この記事をまとめると
■トヨタ・クラウンの人気のひとつにリセールバリューの高さがあった
警察の白黒パトカーが「高級車」トヨタ・クラウンである必要はあるのか?
■しかしいま、クラウンの残価率は29%
■その理由や次期型の行く末について論述する
現行クラウンの残価率は29%!
トヨタ・クラウンが初代デビューから67年目に入っている“ご長寿モデル”であることはすでに有名な話。バブル経済のころなどは新車としても高い人気を誇っていたが、その人気の要因のひとつに「10年経っても中古車が結構な価格で販売されている」、つまりリセールバリューの高さがあった。当時カローラクラスではリセールバリューなどは話題にできないぐらい低かった。トヨタ以外のカローラとの同クラス車のなかには初度登録から3年目、つまり初回車検を受けるか受けないかで下取り査定額は状態が良くても“ゼロ”になる時代の話である。
しかし、すでにFF(FFベースのAWD)となる次期型のデビューが近い時期ではあるものの、現行クラウンの残価設定ローンにおける残価率を聞いて驚いた。60回払い、つまり5年ローンで組んだ場合の残価率が30%を割り込んで29%になっていたのである。同じトヨタ系正規ディーラーの残価設定ローンでも、販売会社によって金利及び残価率の違うものを、それぞれ利用したいお客に“仲介”していることが多いのだが、クラウンの残価率が29%のディーラーで、アルファードの5年後の残価率を見ると49%になっていたので、残価率で20%も差がついてしまっている。
試しにほかのトヨタ系ディーラーで調べると(最終支払額[つまり残価分として据え置いた額]÷車両本体価格)、クラウンが約35%、アルファードが約44%と最初のディーラーよりはその差が縮まっているように見えるが、これはサンプルとしてウエブサイトに掲載されていたのが、クラウンがハイブリッドなのに対し、アルファードがガソリン車だったため。アルファードがハイブリッドならばクラウンとの差は10%強となっていただろう。ちなみにカローラセダンは約33%、ヤリス ハッチバックが約31%とクラウンと同レベルとなっていた。ちなみに人気の高いカローラ クロスは約42%となっており、クラウンを上まわっていた。
ただし、残価設定ローンにおける残価率は、3年や5年後の当該車種の価値を示しているとは言い切れないのである。とくにトヨタ系正規ディーラーでは戦略的に実際の残価予想より低めに設定されるケースが目立っている。これは、トヨタ車は全般的に中古車人気も高いので、最終支払回を迎える前にセールスマンが採算分岐点を見極め、下取り査定をすると設定残価より高い査定額が算出され、下取り査定額で残債を処理しても“お釣り”が残るケースもあると聞く。トヨタ系ディーラーでは、「完済前に乗り換えたほうがお得ですよ」といったアプローチを行い、新車への乗り換えを勧める商売も積極的に行っているのである。
次期モデルは厳しい船出となりそうだ
たとえば、前述したクラウンとアルファードで残価率が10%前後の差があったケースでも、下取り査定を行うと、国内市場だけでなく海外への中古車輸出でも抜群の人気を誇るアルファードのほうが、当該車の状態がよほど悪くない限りは、設定残価をはるかに凌ぐ下取り査定額が期待できる。クラウンにはそこまでの“伸びしろ”は期待できないのが現状となっている。
現行クラウンは2018年6月にデビューしている。2018事業年度(2018年4月から2019年3月)の年間販売台数は5万8548台、2021事業年度(2021年4月から2022年3月)の年間販売台数が1万9589台なので、2018年度比で2021年度は33%まで販売台数を落としている。コロナ禍となり新車販売台数全体が落ち込んでいるが、登録車全体で見ると2018年度比で2021年度は約80%となっているので、クラウンの落ち込みはコロナ禍となりハイヤーやタクシーといったフリート販売が落ち込んだことを考慮しても目立っているといわざるをえない。
クラウンのような高額車両では、とくにドイツ系高級車でもその傾向は強いのだが、“値落ちしにくいクルマ”という視点でクルマ選びをする富裕層も多くいると聞く。その意味では、メルセデスベンツやBMWに比べてリセールバリューが低ければ、クラウンからドイツ系高級ブランド車に乗り換える人も目立つだろうし、クラウンへの乗り換えを検討していても、アルファードのほうが“投機対象”として見れば、はるかに魅力的に映るのは自然の流れ。
現行クラウンがデビュー時から、いまのような残価率になっていることはなかっただろうが、その兆候は出ていたと記憶している。公私ともに日々投資して富を得ている富裕層から見れば、兆候は敏感に感じ取れるはずである。
まもなくFFとなった次期型クラウンがデビューする。昨今の社会状況を反映し、すでに“発売はするが、生産開始やデリバリー時期は未定になっているようだ”といった話も聞いている。SUVやメルセデスベンツのオールテレインのようなモデルも登場するなど、さまざまな情報が飛び交ってきた。それだけクラウンというネームバリューはまだまだ高いものを持っているが、マイナーチェンジも行うことなく次期型へバトンタッチすることもあり、現行モデルの不人気イメージを継承しながら(長い歴史のなかにはいままでも不調だったといわれるモデルは意外にある)、そしてクルマ以外でもなかなか思うようにモノが生産できない現状も加わり、厳しい船出となりそうだ。それでもFRからFFとなりイメージチェンジして“大化け”するのか、次期型に注目が集まっている。
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