渋滞緩和に貢献
首都高速道路は複数の路線が複雑に絡み合いながら、東京の交通網を支える重要なインフラだ。そのなかでも、東京高速道路(KK線)は、京橋ジャンクション(JCT)から汐留JCTまでの約2kmを結ぶ短い路線で、首都高都心環状線とも接続している。
【画像】えっ…! これが60年前の「東京高速道路」です(計18枚)
総距離は短いものの、神田橋JCTから西銀座JCTを結ぶ八重洲線と合わせて交通量が多く、渋滞の激しい区間として知られている。特に、都心環状線の迂回ルートとして多くのドライバーに利用されてきた。仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)にとっても、この路線は思い入れのある存在だ。
KK線のもうひとつの特徴は、通行料が無料である点だ。この背景には、東京都から土地を借り、その下に銀座ファイブや銀座インズ、銀座コリドー街といったテナントビルが建ち、これらの施設が建設費や維持費を負担している仕組みがある。
しかし、このKK線は2025年4月に廃止されることが決まった。理由は、
・日本橋周辺の都市再開発
・首都高の老朽化
にともなう新ルート設置だ。鉄道では採算の合わない路線が廃止されるケースは珍しくないが、高速道路で既存路線が廃止されるのは非常にまれだ。
KK線廃止にはさまざまな意見がある。廃止を惜しむ声も多いが、都市再開発や都心部の道路網再編という観点からは前向きな期待も寄せられている。ただし、懸念されるのは事業費の増大だ。例えば、日本橋周辺の地下化には2018年時点で約3200億円の費用が見込まれていたが、予算を大幅に上回る可能性が指摘されている。
こうした課題を踏まえつつ、KK線廃止による都市再開発や新ルートの必要性をさまざまな角度から検証し、今後の展望を考えることが求められる。本稿では、その具体的な課題と可能性について掘り下げていきたい。
筆者の意見
KK線廃止をめぐっては賛否が分かれているが、都市部の生活基盤に新たな可能性をもたらす好機と捉えられる。廃止後のスペースは「歩行者中心の公共空間」として再生される予定で、都市部に新しい価値を提供するプランが進行中だ。 具体的には以下のような構想が挙げられている。
・2kmにわたる空中デッキ
・活気ある遊歩道の整備
・緑豊かな都会のオアシスの創出
・地域の歴史や魅力を発信する新しいコミュニティー形成
・周辺エリアと連携する新たな都市拠点の構築
これらの計画が実現すれば、都市部のランドマークとして注目を集めることは間違いない。
さらに、新ルート建設によるメリットも大きい。老朽化した既存路線を新しい路線へ移行することで、環境負荷の軽減や地震対策の強化が期待される。安全で安心して利用できる道路を提供することは、都市インフラの再構築において欠かせないポイントだ。
また、今回のプロジェクトで特筆すべきは、日本橋の景観回復だ。1603(慶長8)年に誕生し、これまで20回以上の改修を経てきた日本橋は地域の象徴ともいえる存在。その上空を通る首都高が撤去されることで、日本橋の魅力を取り戻すだけでなく、新たな観光名所としての価値も高まるだろう。
確かに、KK線廃止や長期間の通行止めにともなう一時的な不便は避けられない。しかし、新ルートが開通すれば、快適で利便性の高い交通環境が実現する。今回のプロジェクトは、短期的な負担を超えた中長期的な恩恵を提供する取り組みといえるだろう。
筆者への反対意見
KK線の廃止は、東京の未来を切り開く重要な一歩と期待される一方で、いくつかの懸念が浮上している。この課題は多くの人々や経済全体に影響を及ぼすため、慎重な対応が求められる。
最も深刻な懸念は、KK線廃止後の交通集中による渋滞だ。もともと慢性的に混雑する首都高都心環状線では、京橋から銀座、汐留を通る新ルートへの負荷増大が予想される。これにより、現在以上に渋滞が悪化する可能性が指摘されている。
また、再生プロジェクトにかかる事業費の増加も課題だ。2018年時点で日本橋周辺の地下化費用は約3200億円と試算されていたが、この額にはKK線関連の再生費用は含まれていない。さらに、2024年6月に発表された銀座エリア「新京橋連絡橋」事業費は約1760億円と、当初予定を大幅に上回った(当初予定の6割超え)。この規模の投資が妥当かどうか、議論が続いている。
さらに、再開発エリア周辺の住民に対する配慮も課題だ。現地では工事による渋滞や環境への影響が目立ち、騒音や異臭といった問題への懸念が強まっている。特に、工事が約10年にわたって続くと予想されるなか、地域住民の生活環境を守るための具体的な対策が欠かせない。
費用増加と渋滞の行方
KK線の廃止にともなう日本橋周辺再生プロジェクトは、賛否両論の声が上がるなかで進行している。重要なのは、事業を一方的に進めるのではなく、反対意見や懸念に丁寧に対応しつつ、着実に前進することだ。
まず、KK線廃止後に懸念される交通渋滞への対策として、新たな迂回ルートの提案や情報提供が必要だ。廃止後の迂回路としては、首都高の他路線が候補に挙がりやすいが、近年整備が進む都心部の一般道を利用する選択肢も視野に入れるべきだろう。場合によっては一般道を併用する方がスムーズに移動できるケースもある。このような情報を首都高速道路株式会社や東京都が積極的に提供すれば、利用者の利便性向上につながるはずだ。
事業費の問題も、透明性を持って対応する必要がある。費用増加の理由やその利用目的を明確に説明し、住民や利用者の理解を得ることが重要だ。また、プロジェクトによる利点や経済的な効果について具体的なデータやシミュレーションを提示することで、関係者の納得を引き出せるだろう。
さらに、地域住民の意見を積極的に聞き取り、それをプロジェクトに反映させる姿勢が欠かせない。現時点でプロジェクトの最終ビジョンが完全には示されていない状況だが、完成予想図などの具体的なイメージを公開することで、住民や利用者に未来への期待感を与えることができるのではないか。
このプロジェクトは、都市の再生という大きな目標を掲げつつ、利用者や地域住民の不安や懸念をいかに拭い去りながら進めていけるかがカギとなるだろう。
明るい未来に向けた都市再編の展望
老朽化が進む道路や都市インフラの現状を踏まえると、首都高をはじめとする都市の再編や再開発が必要不可欠だ。しかし、限られた財源のなかで未来を見据え、本当に必要な施策に予算を集中させることが求められる。
さらに、急激な変化が住民や利用者の日常生活に及ぼす影響を十分に配慮しながら、段階的かつ計画的に事業を進めることが重要だ。安定した進行が、プロジェクト成功のカギとなるだろう。
今回のKK線廃止を契機とした再生プロジェクトが、東京のみならず日本全体に新たな可能性をもたらす転機となることを期待したい。未来志向の都市づくりは、社会の活力と持続可能性を高める一歩となるはずだ。
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みんなのコメント
しかも無駄な歩行者って。普段車使わない人の発想だよね。
データでみると過去最高の保有台数だよ。
過去一車社会なんだよ。
一度も渋滞なんてしたことがない