JBLも、マークレビンソンも
執筆:Hajime Aida(会田肇)
【画像】ハーマンの最新アイテムと、JBL/マークレビンソン搭載のデモカー【じっくり見る】 全23枚
「ハーマンインターナショナル」と聞いて、その存在がわかる人はオーディオに少し詳しい人なのかもしれない。実はこの名称を意味するのは、オーディオのブランド名ではない。
業務用機器から民生用機器に至る様々なブランドを傘下に持つ、いわば持ち株会社みたいな存在と表現すればわかりやすいだろう。それだけにそのブランドは多岐にわたる。
そんな状況下のハーマンインターナショナルが、このほど「HARMAN EXPLORE TOKYO 2023」を開催し、同社が持つブランドごとの最新モデルを一挙公開した。
ハーマンインターナショナルの傘下にある一番有名なブランドといえば、大型スピーカーからヘッドフォンまで幅広い機器を手掛ける「JBL」だ。
その歴史は古く、1946年にアメリカ・カリフォルニア州で設立されている。中でもトヨタはこのJBLを古くからカーオーディオに採用しており、その力強いサウンドが多くのファンを魅了してきた経緯がある。
また、レクサスに採用されていることでも知られる「Mark Levinson(マークレビンソン)」もハーマンインターナショナルの傘下にある。その存在は今もハイエンドオーディオブランドとして君臨し、システムで揃えれば軽く1000万円を超えるほど。レクサスにはそのハイエンドなチューニング技術が導入されているというわけだ。
それ以外にもプロ用を含むモニターヘッドフォンで知られる「AKG」や、優れたデザイン性を持つ「Harman Kardon(ハーマンカードン)」、アメリカンらしい明るいサウンドを持ち味とする「Infinity(インフィニティ)」など、多数のオーディオブランドを傘下に収め、まさにハーマンインターナショナルは、世界最多のオーディオブランドを抱える“総合商社”のような存在とも言えるだろう。
ハーマンカードンの新作をチェック
そんなハーマンインターナショナルが近年、特に力を注いでいるのが「コネクテッドカー事業」だ。これはクルマをインターネットに常時接続する技術の総称で、電動化や自動運転と同様、進化していく自動車業界の中にあって避けて通れない分野ともなっている。
そうした状況下で同社が手掛けるOEMはダイムラー、トヨタ(レクサス向けも含む)、BMW、ゼネラルモーターズ、SUBARUなど大手自動車メーカーが目白押し。親会社の韓国・サムスンのIT技術とも絡んでその強みは業界の中でもいかんなく発揮されているのだ。
そうした中でハーマンインターナショナルのコンシューマ向け新製品が発表された。その中から注目した機種をいくつかピックアップしたい。
まず、この11月に発売した「Harman Kardon」ブランドのBluetoothスピーカーが「AURA STUDIO 4(オーラスタジオ 4)」「GO + PLAY 3(ゴー・アンド・プレイ3)」「LUNA(ルナ)」の3製品である。
「AURA STUDIO 4」は、Harman Kardonのデザインが高く評価されるきっかけとなったアイコニックなドーム形状を継承した「AURA」シリーズの最新モデル。
新たに「ダイヤモンド・エフェクト・ライト」を搭載することで、光・色・時間を使った階調豊かなライティング効果でインテリアに心地良いアクセントをもたらす。オープン価格で実勢価格は3万9600円前後。
手軽さならバッテリー内蔵タイプ
また、滑らかなエルゴノミックデザインのハンドルを搭載した「GO + PLAY 3」と、ラウンドシェイプを採用したミニマルデザインとしたコンパクトな「LUNA」は、バッテリーを内蔵したBluetoothスピーカーとして新たにラインナップに加わったものだ。
サウンドは当然ながらサイズが大きい「GO + PLAY 3」が特に低域の力強さで圧倒。
「LUNA」はどこへでも持ち出せる手軽さが持ち味となる。
いずれもオープン価格だが、実勢価格は「GO + PLAY 3」が5万5000円前後、「LUNA」が2万2000円前後となる。
JBL レトロモダンなターンテーブル
一方、新製品の中で個人的にも注目したのが「JBL」ブランドから登場したBluetooth機能搭載ターンテーブル「Spinner BT(スピナー・ビーティ)」である。
