“文武両道”アントネッリ、高校の先生もその真面目さをベタ褒め「クラスメイトもみんな彼を応援しています」

　18歳の現役高校生ながらF1を戦い、先日のカナダGPでは初の表彰台を獲得して話題を集めたアンドレア・キミ・アントネッリ（メルセデス）。カナダGP後には試験を受けるためイタリアに帰国するなど、F1キャリアと学業の両立を果たしている。そんな彼の努力を、先生たちも誇らしく思っているようだ。

　アントネッリが在学しているのは、ボローニャ近郊のサルヴェミニ・ディ・カザレッキオ・ディ・レーノ高専。そこでアントネッリのクラスを担当する教員のアレッサンドラ・レジーナ氏は、イタリアのANSA通信のインタビューで彼を次のように称賛した。

「キミ・アントネッリは常に多くのスポーツ活動をこなしていましたが、それでも学校のことを決しておろそかにせず、卒業試験という目標を見失うことはありませんでした」

「キミがクラスメイトたちと一緒に卒業試験を受けていることを、私たちはとても誇りに思っています。彼はとても謙虚な子で、クラスメイトたちも彼を応援しているんです」

　フェラーリに移籍した7度のF1王者ルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスからF1デビューを果たしたアントネッリは、現在ドライバーズランキングで7番手につけている。ここ数戦はトラブルもありノーポイントが続いたが、カナダでの3位表彰台によってランキング6番手のハミルトンとの点差を16に縮めた。

　多忙なシーズンを送っているアントネッリだが、彼はレースウィークの合間にも担任のレジーナに連絡して質問したり、レース後に直接学校に立ち寄って試験を受けてから家に帰るなど、しっかり勉学に励んでいるようだ。

「グランプリで移動している時にも電話やメッセージで質問してきたり、空港から直接学校に来て授業を受け、そしてテストを受けてから帰ることもありました」とレジーナ。

「彼は卒業試験を受け、素晴らしい成績で合格するにふさわしい努力をしています」

　またアントネッリ自身も、こういった文武両道は自分だけのためでなく「母のためにもやり遂げたい」と語っていた。

「学校にはかなり助けてもらっているけど、本当のところを言うと学校から色々と大量に送られてくるのは相当な負担だ」とアントネッリはポッドキャスト番組の『The Fast and the Curious』で語った。

「正直『やりたくない』って思うこともあるけど、考えてみるとこれは大切なことだ。ここまで何年も学校を続けてきたのに、最後の年で投げ出すのはもったいないし、何より母がすごく気にかけてくれているから、母のためにもやり遂げたい」

　レジーナ先生は、アントネッリとの心温まるやり取りも明かした。

「彼は以前、私にとても素敵なことを言ってくれました。『学校に戻れるのが嬉しい。クラスメイトたちに会えるのが嬉しい』と」

「彼とクラスの子たちの間にはとても素晴らしい関係が築かれていて、だからこそ皆が彼を応援しているのです」

　学校に近いイモラで行われたエミリア・ロマーニャGPの週末には、アントネッリがクラスメイトたちをパドックに招待して話題となったが、この際にはアントネッリも「普段は地元にいる時間が少なく、みんなとなかなか会えない。だからこそ、こうして関係を保つことが大切なんだ」と話していた。

Comments

[hyp********]

一流の人間は違うね！

[nor********]

ドライバーと学生を両立し、しかもF1参戦1年目でエース用マシンを乗りこなし表彰台に乗るなんてさすがだね！
ドライバーに専念し、しかもF1参戦数年目にもかかわらずエース用マシンを乗りこなせないような人とはレベルが段違いだね！