コスパ重視の450馬力仕様でR33のネガを取り払う!
FRスカイラインを知り尽くしたショップの技
「不人気など知ったことか!」オーナーが18年かけて育て上げた450馬力のECR33
大柄になったボディが災いして、今ひとつ人気が出なかったR33型のFRスカイライン。しかし、ロングホイールベースがもたらす優れた高速安定性や、トルクフルなRB25DETは大きな魅力だ。
RB25チューンのエキスパートとして知られるコクピット館林が手がけたこのECR33後期型は、オーナーが18年間大切に育て上げたというストリートスペック。とても20年以上前のモデルとは思えないほど極上のコンディションを誇る。
エンジンは腰下に手を入れず、ヘッドに東名パワードのポンカム(IN&EX256度)を投入して高回転域のパワー追従性を高めるチューニングを敢行。そこにコクピット館林が開発したT450タービンキットをセットして、455psを発揮する。
また、重要なインテーク環境は、吸入効率を限界まで高めるべくインファンネル式のオリジナルサージタンクを奢り、合わせてスロットルも90φへと拡大。マネージメントはNISチューンで綿密に行う。
インタークーラーやラジエターといったクーリングパーツはトラスト製で統一する。
ヒートグラデーションが美しいエンドマフラーは、トラスト製のパワーエクストリームTi-R。チタン特有の乾いた直6サウンドがドライバーをやる気にさせてくれる。
足回りは、D1グランプリ等の競技シーンで圧倒的な装着率を誇るDG5を軸にセットアップ。スプリングはスウィフトでレートはフロント10kg/mm、リヤ7kgmm。各部に調整式アームを導入して、車高ダウン時のアライメント補正も行なっている。
ホイールはアドバンレーシングRSII(F18×8.5J R18×9.5J)、タイヤにはポテンザRE-11(F225/40-18 R255/35-18)を組み合わせる。
ブレーキは、前後ともBNR34のブレンボキャリパー&スリットローターをセットして強化済みだ。
剛性アップは特に施されていないが、ドライブフィールを高めるために第二世代GT-R用のNISMOパフォーマンスダンパーを前後に装備。走行中に発生する微振動をシャットアウトし、上質な乗り心地を体感できるという。
室内はストリート然とした仕上がり。ステアリングやサイドブレーキブーツは高品質なパンチングレザーで張り替えられているため、年式による劣化を一切感じさせない。
シートはブリッド製でコンプリート。運転席側がストラディアII、助手席側がユーロスターIIだ。
エクステリアはトライアルのフルエアロで統一、リヤウイングはGT-R用だ。控えめな車高セットまで含めて、シンプルで大人なGTスタイルを構築している。サンルーフ仕様ということもオーナーの拘りだ。
このチューンドを試乗した、レーシングドライバーの飯田章選手は「エンジンはピックアップが良くてパワフル、RB26にも負けてない。足回りも変な癖がなくて路面のトレース能力が高いよ。R33のタイプMって当時は人気なかったけど、良いクルマだよね。ロングホイールベースのおかげで安定感があるし、居住性も抜群だもん」とコメント。
コクピット館林の亀田さんいわく「重量級ボディというネガを、チューニングでどう補っていくかがR33攻略のポイント」とのことだが、その“模範解答”がこの美しいチューンドECR33というわけだ。
●取材協力 コクピット館林 群馬県館林市赤生田町2202 TEL:0276-73-5451
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