青春時代の愛車を思い出して
若い頃を思い出し、再びかつて乗っていた愛車を手に入れて当時スタイルを楽しむカーライフが注目されている。現在、46歳の広島県在住の三宅廣明さんも、18歳の頃に乗っていたトヨタ「130クラウン」をふとしたきっかけで購入。青春時代に憧れていたザ・VIPカーを完全再現すべく、三宅さんは28年越しの夢を叶える製作に挑んだ。
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憧れのジャンクションプロデュース仕様を28年越しに製作
今ではそんな事はないのかもしれないが、VIPカーが流行り始めた頃は「クルマでモテた時代」だった。そんな懐かしい思い出とともに、当時乗っていたクルマを再び購入し、あの頃に流行ったスタイルを再現。若い頃は手が届かなかった高価なパーツも、大人になった今なら購入できる。憧れていた当時の夢を叶えたい──そんな熱い想いで製作に挑んだのが三宅さんだった。
時代はバブル期、シリーズ8代目となる130クラウンは、その頃のトヨタを代表する高級セダンとして登場。3ナンバー専用ボディに、電子制御エアサスペンションやエレクトロマルチビジョンなど、最先端のハイテク装備が満載で、名実ともに憧れのVIPカーとして君臨していた。
そして、この頃はアフターパーツが盛んになりつつあった時代でもあった。130クラウンは、各アフターメーカーからインパクト強めのエアロパーツが続々と登場した。
その当時、圧倒的な人気を誇っていたのがジャンクションプロデュースのエアロキットで、三宅さんもその姿に憧れを抱いた。だが、さすがに18歳の若者の財力では高価すぎて購入は厳しく、また、当時はあまりにも人気が高く、注文してもパーツが届くまでに2年待ちなんて状態が続いていた。こうしたこともあって、気になってはいたが別のメーカーのエアロパーツを愛車に取り付けて諦めてしまったそうだ。
ちょうど今から6年前、たまたま縁あってフルノーマルの130クラウン・ロイヤルサルーンGを購入。その懐かしい姿を見た時に、再びあの頃に憧れたジャンクションプロデュース仕様を目指そうと考え、ジャンクションプロデュース本社に連絡を入れたそう。さすがに当時のキットは買えないだろうと思っていたが、問い合わせしてみると新品で購入できることが判明。デカールといった細かいパーツも含めて販売していたので、思わずすべて購入したという。
ワンオフで製作したホイールとブレーキ
大人気だったジャンクションプロデュースエアロキットは、130クラウンらしさを崩さずに、押し出しの強さを強調する魅力的なエアロキットだった。こうして今見ても、渋くてカッコ良くキマっている。
フロントバンパースポイラーの造形は、あえて厚みを持たせる迫力重視のデザインであり、サイドステップはシンプルに全体の統一性を高めている。そして、ジャンクションプロデュース仕様を主張するデカールをサイドに追加。さらに、リアは3ピースエプロン付きのウイングにシングル右出しリアバンパーをセット。ただ、外装のこだわりでいえば、当時はオーバルテールのマフラーが流行っていて、ジャンクションプロデュースもリリースしていたが、現在は廃盤ということで諦めたそうだ。
このクルマの製作に関しては、その熱意がジャクションプロデュース代表の武富社長に伝わったこともあって、色々と応援してくれたそうだ。そのなかでとくに嬉しかったのが、ブレーキとホイールについては特別にジャンクションプロデュース仕様をオーダーメイドで作ってくれたことだった。なかでもジャンクションプロデューススカラーフォージドモデルについては、このクルマ専用設計で、特殊なオフセットを設定。それをわざわざアメリカにオーダーして製作してくれたのだった。
また、この130クラウンには、他にも昭和世代のクルマ好きにとって懐かしいアイテムが満載だった。室内を見ると、ピッツーラのゴールドペダルがさりげなくセットされている。そして、ステアリングはADでお馴染みのアルテッツァ・デジーのウッドステアリング、ルームミラーにはジャンクションプロデュースの伝統ある誇り高きマストアイテムである「ふさ」をぶら下げ、当時の定番仕様を楽しんでいる。
ほかにもトランクには自動車電話用アンテナを取り付け、テールはロンザスモークテールカバーをセットするなど当時物が満載だった。
懐かしい思い出を呼び起こし、若かりし頃の思い出や特別な瞬間と結びつけながら製作を進めていった三宅さんの130クラウン。若い頃のVIPカー王道スタイルであるジャンクションプロデュース仕様は、こうして今見ても威風堂々とした姿がとてもカッコ良くキマッている。
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