動車の車幅も現状の1480mmを大きく超え、思いきって1600mmにするとどうなる?
日本へやって来る外国人(自動車業界の人もそうでない人も)、軽を見るたびに「コレ、イイネ~。母国ヘツレテカエリタイ」とよく言っているけど、実際乗ると外国人体型にはちと手狭だと思う。
それゆえ車幅1600mmなら、フィアット500の1625mm、VW up!の1650mmとさほど変わらない。VWポロが3ナンバー車になった今、例えば車幅1600mmのワゴンRを欧州で売れば……大ヒット間違いなし、だね!
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