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the「燃費」アドベンチャースタイルの軽二輪スクーター ホンダ「ADV150」が持つ素質は相当ニッチ?

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the「燃費」アドベンチャースタイルの軽二輪スクーター ホンダ「ADV150」が持つ素質は相当ニッチ?

■スクーター+アドベンチャー。ホンダ「ADV150」の燃費を調査

 2020年「気になる新車ベスト10」があったら間違い無くランクインするであろうホンダ「ADV150」は、PCX150のドライブトレイン、フレームをベースに独自のボディ、ロングストロークのサスペンション搭載して「アドベンチャー濃度」を盛り込んだ軽二輪スクーターです。街中にとどまらないツーリング親和性を持つこのスクーター、燃費や乗り味はどうなのでしょうか。

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 実走調査では、「基本的に同一ルート」「流れに合わせたペース」「急加速、急減速、急発進の3急を避ける」「車載されたトリップ、燃費計を活用する」「この中で得た結果、感想を率直に述べる」という条件のもと行ないました。

■PCX150と同じルートで比較しながら計測

 計測は、先にPCX150でも走ったルートをトレースします。都内の外苑周辺を出発、一般道から第三京浜道路に入り、横浜新道経由で横浜横須賀道路「佐原IC」までを高速道路区間とし、東京湾フェリー「久里浜-金谷」間の船旅気分を味わいつつ、房総半島南端エリアを周遊し、大山千枚田に立ち寄って一般道を走りながら再び金谷フェリーターミナルへ戻り、往路と同じルートで外苑周辺へ戻る、というルートです。

 総走行距離は280kmほどになりました。市街地、高速、ツーリング(快走路)というそれぞれのシチュエーションで、燃費はどうだったのかを見ていきましょう。

■PCX150を上回る市街地燃費。14.1km走行で46.1km/l

 ADV150はサスペンションストロークが長く、最低地上高はPCX150の137mmに対して28mm高い165mm、シート高もPCX150より31mm高い795mmとなっています。

 可動式スクリーンの装備や前後ディスクブレーキを備え、車重はPCX150より3kg増加しています。取り回しでは重量よりもタイヤサイズの違いか、ロードスポーツバイクを押すようなしっとり感があります。

 跨がった状態での足つき感は、身長183cmの私(松井勉)にとって、むしろADV150のほうがしっかり地面を足の裏で捉えられた印象です。PCX150が足を前へ投げ出す印象のポジションに対し、上体が直立に近いADV150は足をまっすぐ地面に着けるのが要因でしょう。シートの高さも相まって、市街地では視点が高く安心感があります。PCX150は軽快さ、ADV150には重厚さがある、というのが市街地を走っての印象でした。

 外苑西通りから目黒通りで環状8号線外回り、第三京浜道路の入口までの区間で市街地燃費を計測しています。

 エンジン始動後、暖機運転もそこそこに走り出しますが、2kmもいかないうちに冷却水温度が50度以上に達したのか、アイドリングストップが機能しはじめます。市街地走行の後半、交差点の信号が連続で青だったことも影響してか、PCX150の43.1km/lを上回る46.1km/lを記録しています。

 復路、同じ道をたどると目黒通りは下り傾斜が多いため、燃費は53.3km/lまで伸びました。走り方としては、ジワリとアクセルを開け、巡航速度まで車を一歩リードするが、穏やかな加速をする、というものです。

 別の機会に復路ルートでひとつの実験をしました。発進後、アクセルを開度50%まで一気にひねり、巡航速度まで加速するパターンです。ADV150は街中で十分な加速を発揮して走り応え充分。しかし燃費も46.8km/lと「ゆったり加速」時の燃費と比べ数値はマイナス6.5km/lという結果に。交差点でのゼロ加速のしかた、信号停止の回数は、やはり大きな違いになることを再確認しました。

■高速道路でのウインドプロテクション効果も上々

 制限速度80km/hの自動車専用道路を走行する中、最初に気が付いたのはウインドプロテクション性の良さです。ADV150が装備する可動式のスクリーンを高い位置にセットして走りましたが、肩から下までの走行風を避けてくれるので快適、第三京浜道路走行時は向かい風だったのでなおさらです。

 保土ケ谷までの上り坂区間が多い場面で、燃費計は40.4km/lを表示、同じ区間でPCX150の燃費は39.8km/lでした。高速道路全体で43.1km/lと、PCX150が残した44.3km/lをやや下回ったものの、交通量や追い越し回数などの違いから、ほぼ同等だと思います。

■155kmの快走路が楽しい! つい開けてしまうアクセルに燃費も……

 ADV150のツーリング力はなかなかです。アップライトなポジションと太いタイヤの影響か、乗り味に重厚感があり頼もしい印象です。荒れた舗装や段差の吸収性に優れ、進路が乱されません。それでいて持ち前の軽くコンパクトなスクーター、という才覚は忘れていません。

 今回はADV150の「楽しさ」に誘われ、PCXの時よりも峠道、とくに上り区間でアクセルを少々開けてしまったようです(反省)。市街地、高速道路の燃費でPCX150と同等の近似値を残したものの、ツーリング(快走路)の燃費はPCX150の52.2km/lに対し49.2km/lと、3km/lの差がつきました。

 区間別にPCX150と比較してみると、金谷フェリー埠頭から房総半島南端エリアまでが47.1km/l(マイナス1.5km/l)、南端から大山千枚田までのワインディングを含む区間で52.6km/l(マイナス3.6km/l)、フェリー埠頭へと戻る60kmちょっとの区間(ワインディング多めの道)で47.8km/l(マイナス4.1km/l)と、楽しい道を走るほどに差がつく結果となりました。

 市街地走行の走り方の差異で燃費に影響が大きいことを勘案すると、アクセルの開け具合が数値にクッキリと出ています。一般道(快走路)155kmの平均燃費は49.2km/lでした。

■燃費に響く楽しさ!? 日常性にアドベンチャーマインドも搭載

 今回の燃費データでいけば、容量8リットルの燃料タンクには余裕の航続距離を持つことがわかります。途中走行した道幅の狭い舗装林道や砂利の駐車場で生き生きする走りに、アドベンチャーバイクとしての素質を感じました。

■ホンダ「ADV150」燃費結果総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)総走行距離:約280km市街地:46.1km/l高速道路:43.1km/l快走路:49.2km/l

※ ※ ※

 シート下ラゲッジスペースの便利さや持ち前の軽さがうむ日常性、そして高速道路に入ることができる移動力も武器と言えるでしょう。そう、ADV150はミニマムな遠征マシンなのです。

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みんなのコメント

1件
  • 昨年のモーターショーでADV出店写真を見ていいなと思い、モーターショーで現物を見たらほしくなった。現在、PCX125の2018モデルを乗ってるので、発売後、買い替えを検討した。
    と、それから少し経った昨年末、CRF250Lの2019モデルを見かけた。デカくて乗りにくそうながらADVの発売を待てず注文し、今年2月に納車された。
    KDX220以来のオフ車だ。
    SP忠男のフルエキ付け、パワフルで抜群の悪路走破性が楽しく結果的には買って良かった。
    現在、フェアレディZ32とPCX、CRFの3台をローテーションで乗ってるが、近いうちPCXとADVは入れ替える予定。今秋カワサキの250四発が出たら、4台のローテーションも視野に。
    問題はカミさんへの購入資金と保険ほか維持費の捻出だが、残り少ない人生、来年の定年退職金を担保に終活としての拠出を懇願しよう。
    この幸せな年寄りに、神さんの御加護?を


※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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