日本自動車販売協会連合会が発表している2021年の新車販売台数データで、9万5049台を記録し、国産ミニバンで最も売れたモデルが、トヨタアルファードだった。
2022年の1~6月の半期の新車販売台数データでは前年比61.3%の3万4799台となっており、半導体不足などによる納車遅延の影響を受けているのがわかる。
アルファードは新車が買えないせいで中古が暴騰中! 新型は2023年5月発売予定「売り時買い時はいつ?」
6月下旬には、メーカーから販売会社に現行アルファードの受注停止の通達が来たという。アルファードを注文すると納期が2023年4月末以降になり、新型に切り替わる2023年5月を超えてしまう可能性があるためだそうだ。現在はディーラー在庫車を探すしかない状態になっている。
新車が手に入れることができないと、注目されるのが中古車だ。さて、現在、アルファード/ヴェルファイアの中古車相場はどうなっているのか、徹底解説。
文/萩原文博
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ
■アル/ヴェルともに中古は値上がり傾向
2022年6月下旬頃に受注停止となったトヨタ アルファード。新車ではディーラー在庫車のみとなっている
さっそく、アルファード/ヴェルファイアの最新の中古車相場を見てみよう。現在、2015年に登場した現行型アルファードの中古車は約1620台流通していて、平均価格は約473.2万円。中古車の価格帯は約190万~約2399万円となっている。
1000万円を超える中古車はロイヤルラウンジやレクサスLMにモディファイしたモデルが中心だ。
約半年前の2022年2月時点では、中古車の現行型アルファードは約2460台流通していて、平均価格は約433.3万円。中古車の価格帯は約198万~約2199万円だったので、流通台数は約640台減少し、平均価格は約40万円も値上がりしているのだ。
一方、兄弟車の現行型ヴェルファイアの流通台数は約1200台で、平均価格は約352.7万円。中古車の価格帯は約170万~約1299万円となっている。2022年2月時点では、現行型ヴェルファイアの中古車は約1700台流通していて、平均価格は約330.5万円。中古車の価格帯は約180万~約920万円となっていた。
ヴェルファイアもアルファード同様に中古車の流通台数が500台も減少し、中古車の平均価格は約22万円値上がりしている。これを見る限り、アルファード/ヴェルファイアともに値上がり傾向となっていることがわかる。
アルファードとヴェルファイアは外観デザインが違うだけの兄弟車だが、流通している中古車の平均価格が約120万円も差が付いている。
レクサスLM仕様の高価格車や流通しているグレード構成が違うとしても、中古車特有の“人気”という要素によって平均価格が100万円以上の差が付いてしまうのが人気車の特徴だ。
■高年式&低走行距離はローン金利に注意
2022年4月に登場したトヨタ アルファード特別仕様車「S “TYPE GOLD III”」
中古車相場が値上がりしていることがわかったところで、続いては新車を購入できないユーザーが熱い視線を注ぐ、高年式・低走行距離の“おろしたて中古車”について見てみる。
年式を2021年~2022年式、走行距離500km以下という条件で検索すると現行型アルファードは約105台。ヴェルファイアは約9台ヒットする。価格帯を見てみると、アルファードは約370万~約1234万円。ヴェルファイアは、約379万~約595.8万円だ。
この“おろしたて中古車”のグレード構成を見てみると、アルファードは2.5S Cパッケージが約77台と最も多く、価格帯は435.8万~約928万円。次いで特別仕様車の2.5タイプゴールドIIIで、約493.1万~約686.7万円となっている。
一方のヴェルファイアは、9台のうち6台が特別仕様車の2.5ゴールデンアイズIIで価格帯は約480万~500万円と新車価格より若干高い程度だ。しかし、こういった中古車はローンを利用して購入すると、ディーラーで新車を購入するよりもローンの金利が高くなるので、総額ではかなりの差が付くので注意が必要だ。
■アル/ヴェルの売り時・買い時は?
2017年式トヨタ アルファード(Sグレード)
新車の納車遅延が長期化した結果、中古車相場が上昇しているアルファード/ヴェルファイアだが、実は買取価格でも動きがあった。2022年2月に2回目の車検サイクルを迎えた2017年式のアルファードの全グレードの買取基準額を調べた。
この年式より新しくなると、一部のグレードで買取価格が販売店に連絡してくださいとなってしまうため、すべてのグレードの買取価格がわかる2017年式で調べているのだ。
前回調べたのが2022年2月で、ちょうど半年が経過していたタイミングで見てみると、驚きの結果となった。一般的には買取価格は年式が進むとともに下がっていくものだが、現行型アルファードは買取価格が値上がりしているグレードがあるのだ。
現行型アルファードは5年落ちのモデルとしては非常に高い残価率を示しているが、搭載しているパワートレインによって差が大きい。
最も残価率が高いのが2.5Lエンジン搭載車で、61.48%~76.19%と驚異的な数字だ。続いては、ハイブリッド車で47.74%~62.95%、3.5Lエンジン搭載車の46.14%~54.76%となっている。そして駆動方式では4WDより2WDが高めだ。
この半年で買取価格が最も下がったのが、特別仕様車の3.5SA タイプブラック2WDで、276万が、248万円と28万円ダウン。同様に、3.5SA Cパッケージ2WDも267万から246万円と21万円ダウンしている。
一方値上がりを示したのが、2.5G 2WD。7人乗りが247万から281万円。8人乗りが246万から279万円と33~34万円の値上がりを記録。また、特別仕様車の2.5S Aパッケージ タイプブラック2WDは266万から293万円の27万円アップとなっている。
2.5Lエンジン搭載車でもエアロパーツを装着したエアロ系グレードのSだけでなく、装備の充実した2.5Gも値上がり傾向となっているのだ。もちろんアルファードで最も人気が高く、残価率76.19%を誇る2.5S Cパッケージ2WDは約18万円も値上がりしているおり、安定した人気をキープしている。
2.5S Cパッケージの次に人気なのが、Sをベースに人気装備を装着した特別仕様車だ。2020年4月にアルファードはSタイプゴールド、ヴェルファイアにはゴールデンアイズを2.5Lエンジンとハイブリッド車に設定。
その後、2021年4月にはSタイプゴールドII、ゴールデンアイズII。2022年4月にはSタイプゴールドIII、ゴールデンアイズIIIが設定されている。
現在、この特別仕様車の中古車は、アルファード2.5Sタイプゴールドは約94台流通していて、約398万~約579万円。2.5SタイプゴールドIIは約21台流通していて、409万~599万円。そして2.5SタイプゴールドIIIは約6台流通していて、約493万~約686万円と新車時価格を上回る中古車が多く流通している。
ハイブリッドのSタイプゴールドは約7台流通していて、約509万~約593万円。SタイプゴールドIIは約5台流通していて、約498万~約608万円。そしてSタイプゴールドIIIは1台しか流通していないが、約637万円と多くの中古車が新車価格を上回っている。
一方のヴェルファイアでは、2.5ゴールデンアイズは約15台流通していて、約430万~約522万円。2.5ゴールデンアイズIIは約7台流通していて、約438万~約500万円となっている。2.5ゴールデンアイズIIIそしてハイブリッドのゴールデンアイズの流通はないが、アルファード同様に新車時価格を上回っている。
中古車相場が上昇している現行型アルファード/ヴェルファイアだが、2.5Lエンジン搭載車のオーナーにとっては売り時となっている。そして、3.5Lエンジン車はさらに値落ちが進んでおり買い時と言えるのだ。
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