世界ラリー選手権の最高峰クラス“Rally 1”に参戦するM-スポーツの創設者であるマルコム・ウィルソンは、改めてシリーズへの挑戦を継続する姿勢を示した。
先日行なわれたアクロポリス・ラリーでは、M-スポーツのドライバーであるピエール-ルイ・ルーベのインタビューがフランスのメディアに掲載され、M-スポーツが来季Rally 1クラス参戦を見送る可能性を示唆したことが話題となった。
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ただその後、この記事は“フェイクニュース”とされ、削除されている。
M-スポーツは2023年シーズンのWRCで厳しい戦いを強いられており、ウィルソンも不運と信頼性の問題に悩まされた「ひどい1年」だったと認めている。しかし、チームは今後もWRCの最高峰クラスで戦うことを確約しており、ウィルソンはチームにはトップに返り咲くための“材料”が揃っていると考えている。
「最高峰クラスに留まる方法を見つけるため、できることは何でもするつもりだ」
ウィルソンはmotorsport.comに対してそう語った。
「我々には素晴らしいチームメンバーがいて、素晴らしいマシンがある。今年はひどい1年になっているが、その理由は分からない。誰にでもこういう不調はあるものだ」
「例えば、F1のウイリアムズやマクラーレンを見れば分かる。本来のポジションへ戻るための“材料”はまだ残っているのだ」
現在M-スポーツは、トヨタやヒョンデと比べ、フォードのセミ・ワークスという形でWRCに参戦しており、予算確保には毎年苦労しているが、1997年以来、最高峰クラスで常に存在感を示してきた。
ただ、昨年WRCに導入されたRally 1マシンが、FIAの意図した目標をはるかに上回るコストだったことを組織が公然と認めたことで、課題に拍車がかかっている。FIAは、このコストを削減する方法を調査している。
また、M-スポーツの中核となるビジネスモデルにはカスタマーにマシンを販売することがベースとしてあるが、現時点で売却されたRally 1マシンはわずか2台。そのうち競技者の手に渡ったのはジョルダン・セルデリディスの1台のみだ。
M-スポーツが難しい状況に立たされていることは確かだが、M-スポーツでチーム代表を務めるリチャード・ミレナーは、チームの将来を巡る憶測に対して次のように語っている。
「そんなに大げさなことだとは考えていない。この記事が削除されたということは、そのニュースが事実ではないということを示していると思う。文脈を逸脱したモノであり、ニュースに蓋をすることができればいいね」
「継続するための予算を捻出するのが毎年大変なのは否定しないが、現時点でやめるという話はない」
「間違いなく、マルコムも私もやめるつもりはない。ラリーチームには100人の従業員がいる。我々はここに留まるということを保証するため、あらゆる努力を惜しまない」
「そう、来年のドライバーラインナップはまだわからないし、現時点での目標はオット(タナク)をチームに留めることだ。それもまた大きな仕事だが、我々なりのベストを尽くすために前進し続けるよ」
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