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ブランド再興を導いた立役者 ベントレー・コンチネンタルGT 3世代を振り返る(1)

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ブランド再興を導いた立役者 ベントレー・コンチネンタルGT 3世代を振り返る(1)

ベントレーを大きな成功へ導いた立役者

2023年の上半期を見ると、ベントレーは1か月平均で1182台の車両を販売している。ところが2003年は、年間で1017台だった。この20年間で、ベントレーには巨大な変革が起きたといっていい。その主役を担った1台こそ、コンチネンタルGTだ。

【画像】伝統と最新技術、遊び心が融合 ベントレー・コンチネンタルGT 最新バトゥールも 全111枚

壮観な装備にW型12気筒エンジンを搭載したグランドツアラーは、ベントレーを過去にない成功へ導いた立役者といえる。104年もの歴史を持つ同社だが、これまでに生産したクルマの台数の半分を、コンチネンタルGTが占めるという。

現行型は3代目となり、最近フェイスリフトを受けたばかり。スタイリングに手が加えられ、トリムグレードも見直されている。だが3世代を並べてみると、基本とする哲学や印象が、大きくは変わっていないことに感銘を受ける。

コンチネンタルGTの物語は、1998年に始まった。フォルクスワーゲン・グループが、BMWのスキを突くカタチでベントレーを買収。当時4億9700万ポンドという金額は、年間414台しか生産していなかった自動車メーカーとして、かなりの評価だった。

そして、さらに5億ポンドを投資。生産工場を一新させ、1931年以来となる、ブランド独自のモデル開発が始まった。

ベントレーは、以前から収益性の高い量産モデルを模索していた。1994年には、BMWのプラットフォームを利用した上級サルーン、コンセプト・ジャバを発表している。

VW由来の6.0L W12気筒ツインターボ

しかし新体制のもと、着手されたのは2ドアで4シーターのグランドツアラー。従来より大幅に価格帯を下げることで、間口を広げることが狙われた。

設計から製造までが、グレートブリテン島の中西部、クルーに準備された真新しい設備で進められた。過去のベントレーが名乗っていた、歴史ある名前が与えられた。ドイツ譲りのコンポーネントを、英国車らしいスタイリングが包んだ。

初代と2代目がベースとしたのは、フォルクスワーゲン・フェートンも採用したD1と呼ばれるプラットフォーム。現行型の3代目では、ポルシェ・パナメーラと同じMSBプラットフォームを基礎骨格にしている。

エンジンも、フォルクスワーゲン由来となる6.0L W12気筒ツインターボガソリン。1998年のサルーン、ベントレー・アルナージには電子制御ユニットが6基実装されていたが、コンチネンタルGTには35基も積まれていた。

AUTOCARでは、初代コンチネンタルGTへ少々辛口の評価を与えた。過去のベントレーより動力性能や操縦性が優れるとしつつも、従来より小さく手頃なモデルを開発するに当たって、それまでの魅力や印象といったものが薄くなった、とまとめていた。

もちろん、2023年の評価はまったく異なる。2003年に発売された初代コンチネンタルGTは、ブランドの変革をプロダクトで体現していた。ベントレーを復活させただけでなく、以前までのイメージを一新させたモデルだった。

魅力や印象が薄まったと感じることはない

長いドアを開き、車内へ身を委ねると、魅力や印象が薄まったと感じることはないだろう。今回用意していただいた初代が、見事に仕立てられたスーパースポーツ仕様だということも、多少は貢献しているかもしれないが。

このコンチネンタルGT スーパースポーツは、歴代最速の量産ベントレーとして2009年に登場。W12ツインターボエンジンは、630psまで増強されていた。軽量化のため、リアシートは省かれてもいる。

オートマティックの変速は高速化され、高性能なトルセン式センターディファレンシャルと、セラミック・ディスクブレーキが組まれる。自動で展開されるリアスポイラーとピレリのスポーツタイヤが、高速走行を安定させた。

それでも、インテリアはゴージャスなレッド・レザーで仕上げられている。コーナリングを鋭くするわけではないが、特別感を引き上げている。

田園地帯へ伸びる一般道では、コンチネンタルGT スーパースポーツの能力をすべて引き出すことはできない。とはいえ、壮大なW12エンジンを目一杯回すことは、短時間なら許される。

ドライビング体験に完璧なサウンドトラックを放つ。芳醇で毅然。ドイツのテクノ・ミュージックであっても、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで聞けば、違った印象になるのと同じかもしれない。

この続きは「3世代を振り返る(2)」にて

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