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「奇抜顔」から「犬顔」にシフト!? トヨタ 新型「シエンタ」の表情が「優しく」なった理由とは

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「奇抜顔」から「犬顔」にシフト!? トヨタ 新型「シエンタ」の表情が「優しく」なった理由とは

■「アクティブ」さの強調から「機能性重視」路線へとシフトチェンジ

 2022年8月23日、トヨタはコンパクトミニバン「シエンタ」を約7年ぶりにフルモデルチェンジしました。
 
 3代目となった新型シエンタで、まずなにより驚かされたのは「デザイン」の変革です。イメージを一新させた理由について探ります。

【画像】「大変革!」 デザインの方向性が変わったトヨタ「シエンタ」新旧モデルを写真で見る(53枚)

 シエンタは、2003年デビューの初代から2022年にフルモデルチェンジした3代目の新型に至るまで、トヨタ最小クラスのコンパクトな5ナンバー3列シートミニバンという独自のポジションを守ってきました。

 上位ポジションのミディアムクラスミニバン「ノア/ヴォクシー」に比べコンパクトで、街中でも扱いやすいサイズを特徴としますが、室内レイアウトを細部まで工夫し、必要にして十分な空間を確保しています。

 先代(2代目)シエンタは、2015年に登場しました。

 当時の開発キーワードは「アクティブ&ファン」。若いファミリー層をターゲットに、カジュアルさを全面に押し出しています。

 外観デザインのイメージも「アーバントレッキングシューズ」という、ちょっとクルマらしからぬテーマでした。

 フロントバンパーからタイヤまわりに沿い、別建てで加えられた「プロテクター」のようなアクセントは、後席スライドドアパネルの下部にも備わり、トレッキングシューズらしさを強調。

 ボディカラーも、スポーツウェアやシューズを想起させるカラフルなラインナップが用意され、スポーティなイメージをさらに増幅させていました。

 同じ3列シートミニバンでも、スクエアなボディをメッキやエアロパーツなどで加飾し上質さを演出させたノア/ヴォクシーとは、明確なキャラクターの差別化を図られていることがわかります。

 そんな先代シエンタは、若々しいイメージが強調された半面、そのスタイルにはやや「奇抜」な印象もあり、好みが分かれるところもありました。

 8月にフルモデルチェンジした3代目の新型シエンタは、先代とはデザインの方向を変更。

 アクティブさを強調した先代に対し、新型シエンタでは機能性を重視したシンプルな路線にシフトしたのです。

 トヨタの開発者はこの変化について「ユーザーが持つ価値観の変化に着目した」と説明します。

 具体的には、先代が表現していた「気分を盛り上げるアクティブさ」ではなく、日常の生活を彩り愛着がもてる「ライフツール」という価値観だといいます。

 そのため、アクティブさを強調したスポーティでシャープなフォルムだった先代から路線を変更。

 新型では、もっと素直に機能性をかたちに表しました。

 つまり「小さいけど室内は十分に広い」ことを、外観デザインに落とし込んだという訳です。

 ただし四角さを強調し広さを表現しながらも、角を丸くまとめた「シカクマル」モチーフで、大きく見えすぎないことにも配慮したといいます。

 また、先代では装飾の色が強かったアクセントのモールは、バンパーの角やボディサイドに「プロテクターモール」として配置。気兼ねなく使えるツールという機能性を表現しました。

 新型シエンタのデザインは早くも好評なようで、TVCMで愛らしい小型犬を起用したイメージとも相まって、SNSなどでは親しみを持って「犬顔」「ワンコのよう」などと呼ばれていることもあるようです。

 こうした外観デザインとコーディネートさせた車体色も、ナチュラルなアースカラーの「アーバンカーキ」や、生活を彩る「スカーレットメタリック」といった日常の生活にも溶け込みやすい色合いをセレクトしています。

※ ※ ※

 日本自動車販売協会連合会(自販連)の調べによると、デビューから1か月ほどが経過した2022年9月度、新型シエンタはさっそく7785台の販売を記録しました。

 半導体不足などの世界的な部品供給遅れに伴う生産調整の影響が色濃く続くなかでも、好調な滑り出しをみせているといってよいでしょう。

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