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交通取り締まりマニアが「こだわり」解説 取り締り&覆面パトカー5つの疑問

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交通取り締まりマニアが「こだわり」解説 取り締り&覆面パトカー5つの疑問



 2018年3月1日、警視庁は中央道を235km/hで走ったとして、世田谷区在住の会社員を逮捕したと発表。実に135km/hオーバーのスピード違反であった。

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 警視庁交通執行課によると、逮捕容疑は2016年1月29日午前4時15分頃に中央道上り線で普通乗用車を運転(ダッジチャージャーと言われている)。自動速度取り締まり機(オービス)が検知したという。

 なんと2年前の犯行だったとは……。

 今回「オービスは135km/hオーバーでもしっかり撮影可」ということや、「犯行後2年たっても捕まる時は捕まる」ということがわかったわけだが、このほかにも交通取り締まりには知りたいことがたくさんある! もちろん速度違反は許しがたい犯行だし、なによりも安全第一! 日々取り締まりに励む警察の皆さんに感謝しつつ、速度取り締まり&覆面パトカーについて知りたい5つのことを、ベストカー編集部随一の「交通取り締まり好き」、編集部ウメキに解説をお願いしました!
(上記前文原稿に一部事実誤認がありました。「135km/hオーバーでの逮捕」は「過去最高」ではないとのことです。ご指摘ありがとうございました。謹んで当該部分を削除・修正いたしました。 3/7 13:45)

文&写真:ベストカー編集部(ウメキ)

■オービスは何キロから反応するか?

Q.オービスは135km/hオーバーでも作動するんですね、速いほうは何キロでも光るとわかったんですが、遅いほう、速度オーバー15km/h以下では光らないって本当ですか?

A.定置式自動速度取り締まり機……いわゆる「オービス」だが、現在主流の「LHシステム」は、路面を横切るように埋め込んだループコイル上を車両が通過するときの時間から速度を計算、設定速度以上の数値が出た場合、前方に設置したカメラで自動的に撮影するというものだが、この「設定速度」は遠隔操作で自在に変更可能となっている。

東京都江東区にある東京ゲトーブリッジ近辺にあるLHシステム

 したがって何キロ以上の速度超過から検挙するのかは、道路状況によって任意に設定が可能。極端な話、5km/hオーバーだって検挙(撮影)しようと思えばできるのだ。

 とはいえ、現実的にはそのようなことはない。オービスでの取り締まりは多くの場合赤切符相当の違反に限られている。一般道であれば30km/h以上、高速道路であれば40km/h以上の超過が対象だ。

 これにはいちおうの理由と根拠がある(例外もあるので注意/後述)。

 オービスについては違反車両のナンバー、そしてドライバーが識別できる写真を自動で撮影することで、それが違反行為の証拠となる。

 これに対して、かつてプライバーシーの侵害、肖像権の侵害などを根拠に違法性を問うた裁判があった。判決は「相当の悪質性のある速度違反であれば、プライバーシー権、肖像権の侵害もやむなし」というもの。逆に言えば「相当の悪質性」がなければプライバーシー権や肖像権が勝るとも解釈できる。

 この判例を根拠に、「相当の悪質性」すなわち赤切符相当の違反をオービスでの検挙対象としているのだ。

 ただ、過去に一般道で20km/h程度の超過、つまり青切符相当でオービスによる速度取り締まりの実例があるため、必ずしも赤切符相当に限定していると言うことではない。

■覆面パトカーのボディカラーに違いはあるのか?

Q.ボディカラーが白、黒、シルバー以外の覆面パトカーってあるんですか?

A.ある。

 覆面パトカーを購入する際の入札公示の仕様書に車体色の指定はないため、基本的にはメーカーの都合で車体色はバラけて納車される。現在、国費導入の覆面パトカーはクラウンが圧倒的多数を占めるため、結果的にほとんどが白、銀、黒になっているけれど、過去には3代目ソアラが高速隊の覆面パトカーとして全国に50台程度納入された際には、目の覚めるようなブルーメタリックの個体が何台かあって、とにかく目立ちまくっていた。

 ここ最近ではマークXが国費導入されているが、前記モデルが配備された県警ではブラウンメタリックと呼んだらいいのか……、微妙なカラーの個体が配備されたケースもある。

なんとも微妙な色で判別しづらい覆面パトカーも存在する。写真は東北道、栃木県警

 もっぱら交通取り締まりに従事する交通機動隊や高速隊に配備される覆面パトカーは、上記のようにここ10年程度は圧倒的にクラウンが多く、マークXがチラホラという感じだが、以前は前出の3代目ソアラの他にもR34スカイラインクーペなどスポーツタイプのモデルも国費導入されていた。

■速度取り締まりは逃げ切れる?

