■「ランクル70」誕生30周年で限定再販された76/79系
2014年の限定復活から9年、再びの再販が濃厚とされているトヨタ「ランドクルーザー70」。ここにきて、いよいよ本格的に再再販のプロジェクトが動き始めたのではないか、との見方もあり、SNS上では、再再販を待つ多くのファンの間で話題となっています。
改めてランドクルーザー70について振り返りつつ、前回の再販から考えられる、再再販に向けた課題について考えます。
【画像】このシンプルさが「イイ!」 ランクル70の写真を見る(40枚)
未舗装の大地や砂漠地帯、密林のジャングルなど、ハードな使用環境で活躍してきた、トヨタ「ランドクルーザー」(ランクル)シリーズ。そのランクルの中でも、特にハードユースに対応するのがランクル70、通称「ナナマル」です。
日本でもナナマルファンは多く、いまも根強い人気が続いています。
ナナマルは、国内では1984年から2004年まで販売されていたモデルです。
今の時代には珍しい四角くシンプルな内外装は、悪路走破を可能とする接地性に優れたラダーフレーム式シャシのタフな造りとともに、文字通り「質実剛健」と呼ぶにふさわしい仕立て。
豪華さを兼ね備えるランドクルーザー ワゴン(現行型は300系)などとの違いを明確にしていました。
ディーゼルエンジン仕様が主流であったため、排ガス規制の強化を受けて国内販売を終了しましたが、その後も海外向けには継続生産されています。
そんな中、国内のファンからは再販を求める声が強く、国内販売終了から9年後となる2014年8月、ランドクルーザー登場30周年を記念して、再販が実現しました。
再販版ナナマルは2015年6月30日生産分まで、およそ1年間の期間限定での販売でした。
ラインナップは、4ドアバン(76系)とピックアップトラック(79系)の2種類のボディタイプ。エンジンはハイオク指定の4リッター V6ガソリンエンジンのみで、トランスミッションも5速MTのみという、コアなファンにとってはうれしい、かなり「玄人好み」な仕様が特徴です。
2014年当時の消費税込み価格は、バンが360万円、ピックアップが350万円と、限定販売の復刻モデルとしては割安な設定もあって、受注開始した途端に注文が殺到。
当初の月販目標台数は200台(単純計算で2400台/年)と発表されていましたが、最終的な販売台数は7000台強にもなり、大成功を収めました。
7000台の内訳は、バンが約5500台、ピックアップが約1500台。古き良き時代のクロカン&マニュアル車であるにもかかわらずこれだけ売れたことは、「かっこいい」「流行りだから」という軽いノリだけではなく、本気のナナマルファンが多くいたことの証明となりました。
多くのファンを喜ばせたナナマルの再販でしたが、一方で、転売目的で購入する者も多く、業者向け中古車オークションでは、再販当初からほとんど走っていない極上中古車が新車価格を超える価格で取引されることに。
2023年3月現在も、復刻版ランクル70の中古車相場は400~550万円で安定しています。
しかも、ほぼ新車同様の個体だけではなく、走行5万キロを優に超えた8年から9年落ちの車両がこの価格帯を維持しているのですから、異様なほどの人気ぶりがうかがえます。
こうした背景も、SNSなどでのナナマル再再版の盛り上がりにつながっているようです。
今後もし再再販が実現するとすれば、前回の再販時以上に注文が殺到することが考えられます。
そして販売開始と同時に受注終了となってしまう可能性も十分にあり得るでしょう。
2014年当時とは法規なども変化しているため、装備やエンジン仕様、そして価格なども異なることが予想されます。実際、現在も販売を続けるナナマルの海外仕様では、安全装備などの仕様向上が図られています。
しかしナナマルの再販について、今のところトヨタからの正式アナウンスはありません。
首都圏のあるトヨタ販売店でも「お客様からも複数の問い合わせが入っているのですが、まだ具体的な話は聞いていない状況です」と話します。
とはいえ、どうしても再再販版のナナマルが欲しいと考えているなら、今のうちから最寄りのトヨタ販売店へ購入の意思を伝え、営業マンから常に最新情報を入手しながら、すぐに行動できるようにしておくことをオススメします。
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台数や期間を限定したら結局中古車市場で高騰するだけ