急速に高まるアナログレコード人気に対応したもので、ターンテーブル以外にもフォノイコライザーアンプやカートリッジを搭載。これにより購入後すぐにアナログレコードを再生して楽しめる。
また、Bluetooth機能を備えたことで、Bluetoothスピーカーでワイヤレスで手軽に再生可能。もちろん、ステレオアンプなどと接続することもできるRCAピン端子(ステレオ)も備える。
キャビネットの前面に施された、エッジにゴールドをあしらったJBLロゴマークもカッコ良さを引き立てていた。発売は11月22日で標準価格は5万6100円(税込)。
そして、この会場の外には「JBL」を搭載したトヨタ「アルファード/Executive Lounge」と、「Mark Levinson」を搭載したレクサス「RZ450e/version L」が試聴用に展示されていた。
景色の中に音の世界 アルファードとJBL
まず、「アルファード/Executive Lounge」のJBLサウンドを聴いてみた。
システムは15スピーカーと1200Wの12chオーディオアンプを組み合わせたものとなっている。スピーカーユニットは、フロントのダッシュボード内にセンタースピーカーを含む3か所に9cmミドレンジをインストールし、フロントピラー左右に2.5cmホーンツィーターとフロントドア左右に8×9インチウーファを組み合わせた。
セカンドシート向けとなるリアドア左右には2.5cmホーン型ツィーターと17cmウーファの組み合わせに加え、室内天井中央に設置したオーバーヘッドコンソールにも9cmミドレンジを組み込んだ。また、バックドアには2か所に9cmミドレンジを配置し、低域を強固なものにする22.4cmサブウーファもインストールした。
ミニバンの多くはセカンドシートで試聴するのがベストポジションであることが多い。しかし、このアルファードに限ってはそんなことはなく、運転席に座ってみると臨場感たっぷりに音場を再現していたのに驚かされた。
その要因として考えられるのが、ダッシュボード上の9cmミドレンジや2.5cmホーン型ツィーターの位置が試聴位置から1m以上はあったことだ。
一般的に前席はスピーカー位置が近く、センタースピーカーを配置しても音の出口が近くにあることから、どうしても音がキツメに聞こえがちだ。
それがこの余裕ある造りのおかげで音像が前方を見る風景内にしっかりと収まり、まさに音楽を伴いながらドライブができる感じとなっていた。これで輪郭がもう少ししっかり表現されていると良かったが、“ミニバンであってもドライバーをないがしろにしない”、そんな設計に好感を持った次第だ。
レクサスBEVで知る、クラリファイの威力
次にMark Levinsonをオプション搭載した「RZ450e/version L」を聴いてみる。
こちらは13個のスピーカーと1800Wの12chディスクリートDクラスアンプを搭載したHi-Fi志向を強めたシステムとなる。
フロントは9cmのUnity3個をダッシュボード内にインストールし、フロントドア左右には8×9インチサブウーファを配置。さらにリアドア左右には9cmのUnityを組み込み、バックドアに22.4cmのサブウーファを搭載した。
試聴を始めて真っ先に感じたのが、アルファードとは真逆の音作りだったことだ。
サウンドはかなりタイトな感じで伝わってくるもので、楽器の一つひとつの輪郭が明確に再現されている。低域の切れも素晴らしく、そのリアルな音場に聴いている方もつい音楽に引き込まれそうになるほどだ。
まさにユニットの一つひとつの再現性が素晴らしく、車体の大きさで空間を作り出すアルファードの音作りとは明らかな違いがある。
また、ほとんどの人は圧縮音源を使うことになると思うが、そんな時に効果を発揮するのがアルファード、RZともに搭載した圧縮音源復元テクノロジー「Clari-Fi(クラリファイ)」だ。
通常、圧縮音源はリアルな再現性で物足りなさを感じがちとなるが、それをハーマンが持つ独自のアルゴリズムによって音源を圧縮した際に失われた情報をリアルタイム演算で補完することで、本来のレベルにまで近づけることができるのだ。
この日は走行しての試聴はできなかったが、両車ともにクルマの持ち味を十分に活かした音作りを感じることができた。次回はぜひロングドライブを通してそのサウンドの魅力を堪能したいと思う。
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