Q.覆面パトカーがサイレンを鳴らされて追いかけてこられても、止まらずにずっと走って県境や管区(?)を越えれば逃げきれるものなんですか?

A.これはもう、完全に都市伝説。県境を跨ごうがなにしようが、その気になればどこまででも追いかけてきて検挙する。

 そもそも警察の捜査権は「犯罪が現に行なわれた場所」によって決まるため、例えば国道15号線上りの神奈川県内で速度違反が現認され、神奈川県警のパトカーに検挙されるという場面で、そのまま多摩川を渡って東京都に入ったとしてもその捜査権は神奈川県警が持っている。

 昨今では逃げる違反車が無謀運転で他車や歩行者などを巻き込む重大事故に発展する危険性があるため、ある程度追尾しても停止命令を無視して逃亡を図る車両については深追いしない傾向。

 とはいえもちろん逃げドクなのではなく、記録画像などを元に後日検挙する。飲酒や薬物などが疑われる場合は、都府県系の枠を超えて連携して先回りして現行犯で検挙するということも行われている。

 高速道路については、都府県境を挟むインターチェンジ間を隣接する都府県系同士が共同管轄としている。例えば東名高速の大井松田~御殿場間であれば神奈川県警と静岡県警が相互に乗り入れて管轄としているという具合。

こちらは国費導入の覆面パトカー(マークX)

■「ネズミ捕り」(一般道での突発的な速度取り締まり)ってまだやってるの?

Q.最近、一般道での「ねずみ捕り」を見かけません。まだ一般道での速度取り締まりってやってるんでしょうか?

A.都内だと光電管式のネズミ取り、東京以外だとレーダー式が主流だけど、いわゆる「ネズミ捕り」はいまも各地で積極的に実施されている。

 ただし、「ネズミ捕り」はある程度の人員と違反車両を停止させる場所などが必要なため、実施できる場所が限られてくるということがあり、どうしても大がかりになるため頻度は減っているのは事実だ。人員と時間をかけてネズミ捕りを仕掛けるよりも、白バイや覆面パトを巡回させた方が効率的に取り締まりを実施できるという考え方である。

交通部のハイエース。リアの赤色灯い注目!

 エリアごとにネズミ捕り定番スポットというものがあり、地元のクルマは知っているから速度をセーブして走る。それまでわりと飛ばしていた地元ナンバーが急におとなしくなったなら、“それぃ!!”と抜かしにかかるのではなく、「ン!? ネズミ捕りスポットか!?」と警戒する洞察力を身につけていただきたい。

 都内だったらお台場のMEGAWEB前、「東京湾岸アンダー」というアンダーパス内で休日の午前中はかなりの頻度でネズミ捕りをやっている。

お台場の定番スポットによる「ネズミ捕り」。写真は昨年

■速度取り締まりをしなパトカーとするパトカー

Q.速度取り締まりって、交通機動隊のパトカー以外にはできない(やらない)ものなんでしょうか?

A.高速道路上であれば、基本的には高速隊のパトカーが専門的に取り締まりに当たっていると考えて間違いない。

 では一般道はどうかというと、所轄地域課のパトカーや自動車警邏隊のパトカーも速度取り締まりはやる場合がある。交番などにあるコンパクトカーのパトカーには速度取り締まり用の計測器が搭載されていないのだが、街でよく見かけるクラウンパトには速度計測器が搭載されている。

 一般道で見かけるクラウン白黒パトの場合、ルーフ上の赤色灯が直接ルーフに固定されているのが交通機動隊所属の3.5リッターエンジン搭載モデルで、台座のようなものがルーフに乗っているのが所轄&自邏隊所属の2.5リッターモデル。交通取り締まり専門の交機にはハイパワーバージョンが配備され、運動性能を重視して赤色灯も昇降装置なしなのだ。もちろん速度取り締まりは得意中の得意だし、隊員はそのために特化した訓練を集中的に受けている手練ればかり。

 いっぽう所轄や自動車警邏隊は追尾による速度取り締まりのような高度な技術を要する取り締まりには少々及び腰というのがホンネ。交通違反については信号無視や一時不停止、黄色線またぎなどの違反検挙に重点を置いている傾向はある。ただし、定期的に異動のある警察。所轄パトの乗務員にも元交機隊員だって当然いる。

 警視庁管内では銀色のハイエースが交通部に配備されていて、いっけん事故処理車や機材運搬車のような雰囲気を見せながら違反車をバンバン検挙しているので要注意。速度取り締まりはしていないようだが、信号無視などは重点的に検挙しているようだ。

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